灼熱極寒と年中春の年間の気温はどれほど異なるのか?

 今回は前回紹介した寒暖差の極端な都市トルファンと一年中似たような気温であるサンフランシスコの年間の気温を比較していきたいと思います。

1. 極端な夏冬と一年中春の違い

 寒流の流れるアメリカ西海岸に位置しているサンフランシスコとユーラシアの内陸に位置している極端に低標高の盆地トルファンでは年平均気温こそ14 ℃強と大差はないが年間の気温差は明白に異なっています。そして、前回は最も寒い月と暑い月の違いをさらっと書きましたが今回は月ごとの気温を詳しく書いていきます。

 始めにサンフランシスコの気温から書いていきます。

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サンフランシスコの年間気温

 サンフランシスコは真夏でも気温が低く、最も暖かい9月でさえ最高気温は21.2 ℃、最低気温に限れば12.8 ℃と非常に低い気温となっています。これは日本で最も寒い釧路よりも気温が低く、サンフランシスコは富士山のような高山を除くと日本のどの地域よりも夏の気温は低くなっています。

 その一方で真冬の気温は真夏の気温とそこまで大きな差があるわけではなく、最も寒い1月でさえ日平均気温は10 ℃を超えており、最低気温でさえ7.6 ℃と真夏と5 ℃ほどしか違いません。これは鹿児島の1月の平均気温(8.5 ℃)よりも高く、サンフランシスコの冬は沖縄や小笠原諸島などの南方の島を除けば日本のどの地域よりも暖かいといえます。

 そのため、サンフランシスコは釧路よりも夏が涼しく鹿児島よりも冬が暖かい気候となっており、気温で季節を感じないほどであります。しかし、降水量は季節によって明白に異なっており夏場の降水量はほぼ0 mmに対し、冬場の降水量は比較的多くなっています。けれども気温が高いためほぼ「雨」としての降水となり、冬場であっても雪が降ることは滅多にありません。

 

 次にトルファンについて書いていきます。

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トルファンの年間気温

 トルファンはサンフランシスコとは裏腹に寒暖差の極端に激しい気温であり、5月から9月の5ヶ月間は平均最高気温が30 ℃を超えており、反対に11月から2月までの4ヶ月間は平均最低気温が0 ℃を下回っています。更に9月から11月の3ヶ月間に着目しますと9月の平均最高気温は31.9 ℃と東京の真夏よりも暑くなっていますが2ヶ月を過ぎると平均最低気温が氷点下2.1 ℃と早くも氷点下となり、秋を飛ばしていきなり冬になるような気候となっています。

 また、最も暑い月である7月の平均最高気温は39.6 ℃と40 ℃近くにも及び、これは中東の気温に匹敵するほどです。しかし、1月の平均最低気温はマイナス12.1 ℃と北海道の中でも寒い部類に入る旭川とほぼ同じ気温であり、年較差は40 ℃近くにも及びます。

 では、トルファンの気温を世界の首都と比較していきたいと思います。始めに真夏(最暖月)の気温から書いていきます。

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 気温の高い首都と比較するとリヤドやバグダッドのような中東の首都に比べれば気温は幾分か低いもののそこまで大差はなく、中央アジアのアシガバート(トルクメニスタン) と似た気温となっています。そして、赤道に近いジャカルタの気温は思った以上に高くはなく、最低気温こそ似たものとなっていますが(リヤド除く)最高気温は明らかに低く、赤道直下の方が意外にも暑くなりません。

 そのため、赤道直下でもトルファンのような気温にはならず、世界的に見ても極端な高温となる地域は例外なく乾燥しています。

 

 次にトルファンの真冬(最寒月)の気温について書いていきます。

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 上表は世界で最も寒い首都(+トルファン)の最寒月の気温であり、その中でもウランバートルは群を抜いて寒いです。そのため、ウランバートルは世界一寒い首都といわれています。そして、ヌルスルタン(旧アスタナ)やオタワも日平均気温がマイナス10 ℃を下回っているため、トルファンよりも寒いが世界で4番目に寒い首都であるモスクワはトルファンよりも気温が高い、即ちトルファンはモスクワよりも寒いといえます。

 そのため、トルファンよりも真冬の寒い首都は欧州には存在しておらず、以上のことよりトルファン中東に匹敵する夏モスクワよりも寒い冬が両立している極端な気候であることが分かります。

 

2. サンフランシスコとトルファンの比較

 次にトルファンとサンフランシスコをグラフで比較してきます。

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左上: 最高気温 右上:最低気温 左下:平均気温

 サンフランシスコとトルファンはグラフからも分かるとおり全く気温の傾向が異なっており、トルファンの年較差は非常にはっきりしています。それに対しサンフランシスコはほぼ直線上となっており、季節差が非常に感じにくいものとなっています。

 では、トルファンがサンフランシスコよりもどれほど暑いかを表で示していきたいと思います。

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 上表はトルファンがどれほどサンフランシスコよりも暑いかを示したものであり、赤い数字は暑い青いマイナスの値は寒いことを意味しています。

 始めに最高気温に着目すると3月から10月まではトルファンの方が暑く、特に7月に至っては20 ℃近くも暑くなっています。しかし、1月はトルファンの方が16 ℃ほども低くなっています。更に3月はほぼ同じ気温ではあるが4月になるとトルファンの方が10 ℃近くも気温が高く、反対に10月→11月はトルファンの方が1 ℃高い状態から8 ℃近くも低い状態となっています。

 次に最低気温について書いていきます。最低気温は最高気温と比較すると明らかにトルファンの方が低く、1月に至っては20 ℃近くも低くなっています。しかし、やはり夏場になるとトルファンの方が明らかに高く、6月と7月はトルファンの方が10 ℃以上も高くなっています。

 

 以上のことより、サンフランシスコは気温による季節は感じないほど年較差はないが反対にトルファンは灼熱と極寒の両方を体験できるすごい場所となっており、内陸と大陸西岸の気温がいかに違うかが分かります。