DS930810のブログ

筆者は自然や自然現象に関心が相当あるので自然に関する記事(天文, 地理, 生物)を書いていきたいと思います。かつては1日2記事を適当な時間に投稿していましたが今のところは午後6時に1記事投稿する形にしています。

極寒のグリーンランドの内陸部 その気温はシベリアと比べても低く...

 最近記事を書きにくい状況となっており、更新頻度も非常に低くなっていますが久々に記事を書いて行きたいと思います。今日の内容はグリーンランドの内陸の気候について書いて行きます。

 

目次

1. グリーンランドとは

 グリーンランド(Greenland)は北極圏に位置している広大な島であり、島の中では世界で最も広大な面積を誇る。どれほど広大かと言うとサウジアラビアに匹敵するほども面積であり、世界最大の島国であるインドネシアの国土面積よりも広い。

 また、グリーンランドはデンマークに属している島であるがデンマーク自体が北海道よりも面積の小さな国家であるため、通常デンマークの領土面積にはグリーンランドは含まれない。

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 上表はグリーンランドとデンマークの面積と人口を示した図であるがもしグリーンランドをデンマーク本土の面積に含めると現在の面積の51.5倍にも広がるようになり、もはやどちらが本体だか分からない状態となってします。しかし、人口に関しては1 %程度しか増えないのでこちらに関してはグリーンランドのものも含めてもさほど問題にはならない。

 以上がデンマークとグリーンランドの関係であったがここでグリーンランドの人口についてみていきたいと思う。グリーンランドは北半球で最も広大な島であると同時に最も寒冷な島でもあり、特に内陸部に関しては南極大陸の内陸部とさほど変わらない気候をしている。

 そのため、グリーンランドの内陸部には居住地が一切存在しておらず、もちろん人口もゼロである。しかし、グリーンランドの低緯度側の海岸部は冬の気温がそこまで低くはなく、グリーンランドで最も人口の多い首都ヌーク(Nuuk)もこの低緯度側の海岸部分に位置している。

 ヌークは北緯64°10'と北極圏よりも若干南に位置しており、緯度もグリーンランドの中では最も南に位置している場所の一つである。そして、ヌークの冬は一見寒そうに見えるが実は真冬の気温ははるかに低緯度に位置している旭川と同じぐらいであり、シベリアのどの地域の真冬よりも気温が高い。

 しかし、夏場の気温は低く、最も暖かい月の平均気温も10 ℃を下回っているため、気候は寒帯に属している。そのため、ヌークの年平均気温はマイナス0.5 ℃とウランバートル程度しかなく、年平均気温に関しては非常に低くなっている。

 けれどもヌークはグリーンランドの中でも最も暖かい地域であり、先ほども書いたように内陸部は年中を通して非常に低温となっている。そのため、グリーンランドは沿岸部と内陸部では大きく気候は異なっており、これは南極大陸と似た気候となっている。

 では、ここからは世界的に見ても極寒の内陸部とシベリアとの比較をしていきたいと思う。

2. 極寒の内陸部とシベリアとの違い

2.1 グリーンランド内陸の気温

 グリーンランドの内陸部は南極大陸と同じように分厚い氷におおわれている上に海からも遠く、更に高緯度に位置しているため、気温は極端に低くなっている。そのため、グリーンランドの内陸部は南極の内陸部とさほど変わらない状態となっており、グリーンランドは北極大陸のようにも見える。

 しかし、グリーンランドは北極点を通っていない上に面積も南極大陸と比較するとかなり小さいので南極大陸の内陸と比較すると幾分か気温が高くなっている。

 そして、今回はなかなか手に入らなかったグリーンランドの内陸部の気温のデータが入ったのでここで掲載していきたいと思う。グリーンランドの内陸部にはいくつかの観測地点があり、今回紹介するアイスミット(Eismitte)もグリーンランドの内陸部に位置している観測所である。

 アイスミットは北緯71°10', 西経39°56'に位置している観測所であり、正にグリーンランドの内陸部に位置している。しかし、現在は使われておらず、記録も1930年8月~1931年7月までの1年間のデータしか無いため今と比べると気温が低く、そこまで信憑性は高くないが掲載していきたいと思う。

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Eismitte 気温 1930年

 アイスミットの気温は年間を通して低くなっており、最も暖かい月である1月でもマイナス12 ℃しかない。更に最も寒い月である2月の気温はマイナス47 ℃とアジアの寒極であるオイミャコンとほぼ同じであり、非常に寒い気候であることが分かる。そのため、アイスミットの年平均気温はマイナス30 ℃とオイミャコンの気温を大きく下回っており、気候区分では年中氷点下である氷雪気候(EF)に分類されている。

 これがグリーンランドの内陸部の気候であり、データが古い上に一年分しか無いが少なくともシベリアよりかは寒いことが分かる。ちなみにEismitteで最も低かった気温はマイナス65 ℃であり、これは世界最寒の都市であるヤクーツクとほぼ同じであるがあくまで一年分の記録であるため、実際にはオイミャコン(マイナス71.2 ℃)を下回っている可能性も高く、北半球の寒極はおそらくではあるがグリーンランドの内陸部にあると考えられる。

2.2 シベリアとの違い

 北半球で最も寒い場所と言うとグリーンランドとシベリアが思い浮かぶが実は両者には相違点が数多くある。それは居住可能か不可能かであることであり、シベリアの内陸部は居住可能であるがグリーンランドの場合は不可能である。

 その理由は夏場の気温に関係しており、シベリアは夏の気温がそこそこ高い冷帯性の気候となっているがグリーンランドの場合は夏でも気温の低い寒帯となっている。そのため、シベリアにはタイガの森林と数多くの野生動物が生息しているがグリーンランドは殺風景な氷原となっており、その違いは一目瞭然である。

 では、ここからはシベリアとグリーンランドを比較していく。ここではグリーンランドの首都ヌークとシベリア内のブリヤート共和国の首都ウラン・ウデ(Ulan Ude)を比較していきたいと思う。

 ウラン・ウデは北緯52°弱に位置している都市であり、西側にはバイカル湖が位置している。そして、ウラン・ウデの年平均気温はマイナス0.1 ℃とヌークと大差は無いが年較差は大きく異なっており、ウラン・ウデのほうが格段に年較差が大きくなっている。

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 ウラン・ウデは海からの距離が非常に遠いため、年較差の非常に大きい内陸性の気候となっている。そのため、平均気温で見た年較差は43.1 ℃にも及び、わずか15.5 ℃しか年較差の無いヌークと比較すると非常に大きいことが分かる。

 更にウラン・ウデは過去にマイナス54.4 ℃と言う信じられないほどの低温を観測して事があり、ヌークの歴代の最低気温であるマイナス32.5 ℃と比較するとあまりにも低い。けれども歴代の最高気温を見てみるとウラン・ウデは40.6 ℃と40 ℃を超えており、歴代の気温で見た年較差は95 ℃と世界的に見てもトップレベルである (ヌークは歴代の最高気温が26.3 ℃であるため、歴代で見ても58.8 ℃とそこまでは大きくない)。

 このようにシベリアは内陸部に位置している場所が非常に多く、更に暖流の影響も全くないため、全域が年較差の激しい地域となっている。これはグリーンランドとの大きな違いであり、グリーンランドの場合はヌークのような海洋性の気候の場所もあればアイスミットのような内陸性の気候の場所もある。

 ここまではヌークと同じぐらいの平均気温の場所について書いてきたがここからはシベリア最寒の地であるオイミャコンとアイスミットを比較していきたいと思う。

2.3 オイミャコンvsアイスミット

 オイミャコンはシベリアの共和国であるサハに位置している村であり、シベリアの中でもかなり東に位置している。更にオイミャコンはアジアで最も気温の低い地域であると同時に観測された中では最も低温を観測した場所でもある。

 そのため、オイミャコンは極寒のシベリアの中でも最も気温が低い場所であり、年平均気温もわずかマイナス15.5 ℃しか無いがこれでも寒帯ではなく冷帯に属している。オイミャコンの気候区はDfd気候であり、この気候は冷帯の中でも冬の気温が極めて低い気候である。しかし、あくまでこの気候は冷帯であるため、夏の気温はそこそこ上がるため、オイミャコンは殺風景ではなくタイガの森林におおわれている。

 そのため、オイミャコンの最寒月の最低気温はアイスミットと同じぐらいであるが年平均気温はアイスミットと比較するとかなり高くなっており、15 ℃ほどオイミャコンのほうが高くなっている。

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 アイスミットの気温は1年分のデータしかない上に古いため、形状は悪いもののこれしかデータが無いため、このデータを用いていきたいと思う。アイスミットは冬場の気温こそオイミャコンと変わりは無いが夏場の気温が格段に低いため、年平均気温は非常に低い。

 そのため、オイミャコンのほうが年較差は大きいもののアイスミットのほうがより過酷な気候となっており、仮に30年分のデータがあったとするとほぼ確実に最低気温はアイスミットのほうが低い値を観測すると考えられる。このことより、オイミャコンは北半球の寒極と言われているが厳密にはアジア(しいて言うならばユーラシア)の寒極に過ぎず、北半球の寒極はグリーンランドの内陸部に位置していると考えられる。

 以上がグリーンランドの内陸部の気候であり、グリーンランドの内陸は南極大陸ほどでは無いが非常に気温が低い過酷な環境となっていることが分かる(南極のヴォストーク基地の年平均気温はマイナス55.2 ℃, 歴代の最低気温はマイナス89.2 ℃)。

 

参考文献

Eismitte Wikipedia 2.Climate (アイスミットの気温)

https://en.wikipedia.org/wiki/Eismitte

Nuuk Wikipedia 3.Climate (ヌークの気温)

https://en.wikipedia.org/wiki/Nuuk

Ulan-Ude Wikipedia 9.Climate (ウラン・ウデの気温)

https://en.wikipedia.org/wiki/Ulan-Ude

Oymyakon Wikipedia 4.Climate (オイミャコンの気温)

https://en.wikipedia.org/wiki/Oymyakon