太陽は何光年先まで見ることができるのだろうか?

 本日は太陽が何光年先まで見えるかについて書いていきます。太陽は地球から見ると非常に明るい恒星であり、地球上で見える最も明るい物体でもあります。

 そして、太陽は非常に明るいためどこまでも見えるようにも感じますが実際には限界があり、極めて遠い位置に行くと見えなくなります。

1. 太陽の明るさ

 地球から見た太陽は極めて明るく、直視したら危険なほどであります。そして、地球に昼間をもたらすようにその明るさは地球にとってなければならないほどであり、たとえ曇っていたとしても太陽の明るさは地表に届きます。

 また、地球から見て最も明るい天体としては他に月があり、こちらは太陽の光を反射することで輝いています。そのため、月の明るさだけでは当然地球を昼のように明るくすることは不可能であり、実際に月の明るさは最も明るい満月でさえ太陽の43万分の1程度しかありません。

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月の光を見ることは間接的に太陽の光を見ていることとなる

 そして、当然ではありますが太陽は中心核で起こる核融合反応によって自ら発光する恒星であり、他の恒星のように等級もあります。この等級とは○等星の等級であり、例えばシリウスはマイナス1.47等、アルタイルは0.77等、北極星は1.97等のように表されます。

 では、太陽は何等級かというとマイナス26.74等級であり、この明るさは普通の1等星(1.0等星)の1,247億倍にも及びます。そのため、昼間でも夜と同じ明るさで輝いている恒星も数百億~数十兆倍明るい太陽があると見えなくなります

 このように太陽は地球から見ると圧倒的に明るい恒星でありますがその理由は言うまでも無く太陽が他の恒星とは比にならないほど近いからであり、わずか1.496億キロメートルしか離れていません。勿論1.496億キロメートルが目と鼻の先というわけでは無く、実際にこの距離を移動するには最新鋭の技術を用いても数ヶ月間かかる距離でありますが他の恒星と比較すると非常に近い距離であり、地球からの距離が非常に近い恒星であるシリウスでさえ81.36兆キロメートルも離れています。

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地球から見ると太陽の方が圧倒的に明るいが実際はシリウスの方が明るい(言うまでもありませんが縮尺は全く正しくありません)

 このように太陽はシリウスの23分の1の明るさしか無いため、81.36兆キロメートル先から見た太陽はシリウスの23分の1の明るさしか無く、そこまで明るくはありませんがそれでも余裕で見えるため、太陽は81.36兆キロメートルよりも遠くからでも観測が可能です。

 では、次章では太陽がどれだけ遠くまで見えるかについて書いていきます。

 

2. 太陽はどれぐらい遠くから見えるのか?

 太陽は1.5億キロメートル程度離れたところから見ても直視できないほどの明るさを有しています。しかし、太陽はあくまで一恒星にすぎず、その明るさもやがて限界が来るようになります。

 そして、太陽は恒星であるため非常に遠くから見ると当然夜空に輝いている恒星のように見えます。

 また、恒星の距離を表す単位としてよく用いられているものに光年があり、光年とは光が一年間(365.24日)に進む距離のことを表しています。そのため、光年をキロメートルに換算すると光速である299,792,458 mから以下の式のように算出できます。

 299,792,458 m × 1,000 km/m × 60 × 60 × 24 × 365.24 ≓ 9.46兆 km

 この距離は太陽-地球間の約65,000 倍にも及ぶ極めて遠い距離であり、このように大きな単位が用いられていることから恒星までの距離が極めて遠いことが分かります。そして、太陽を1光年先から見るとどれほどの明るさで見えるのだろうか?

 答えはマイナス2.74等星であり、この明るさはシリウスの3.2倍ほどの明るさであります。つまり、太陽は1光年先から見てもまだ余裕で見え、約1.8光年から見ればシリウスと同じ明るさで見えます

 また、他の恒星から見た太陽の明るさを書いていくと最も近いプロキシマ・ケンタウリ(4.24光年)からだと0.4等星、プロキシマ・ケンタウリと連星を組んでいるリギル・ケンタウルス(4.37光年)からだと0.46等星、二番目に近い恒星系であるバーナード星(5.98光年)から見ると1.15等星として見えます。

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リギル・ケンタウルス系から見るとカシオペア座バーナード星から見るとオリオン座の明るい恒星として見える

 リギル・ケンタウルス系から見た太陽はカシオペア座の近くに輝く明るい恒星として見え、カシオペア座のどの恒星よりも明るく輝きます。そして、少し遠いバーナード星から見るとオリオン座の三つ星の延長線上に輝く1等星として見え、これでも十分明るい恒星といえます。しかし、三つ星よりかは明るいもののはるか遠くに位置しているベテルギウスやリゲルと比較すると暗く、オリオン座で最も目立つ恒星と言うようにはなりません。

 加えて太陽が1等星として見える恒星系はこの2つだけであり、シリウス(8.6光年)からだと2等星、アルタイル(16.7光年)からだと暗い3等星、そしてベガ(25光年)からだと4等星にしか見えず、太陽の光は思った以上に明るくはありません。

 そして、太陽の光が肉眼で見える距離の限界、つまり太陽の光が届く限界距離は太陽が6.5等星として見える70.38光年、キロメートルに換算すると666兆キロメートルであります。

 この距離は地球からの距離が66.6光年離れている1等星アルデバランまでの距離よりかは遠いが79.3光年離れた1等星レグルスよりかは近いです。つまり、太陽の光はアルデバランからだと見えるがレグルスからだと見えないです。

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アルデバラン(66.6光年)から太陽を見るとギリギリ見える程度の暗い恒星でしか無い

 アルデバランから見た太陽は6.38等の非常に暗い恒星であり、極めて条件の良いときのみ見える程度の明るさでしかありません。また、近くには太陽から最も近い恒星であるリギル・ケンタウルスが太陽よりもほんの少し明るく輝いています。

 このように太陽は地球から見ると非常に明るいですが数百兆キロメートルも離れるとかなり暗くなり、666兆キロメートルまで離れるとついには見えなくなります。