灼熱の首都は降水量の極端に少ない北アフリカから中東に集中している

 前回までは寒冷地について書いてきましたが今回は反対に灼熱の地について書いていきます。

1. 灼熱な気候の地域は回帰線付近にある

 近年地球温暖化が進行しており、日本国内でも40 ℃を超える日が出てきています。そのため、地球温暖化対策を行わなければなりませんが世界中にはもともとの気温が非常に高い所もあり、そのような所では40 ℃を超えることが当たり前となっています。

 例えば中東では夏場になると40 ℃を超えることが当たり前となっており、日本の歴代最高気温(つい最近出たばかりだが)である41 ℃など日常となっているほどです。

 そして、そのように極端に気温の高くなる地域は例外なく乾燥している地であり、緯度でいうと回帰線の前後(緯度23.4度の前後)に集中しています。そのため、世界で最も気温の高くなる地域は赤道直下ではなく緯度が沖縄程度の所にあり、意外かもしれませんが赤道直下は年中気温は高いものの灼熱になることはまれとなっています。

 例えば太平洋の島々は年中最高気温が30 ℃以上が当たり前となっていますが35 ℃を超えることはあまりなく、40 ℃を超えるようなことは絶対にないといっても過言ではありません。その理由はこれらの島々は海洋の影響を受けるため温まりにくく冷めにくいからであり、更に降水量が年中を通して多いため、気温が上がる要素があまりありません。

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緯度が低くても海洋部は猛暑になりにくい

 その一方で回帰線前後の場所は大気の循環の関係より季節風の影響を受ける東部を除くと降水量が極端に少ない砂漠となっており、砂漠は緑地と比較するとかなり温まりやすくなるため、気温はとてつもなく高くなります

 更に回帰線前後の地域は夏場になると赤道以上に太陽の正中(北中、南中)高度が高くなり、ほぼ直角に正中するようになります。それに加えて日中の時間も長くなるため、ほぼ直角で正中する太陽が長い期間輝き続け、地表に供給される熱量も相当多くなります。

 このことより、回帰線付近の地域では多量の熱を受け続けることとなるため、気温が極端に上がるようになり、世界で最も高温の地域となります。

 

2. 灼熱の首都はどこなのか?

 灼熱の首都は赤道付近にはなく、前述したように回帰線の前後に広がっています。そして、今回の灼熱の首都としての条件は最も暖かい月の平均気温が30 ℃以上であることを条件とし、この条件に当てはまる首都を下の表に示します。

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灼熱の首都はアフリカ北部から中東に集中している

 灼熱の首都は上表のとおりであり、これらの地域の緯度は赤道直下ではなく若干高い所に位置しています。また、降水量が極端に少ないところが多くなっています。

 そして、実際にこれらの首都を見ますとほぼ全てが赤道から離れた北アフリカから中東に位置しており北アフリカから中東ではない地域もそれらの地域の近くに位置しています

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灼熱の首都はいずれも赤線枠の中に位置している

 灼熱の首都はいずれも上図の赤線枠の中に位置しており、これらの地域は亜熱帯高圧帯の影響を大きく受ける地域であります。亜熱帯高圧帯とは地球の大気循環によって生じる大規模な高気圧のことであり、赤道付近で上昇した大気は回帰線より少し高緯度側に降りてきます。

 この降りてきた大気こそが亜熱帯高圧帯の元となっており、この大気は途中まで降水として水分を落としてきたため、大変乾燥しています。そのため、これらの地域では乾燥した空気が常に降りてくるようになります。その結果、降水量が非常に少なくなり、砂漠となっているので非常に熱しやすくなっています

 更に夏場になると第一章でも書いたように太陽が直角近くに南中し、更に昼間の時間も長くなるため、太陽から受ける熱量も非常に多くなります。

 そのため、これらの地域では暑くなる条件が勢ぞろいとなるため、世界一暑い地域となります。

 また、余談ではありますが大陸の東岸部はモンスーンの影響から回帰線近くに位置していても降水量は多くなっており、砂漠とはなっていません。そのため、台湾のような東岸部は緑豊かな気候となっており、最も暑い時期でも日平均気温が30 ℃を超えていません。

 そのため、酷暑となる地域は回帰線付近の大陸西岸部となっており、先ほどの赤線枠も大陸の西岸部に位置しています。

 ここで、話を元に戻しますがリストの首都の中で最も夏の暑いところはアラビア半島最大の国であるサウジアラビアの首都リヤドであり、最も暖かい月の平均気温は36.8 ℃ととてつもなく高くなっています。更に最高気温の平均値は43.6 ℃と熊谷や多治見が笑えてしまうほどの暑さとなり、最低気温に関しても平均29.3 ℃と熱帯夜はおろか真夏夜(最低気温が30 ℃以上のこと。筆者の造語)になるほどです。

 しかし、最高気温の平均が最も高いところはクウェートであり、クウェートでは平均最高気温が45 ℃の劇暑日(いうまでもなく筆者の造語)が当たり前となっています

 また、最も最低気温の平均値が高いところはジブチであり、ジブチ平均最低気温は31.1 ℃もあり、もはや真夏夜が日常とも言えます。

 このように北アフリカから中東にかけては平均値でも信じられないほど暑く、世界一の酷暑地帯であることは間違いないが実は緯度が比較的高い所では冬場の気温がそこそこ下がる亜熱帯地域となっており、実際にリヤドの最も寒い月の平均気温は14.4 ℃那覇を下回っています

 そのため、一部を除くとこれらの地域にも若干ではあるが寒い時期があり、年中灼熱というわけではありません。

 ちなみに熱帯砂漠や亜熱帯砂漠と書いてありますがこれは最も寒い月の気温から判断しており、以下の通りに分類しています。

  1. 最も寒い月の平均気温が18 ℃以上 → 熱帯
  2. 最も寒い月の平均気温が10~18 ℃ → 亜熱帯
  3. 最も寒い月の平均気温が-3~10 ℃ → 温帯
  4. 最も寒い月の平均気温が-3 ℃未満 → 冷帯 (今回はないがゴビ砂漠などが当てはまる)

 

 このように最も暑い地域は北アフリカから中東にかけて集中しており、これらの地域は緯度がそこまで高くない上に降水量が極端に少ないため、真夏の気温が信じられないほど高くなり、夜になってもかなり暑い状態が維持されています。

 また、以上のことより、世界一暑い首都を以下のように判断しました。

最も日平均気温の暑い首都: リヤド

最も最高気温が暑い首都: クウェート

最も最低気温の暑い首都: ジブチ