実は歴代の最高気温は意外に低いシンガポール 

 本日は意外なほど気温の上がらないシンガポールの気候について書いていきたいと思います。

 

1. シンガポールの緯度と気候

 シンガポールは東南アジアに位置する国家であります。そして、シンガポール都市国家故に面積は非常に狭く面積は720 平方キロメートル香川県はおろか浜松市天竜区よりも狭い程度であります。しかし、人口は550万人を超えており、この面積は中央アジアトルクメニスタン(日本の1.3 倍の面積)と同等程度であります。

 また、以外に知られていませんがシンガポールは島国であり、大陸には接していません。

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実は島国であるシンガポール

 上の地図のようにシンガポールはマレーシアと海峡によって隔てられており、島国となっています。

 そして、ここからはシンガポールの緯度と気候について書いていきます。シンガポール北緯1度17分、東経103度50分に位置しており、ほぼ赤道直下に位置しています。どれほど赤道に近いかというと直線距離で150 kmも離れておらず、非常に赤道から近いことが分かります。しかし、これでも世界で最も近い首都では無く赤道から最も近い首都はエクアドルのキトです

 また、経度はシベリアのバイカル湖とほぼ同じであり、日本から見るとかなり西にあることが分かります。

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シンガポールの位置

 このようにシンガポールは赤道直下に位置している上に標高も低いため年中気温が高い熱帯気候に属しており、降水量もかなり多めであります。シンガポール最も平均気温の低い月は12月の26.5 ℃最も高い月は5月の28.3 ℃と差がほとんど無く、一年中気温の高い状態となっています。

 更に降水量も多少の偏りこそあるもののいずれの月も100 mmを超えており、明白な乾期はありません。

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シンガポールの気温と降水量

 シンガポール最も平均最高気温の高い月は4月で32.3 ℃もあります。そして、最高気温の平均はどの月でも30 ℃を上回っており、一見すると非常に暑そうに見えます。しかし、後述するがシンガポールは月較差(日ごとの気温の偏り)は非常に小さいため、40 ℃を超えることはまず無く、猛暑日になることもほぼありません。

 しかし、最低気温の平均は暑い月では25 ℃を超えており、熱帯夜になることは日常と言っても過言ではありません。そのため、夜に気温が下がることは無く、今までで最も気温が下がった時も19.4 ℃と20 ℃を若干下回った程度です。

 加えて降水量も年間を通して多く、特に雨期に当たる11~1月にかけては非常に多くなります。

 このような気候は熱帯雨林気候と呼ばれ、簡潔に言うと年中降水量が多く、気温も高い気候です。熱帯雨林気候の条件は以下のようになっています。

  • 最も寒い月の平均気温が18 ℃以上
  • 最も少ない月の降水量が60 mm以上
  • 乾燥限界を超えている

 シンガポールは上2つの条件を満たしているのは明白であり、年合計降水量は2,165.9 mmと乾燥限界である690 mmを優に上回っており、余裕で熱帯雨林気候であるといえます。ちなみに石垣島熱帯雨林気候の条件を満たしていますが季節があるため、実質亜熱帯気候ともいえます。

 そのため、明白な熱帯雨林気候は赤道直下の大陸の影響を受けにくいところに分布しており、実際に赤道直下に位置しているが大陸内陸部にあるところは降水量に偏りのあるサバナ気候(または熱帯モンスーン気候)となっている所が多くなっています。

 

2. 実はシベリアよりも涼しいシンガポール

 今まで紹介してきたシンガポールは年中気温が高く、暑いときは極端に暑くなるような印象があります。そのため、シンガポールは歴代の最高気温でも世界的にトップクラスの用にも思われますが実は思った以上に低くなっています。

 実際にサハラ砂漠ではシンガポールではまず超えない40 ℃を優に超える気温が観測されていますしそれ以上に緯度の高い日本でも40 ℃超えは少ないものの実際に観測されています。

 しかし、さすがにシベリアよりかは高いだろうと思われますが...

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シベリアとシンガポールの歴代の気温の記録

 意外ではありますがシベリアの主要都市(ヤクーツクより下4つ)の歴代最高気温はシンガポールよりも高くシンガポールは歴代で見ても36 ℃までしか上がったことはありません

 しかし、最も暖かい月(最暖月)の平均気温はシンガポールの方が普通に高く、シベリアは日ごとの寒暖差が非常に激しいため、歴代の最高気温はかなり高くなっています。実際にシベリアの夏は猛暑日になることもあれば氷点下になることもあり(さすがにヤクーツク以外の主要都市ではそこまで気温は低下しないが)、平均すると涼しくなるだけです。

 また、言うまでもありませんが真冬(最も寒い月、最寒月)の気温はシベリアの方が圧倒的に低く、特に世界一寒い都市ヤクーツクや北半球の最低気温を記録したベルホヤンスクでは氷点下60 ℃をも下回っており、平均最低気温でさえ氷点下40 ℃を下回っています。けれども歴代最高気温はシンガポールよりも上で歴代最高気温だけで見ると驚くべきことに北半球の最低気温を観測した場所よりもシンガポールの方が低いということになっているほどです。

※北半球の最低気温の記録はオイミャコン(こちらもシベリア)と書かれることもあるがこちらは明白な記録では無いため、今回はベルホヤンスクが北半球の最低気温の記録とします

ベルホヤンスクは正確にはヴェルホヤンスクであるがここではベルホヤンスクと表記します(Verkhoyanskのため)

 

 このように平均するとシンガポールの方が圧倒的に気温は高いものの歴代最高気温だけ見るとシンガポールの方がシベリア(の中でも最も寒い場所)よりも低いといえます。