DS930810のブログ

筆者は自然や自然現象に関心が相当あるので自然に関する記事(天文, 地理, 生物)を書いていきたいと思います。かつては1日2記事を適当な時間に投稿していましたが今のところは午後6時に1記事投稿する形にしています。

世界最寒の村、オイミャコン(冷帯)の夏は本当に暑いのか?

 今日は世界で最も寒い村であるオイミャコンの夏の気温について書いて行く。

目次

1. 最寒の冷帯の村、オイミャコン

1.1 オイミャコンとは

 オイミャコン(Oymyakon)は北東シベリアのサハ共和国の村である。そして、人口は1,000人を切っており、かなり小さな村であるが世界的に見ても非常に有名な村である。その理由は冬場の気温が極端に低いからであり、実際にオイミャコンの1月の平均気温はマイナス46.4 ℃と水銀が余裕で凍結するほどの気温である。

 更にオイミャコンでは過去にマイナス71.2 ℃を記録しており、この記録は北半球で最も低温な記録となっている。そのため、オイミャコンはかなり小さな村であるにもかかわらずシベリアの主要都市よりも知名度が高く、日本のテレビ番組でも取り上げられているほどである。

 また、意外に知られてはいないがオイミャコンはかなり東に位置しており、北海道の真北に位置している。そのため、オイミャコンはアジアの中でも最東端に近く、オイミャコンよりも東に領土を有しているアジアの独立国家はロシア連邦を除くと日本しかないほどである。

 更に驚くべきことにオイミャコンの気候は最も寒い寒帯ではなく、冷帯に属しており、この理由はオイミャコンの夏の気温に関係している。

1.2 夏のある寒冷地、冷帯

 オイミャコンは冬場になるとマイナス50 ℃は当たり前の過酷な環境であるが寒帯ではなく冷帯に属している。その理由はオイミャコンの夏場の気温が比較的高くなるからであり、実際にオイミャコンの最も暖かい月である7月の平均気温は14.9 ℃である。これだけ聞くとかなり寒そうに見えるが寒帯の条件は最も暖かい月の平均気温が10 ℃未満であることなのでオイミャコンはこの条件には満たしておらず、寒帯ではなく冷帯に属している。

 冷帯の条件は最も寒い月の平均気温がマイナス3 ℃を切っていることと最も暖かい月の平均気温が10 ℃を上回っていることであり、最も暖かい月の平均気温が10 ℃を上回ってさえいれば冬場の気温がいくら低くても冷帯であるため、オイミャコンは冷帯に属している。

 また、オイミャコンの降水量は年間を通しても216 mmしか無く、砂漠並に少ないもののあまりにも寒く水分が蒸発しないため、オイミャコンは砂漠ではない。

 このようにオイミャコンは夏場の気温がそこそこ上がるため、冷帯に属しており、夏場はコートなしでいられそうであるが実際にはコートなしでいられるほど暖かくはなく、時に東京の真冬よりも寒くなることがあるほどである。

2. 日較差の激しい夏と極寒の冬

2.1 昼間は暖かいものの...

 オイミャコンは世界一寒い村であるにもかかわらず冷帯に属しており、その理由は夏場の気温がそこそこ上がるからである。そのため、オイミャコンの夏は比較的暖かそうに見えるが実は暖かいのは昼間だけであり、夜になると真夏とは思えないほど急激に冷え込むようになる。

 参照にオイミャコンの7月の平均気温、平均最高気温、平均最低気温を示す。

平均最高気温: 22.7 ℃

平均気温: 14.9 ℃

平均最低気温: 6.2 ℃

 オイミャコンの7月の平均最高気温は22.7 ℃とかなり快適ではあり、日本のように35 ℃を超えるようなことは今まで一度も無いが最低気温の平均は6.2 ℃と涼しいどころか明らかに寒い。そのため、オイミャコンでは真夏でも夜になるとコートが無いと厳しく、場合によっては氷点下に下がることさえもある。

 つまり、オイミャコンで温かい時は真夏の昼だけであり、夜になると容赦なく気温が下がるようになる。実際に2018年7月のオイミャコンの気温を示す。

f:id:DS930810:20190219171602j:plain

 オイミャコンの2018年7月の最高気温の平均は22.7 ℃と平年とほぼ同じであり、比較的暖かかった。その一方で最低気温の平均は7.45 ℃と平年と比較すると高い。しかし、それでも最高気温と比較するとかなり低く、東京の真冬の最高気温と比較しても低い。

 また、最低気温が氷点下の比は9日と20日の2日であり、特に9日の最低気温はマイナス7 ℃と東京の真冬でもまず観測されないような気温となっている(ちなみに同日の東京の最低気温は24 ℃)。

 更にこの日の最高気温は33 ℃と7月の中では最も高く、同日の東京の最高気温よりも1 ℃高い。そのため、2018年7月9日の日較差は40 ℃にも及び、オイミャコンはこの一日だけで真夏と真冬の両方を味わうこととなった。

 このようにオイミャコンの真夏は東京で言う春(時に真夏)と真冬(場合によってはそれ以上に寒い)を一日の内に体験することができ、真夏と言えども夜が非常に寒いことが伺える。そして、当然ではあるが真冬は尋常ではないほど寒く...

2.2 極寒だが日較差はそこまで大きくない冬

 オイミャコンは夏場でも夜は寒く、場合によっては東京の真冬よりも寒くなるが当然真冬の気温は地獄に例えられるほどである。オイミャコンで最も寒い月である1月の平均最高気温はマイナス42.5 ℃、平均気温はマイナス46.4 ℃、平均最低気温はマイナス50 ℃であり、平均最高気温でさえ日本の歴代最低気温を下回っているほどである。

 そして、実際に2019年1月のオイミャコンの気温を示す。

f:id:DS930810:20190219173407j:plain

 オイミャコンの真冬の気温は日較差は真夏と比較すると小さく、昼夜で大きく気温が変化することは無いがそれは最高気温も非常に低いことを意味している。オイミャコンの1月の平均最高気温はマイナス42.1 ℃と平年より少し高いものの非常に低く、特に14日から19日にかけての6日間は最高気温がマイナス50 ℃を上回っていない。つまり、この6日間は一度もマイナス50 ℃を上回っておらず、極寒の6日間であったことを想像することは難くない。

 その一方で1月の後半は気温が非常に高く、24日と25日に至ってはマイナス30 ℃を上回っているほどである。しかし、その後は気温が下がり、28日からは再び最低気温がマイナス50 ℃を下回るようになった。

 このようにオイミャコンの冬は日較差こそ小さいものの月較差はかなり大きく、最低気温の月較差は24 ℃、最高気温の月較差は25 ℃となっている。

 以上のことより、オイミャコンの真冬は一日の気温差こそ小さいものの日によって気温が大きく異なっており、気温が低い時では数日間マイナス50 ℃を上回らない日もあるほどである。

 先ほどの夏の気温と合わせるとオイミャコンは夏場は平均気温こそ高いものの昼夜の寒暖差が激しく、冬場になると日にちごとの気温差が非常に激しくなることが分かる。

 以上、オイミャコンの夏の気温と冬の気温に違いについてでした。