DS930810のブログ

筆者は自然や自然現象に関心が相当あるので自然に関する記事(天文, 地理, 生物)を書いていきたいと思います。かつては1日2記事を適当な時間に投稿していましたが今のところは午後6時に1記事投稿する形にしています。

火星にはどれほどの酸素が含まれているのだろうか?

 今回は火星に含まれている気体と酸素の量について書いて行きたいと思う。

目次

1. 火星の大気圧と成分

 火星は太陽から4番目に近い惑星であり、地球のすぐ外側を公転している。そして、火星は大気中にごくわずかではあるが酸素を含んでおり、地球以外の天体の中では最も地球とよく似た環境をしている。

 しかし、火星の大気圧は地球のものと比較すると非常に小さく、わずか750 Pa程度しかない。この大気圧は地球の大気圧である101,325 Paの135分の1程度しかなく、かなり小さいことが分かる。

 更に火星の大気の成分は二酸化炭素が95 %も占めており、酸素の割合はわずか0.13 %しか無いため、酸素の量は地球と比較するとほぼゼロに等しいほどである。つまり、火星には酸素があると言えばあるがその量はほんのわずかであるため、火星上で生命体が暮らしていくことは不可能である。

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 火星の大気組成は地球のものとは全く異なっており、地球は窒素が大半を占めているのに対し、火星は二酸化炭素が多い。更に二酸化炭素の割合は大きいもののそもそも大気の量が非常に少ないため、二酸化炭素の合計量もそこまでは多くは無い。しかし、地球の二酸化炭素濃度は年々増えてはいるものの割合は非常に小さいので火星の大気中に存在している二酸化炭素の量は地球の量よりかは多い。

 そのため、火星の二酸化炭素を地球にすべて持っていくと当然地球上の二酸化炭素濃度は倍以上となり、温暖化に歯止めがつかないようになる。

 このように火星の二酸化炭素の量は地球と比較すると多いがここからは火星の大気の質量がどれほどあるかについて書いて行きたいと思う。

2. 火星に含まれている大気の量

2.1 火星の重力と単位面積当たりに含まれている大気の質量

 火星の大気圧は地球と比較すると小さいがもし火星に単位面積当たりに地球と同じ質量の大気があれば火星の大気圧は地球と同じになるのだろうか?

 答えはNoであり、火星上に仮に地球と同じ大気があったとしても火星の重力の関係上地球の大気圧よりもどうしても小さくなってしまう。圧力とは質量に加速度をかけた値を面積で割った物理量であり、火星ではこの加速度の値が地球と比較すると小さい。

 ではどれほどの大きさかと言うと地球の重力加速度が9.807 m/s^2に対して火星は3.721 m/s^2と地球の38 %程度しかない。そのため、火星の1 ㎡当たりの大気の量は201.6 kg程度であり、これは地球の51.24分の1程度にしかすぎない。

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 そして、この大気の量から火星と地球の単位面積当たりに含まれる気体の質量を掲載する。しかし、ここでの大気比は気体の体積によるものであるため、気体の質量を考慮しなければならない。気体の質量は窒素を28と置いたとき酸素32, アルゴン40, 二酸化炭素44であるのでここから計算すると以下の表の様になる。

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火星の単位面積当たりの大気質量

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地球の単位面積当たりの大気質量

 地球と火星の大気の質量を比較するとかなり異なっている。特に重要な気体である酸素の量は地球が1 ㎡当たりに2,391 kgあるのに対し火星の場合は192.9 gしか無い。つまり火星の単位面積当たりの酸素の質量は地球の12395分の1しかなく、火星の酸素の量がいかに少ないかが分かる。

 そして、窒素の量も地球の2,225分の1、アルゴンの量も44.88分の1と地球とは比較にならないほど少量しか無いが二酸化炭素だけは唯一上回っており、地球の30.36倍もの量が存在している

 以上のことより、火星は地球と比較するとほんのわずかな量の酸素しか無いが二酸化炭素は地球の30倍程度も含まれていることが分かる。

2.2 大気の総量

 ここまでは単位面積当たりの大気量について書いてきたがここからは惑星に存在している大気の総量について書いて行きたいと思う。

 先ほど求めた数値は単位面積当たりの大気の量であるため、この数値に惑星の表面積をかけなければならない。そして、火星の表面積が144,798,500 ㎢であり、地球の表面積は510,072,000 ㎢であるため、この値を先ほどの単位面積当たりの大気量にかければ惑星の総大気量を求めることが出来る。

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火星の大気の合計量

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地球の大気の総合量

 火星と地球の大気の合計量は上表の様になっており、窒素, 酸素, アルゴン, 二酸化炭素の合計量は火星の181倍にも及ぶ。

 そして、ここからは酸素について書いて行きたいと思う。火星の大気中に含まれている酸素の量は2.793×10^13 kg、つまり279.3億トンにも及ぶがこの量はギザのピラミッド(600万 トン)の4655倍に相当する質量であり、火星には多くの酸素があることが分かる。

 しかし、この量は惑星全体に存在する酸素の量であるので地球の酸素の合計量と比較するとかなり少なく、地球に存在する酸素の合計量のわずか4.368万分の1にしかすぎない。つまり、火星に存在する酸素の量はかなりあるように見えるが惑星として見てみると非常に少ないことが分かる。

 けれども、先ほども書いたように二酸化炭素の量に関しては非常に多く、火星には2.815×10^16 kgもの二酸化炭素が存在する。この量は地球に存在する二酸化炭素の量の8.616倍にも及び、仮に地球に火星の二酸化炭素をすべて持っていくと二酸化炭素の量は9.616倍にもなり、地球の気候は完全に崩壊すると考えられる。

 このように火星の大気量は地球と比較するとかなり少ないが二酸化炭素の量だけは地球の量を上回っており、火星は二酸化炭素の多い惑星であることが分かる。しかし、金星は地球の100倍ほどの大気量がある上に二酸化炭素の濃度が非常に濃いので金星と比較すると二酸化炭素の量に関しても非常にわずかである。

 以上、火星の大気の質量についてでした。