DS930810のブログ

筆者は自然や自然現象に関心が相当あるので自然に関する記事(天文, 地理, 生物)を書いていきたいと思います。かつては1日2記事を適当な時間に投稿していましたが今のところは午後6時に1記事投稿する形にしています。

冬の大三角形中に位置する星座 いっかくじゅう座

 今日は冬の大三角形の中に位置している星座である一角獣座について書いて行く。

目次

1. いっかくじゅう座

 冬になると明るい恒星が数多く見え、特にシリウスやカペラ、リゲルなどは非常に明るく見える。更にオリオン座のベテルギウス、おおいぬ座のシリウス、こいぬ座のプロキオンを結んだ三角形は冬の大三角形としてよく知られている。

 実はこの冬の大三角形の中には星座が含まれており、この星座こそがいっかくじゅう座(一角獣座, Monoceros)である。しかし、いっかくじゅう座は知名度の高い星座とは言えず、3等星以上の恒星は一切含まれていない。

f:id:DS930810:20190219151748j:plain

 いっかくじゅう座は上図のように冬の大三角形中に位置している星座であり、当然周りの恒星が目立つため、相対的に見ても暗く見える。しかし、4等星の数に関しては意外なほど多く、計8つもの4等星が存在している。いっかくじゅう座の4等星はα, β, γ, δ, ε, ζ, 13, 18である。当然ではあるがこれらの恒星は同じ距離に配置しておらず、近いものもあればとてつもなく遠いものもある。

 そして、ここからはこれらの恒星について書いて行きたいと思う。

2. いっかくじゅう座の恒星

2.1 いっかくじゅう座の恒星の明るさと距離

 いっかくじゅう座の恒星はそこまで明るくは無いが4等星が多く、計8つもある。

f:id:DS930810:20190219153302j:plain

 いっかくじゅう座の4等星は上表の様になっており、絶対等級が強い恒星もあれば弱い恒星もある。特に13番星は極端に明るい絶対等級を有しており、地球からの距離も4,000光年と非常に遠い。その一方でε星は大して明るい恒星ではなく、絶対等級も1.52等(太陽の21倍程度)とシリウスの明るさを若干下回っているほどである。

 また、β星は表面温度が非常に高い恒星ではあるがそれ以外の恒星は大して表面温度が高い恒星とは言えず、いずれの恒星も表面温度が10,000 ℃よりも低い。

 更に余談ではあるがこれらの恒星の中で名前のある恒星は一切存在しないため、恒星名を書くときにはいっかくじゅう座α星(α Mon)やいっかくじゅう座β星(β Mon)のように書かれる。

2.2 近場の恒星 (ε星)

 いっかくじゅう座の4等星の中で100光年以内に位置している恒星は無いがα星とε星は比較的近場に位置しており、絶対等級もマイナスではなくプラスである。そして、今回は最も近いε星について書いて行く。

 ε星はいっかくじゅう座の中では6番目に明るい恒星であり、その明るさは4.39等と暗めである。そして、この恒星は先ほども書いたように太陽の21倍程度の明るさしか無いので122.3光年と近場にあるにもかかわらずかなり暗い恒星である。この恒星の表面温度は8,000 K程度と大して高くはなく、恒星としてはシリウスと比較的似ている。

 しかし、シリウスとは違い自転速度は速く、150 km/s程度とシリウスの10倍近く、太陽の75倍程度もある(シリウスは16 km/s, 太陽は2 km/s)。

 また、ε星から1.27光年ほど離れた位置に太陽と比較的良く似た恒星が位置しており、こちらは肉眼で観測することはギリギリ不可能である(6.72等星であり、肉眼で観測可能な6.5等よりも暗いため)。これらの恒星は距離が少し離れているため、連星かどうかは不明であるが恒星界では非常に近いため、ε星(以下εA)からこの恒星(以下εB)を見るとマイナス3.18等星として観測され、反対にεBからεAを観測するとマイナス5.53等星として観測される。

f:id:DS930810:20190219155429j:plain

 いっかくじゅう座ε星の大きさは太陽よりかは大きいもののそこまで差があるわけでは無く、特にεBに関しては太陽と大差がなく、明るさも太陽の2.4倍程度しかない。

2.3 遠い恒星 (ζ星, 13番星)

 いっかくじゅう座は目立たない星座であるが絶対等級の強い恒星は含まれており、ζ星や13番星はこの絶対等級の強い恒星に含まれている。

 初めにζ星から書いて行く。ζ星は地球からの距離が1,059光年も離れており、この距離はほぼ1京kmに等しい。そして、ζ星は地球から見た明るさが4.36等なのでこの距離と明るさから絶対等級を求めるとマイナス3.20等となる。この明るさは太陽の1,620倍に相当する。

 更にζ星のスペクトル型はG2型と太陽と同じであるため、太陽の40倍離れた位置からζ星を観測すると太陽と同じように見える(G2型は黄色がかった白色)。また、ζ星は超巨星に分類されており、超巨星とは非常に明るく巨大な高齢の恒星のことである。しかし、ζ星は超巨星の中では最も暗い部類に入っている。

 けれどもζ星が明るく巨大な恒星であることには変わりはなく、実際にζ星は太陽の50倍程度の直径を有している非常に大きな恒星である。この大きさは7,000万 km程度とかなり大きい。

f:id:DS930810:20190219161306j:plain

 太陽(左下の小さな球)はζ星と比較するとかなり小さい。その一方でζ星は非常に大きな直径を有しており、この大きさは水星軌道の半分以上もあるが更に明るい13番星と比較すると若干小さい。

 13番星は肉眼で観測することが可能な恒星の中では最も遠い部類に入っており、その距離は3,930光年とζ星の3.71倍も遠い。しかもそれだけ遠くに位置しているにもかかわらずギリギリではあるが4等星として観測することが可能であるため、絶対等級も非常に強く、マイナス5.93等にも及ぶ。この明るさは太陽の20,000倍程度とリゲルほどでは無いが絶対等級が強いことで有名な全天第二の輝星であるカノープスよりも明るい。

 当然この恒星は超巨星に分類されており、表面温度が9,700 K程度の白色超巨星に分類されている。この表面温度はシリウスの表面温度とほぼ等しい値である。そして、明るさはシリウスの871倍程度であるため、この恒星をシリウスの29.5倍離れた位置から観測した場合、シリウスと同じように見えるようになる (シリウスの29.5倍は254光年であるため、254光年先に13番星を置くとシリウスのように見えるようになる)。

 また、13番星は太陽の57倍程度の直径と12倍程度の質量を有する巨大な恒星であるため、将来的には超新星爆発を起こし、中性子星になると考えられる。

f:id:DS930810:20190219162829j:plain

 上図は先ほどのζ星の直径の図に13番星を加えた図であり、13番星はζ星よりも若干直径が大きいことが分かる。しかし、表面温度は13番星のほうが倍近くもあるため、絶対等級は13番星のほうが10倍以上もあり、全く明るさは異なっている。

 このようにいっかくじゅう座と言うマイナーな星座の中にも非常に明るい恒星が含まれており、特に13番星に関しては非常に明るく遠いことが分かる。

 以上、いっかくじゅう座についてでした。