太陽からみて最も明るい恒星、シリウスとはどのような恒星なのか?

 本日は筆者の趣味の一つである天体の記事を書いていきます。筆者は趣味が変わっており、主な趣味としては気候、動物の生態や分類、天体、物理や化学などを調べることであります。

 そして、今までは気候のことばかり(少し動物のこともある)書いてきましたがこれからは上記の趣味に関しての記事を書いていきます。

1. 太陽から見て最も明るい恒星

 初めに太陽から見て最も明るい恒星について書いていきます。ここで地球からでは無く太陽からと書いた理由は地球から見て最も明るい恒星は太陽だからであります。

 そして、地球から見て特に明るい恒星は1等星と呼ばれており、全天で21個の恒星がこの1等星に当てはまっています。また、ここで1等星と書きましたがここでの1等星とは正確には1.5等星よりも明るい恒星のことを指しており、厳密に言うと太陽も含まれることとなりますが太陽は特別なので例外としています。

 実際1等星といえども明るさはまちまちであり、等級で言うと最も明るいシリウスのマイナス1.47等と最も暗い1等星であるレグルスの1.35等では2.82等も違っており、これは13.4倍も違います

 そのため、実際は同じ1等星とされているものでも明るさによって普通の1等星(0.5~1.5等)より明るい0等星(-0.5~0.5等)非常に明るいマイナス1等星(-1.5~-0.5)の3種類に分けられています。

 そして、この中で最も明るいマイナス1等星は全天でわずか2つのみあり、その恒星とは先ほど書いたシリウスカノープスであります。シリウスは太陽を除くと全天で最も明るい恒星であり、その明るさは先ほども書いたようにマイナス1.47等と極めて明るいです。

 また、2番目に明るいカノープスはマイナス0.72等とシリウスの半分ほどであり、非常に明るい恒星ではありますが日本からだと非常に低くにしか見えないため、本来の明るさでは見えません。

 そのため、シリウスは日本から見える恒星の中では群抜きで明るく、日本から見える恒星の中で2番目に明るい牛飼い座のアルクトゥルス(マイナス0.04等)の4倍近くも明るいです。

 しかし、このマイナス1.47等という明るさも太陽と比較すると128億分の1の明るさにしか過ぎず、太陽が出ているときは見ることが不可能となっています。

 

2. 近く、明るい恒星

 シリウスは地球から見た明るさが非常に明るいことで有名でありますがもう一つ有名なことがあります。それは地球からの距離が極めて近いことであり、日本から肉眼で見ることのできる恒星の中では最も近い恒星であります。

 その距離はわずか8.6光年であり、日本から肉眼で見ることのできる恒星の中では唯一10光年を切っています。そのため、シリウスまで行くことができるのでは無いかと考えられますが実はこの8.6光年という距離は恒星間の中では極めて近いが地球の距離で考えると極めて遠く、キロメートルに換算すると81.36兆キロメートルに相当します。

 この距離は地球-太陽間の54.39万倍もあり、地球の直径を1 cmに例えたとしても63,782 kmに相当します。

 つまり、シリウスまでの距離は途方も無く遠く、実際にこの距離を移動するには最新鋭の技術を用いても数万年はかかるほどです。

 このようにシリウスまでの距離は近いようにも見えますが非常に遠いといえます。しかし、これほどの距離を隔てているにも関わらず、非常に明るい恒星として見えるため、シリウスは太陽よりも明るそうに見えます。その答えは正解であり、実際にシリウスの明るさは太陽の23倍にも及びます。

 シリウス太陽の1.68倍の直径、2.02倍の質量を有する表面温度が9,600 ℃程度の恒星と推測されており、太陽と比較すると幾分か規模の大きなものとなっています。

f:id:Baikalake:20191125225314j:plain

シリウスは太陽と比べると大きく熱い

 

 シリウスは表面温度が高いため、太陽と比較すると青白い恒星として観測されます。そして、意外に知られていませんが太陽は地球の109倍もの直径を有しているため地球とは比にならないほどの巨体であり、その1.7倍近くも直径があるシリウス地球の183倍ほどの直径を有する極めて大きな天体でもあります。

 このようにシリウスは太陽系と近いだけでは無く、太陽と比較しても幾分か明るい恒星であるため、太陽から見て最も明るい恒星として観測されます。

 

3. シリウスから見た太陽

 シリウスは太陽から見ると最も明るい恒星でありますが反対にシリウスから太陽を見るとどれほどの明るさで見えるのでしょうか?

 では、早速正解を言いますとシリウスから見た太陽は45番目に明るい恒星であり、思った以上に明るくない恒星としてしか見えません。シリウスから見て1等星以上の恒星は20個しか無いため、残念ながら太陽は1等星では無く1.93等の2等星としてしか見えず、太陽は思った以上にシリウスから明るく見えないことが分かります。

 ちなみにシリウスから見て最も明るい恒星は5.25光年離れたプロキオンであり、その明るさはマイナス1.32等と地球から見たシリウスに匹敵する明るさであり、この明るさは太陽の20倍近くにも及びます。

f:id:Baikalake:20191125231704j:plain

シリウスからの太陽は意外に暗い

 上表はシリウスから見た恒星の明るさランキングでありますがシリウスからの距離がかなり遠いカノープスやリゲルといった恒星が上位にランクインしており、その理由はこれらの恒星が極めて明るいからであります。つまり、明るい恒星はどこから見ても明るく見え、特にカノープスに至っては地球からも2番目に明るく見えます。

 ここまではシリウスから見た太陽の明るさについて書いてきましたが最後に太陽がどの位置に見えるかについて書いていきます。シリウスから見た太陽は地球から見える夏の星座がある場所に見え、大体アルタイルの近くに見えます。

f:id:Baikalake:20191125232405j:plain

シリウスからの太陽はアルタイルと近い

 地球からの距離が8.6光年離れているため若干形が崩れて見えますが太陽はアルタイルの近くに輝いており、実は明るさも似ています。アルタイルはシリウスから見ると太陽-ベガ間とほぼ同じ25光年離れたところにある1.65等星として見え、この明るさは全天で26番目に明るいです。

 そして、この1.65等という明るさは太陽の1.3倍ほど明るく、シリウスから見た太陽はアルタイルと似たような位置、明るさとして見えるようになります。

 このようにシリウスから見た太陽はそこまで明るい恒星ではありませんが暗い恒星というわけでも無く、アルタイルの近くに輝いて見える恒星として認識されるようになります。