DS930810のブログ

筆者は自然や自然現象に関心が相当あるので自然に関する記事(天文, 地理, 生物)を書いていきたいと思います。かつては1日2記事を適当な時間に投稿していましたが今のところは午後6時に1記事投稿する形にしています。

南極の氷の下には広大な湖が眠っている そこには莫大な水が蓄えられており...

 今回は南極の氷の下にある広大な湖について書いて行きたいと思う。

目次

1. 南極と寒極

1.1 極寒の南極大陸

 南極大陸は世界で最も南に位置している大陸であり、南極点も含んでいる。そのため、南極大陸は世界で最も高緯度に位置しており、地球上のあらゆる地域よりも気温が低くなっている。

 そして、北半球にもシベリアのような寒冷地があるがシベリアと南極では夏の気温が全く異なっており、シベリアの場合は夏になると比較的気温が高くなる。そのため、シベリアでは広大なタイガの森林が広がっており、決して殺風景な光景とはなっていない。

 しかし、南極は夏場の気温も低く、全域が寒帯となっているため木が一本も生えていない状態となっており、シベリアと比較すると殺風景となっている。

 そのため、南極とシベリアは同じ寒冷地でありながら夏場の気温の違いにより大きく環境が異なっており、南極のほうがより過酷な気候であることが分かる。

 当然南極は夏場の気温も低いため、都市はおろか村さえも存在しておらず、存在している居住地は観測基地程度である。しかもその観測基地も定住用では無いため、南極の定住者はゼロとなっている。

 また、南極大陸は大陸の中ではかなり小さいほうではあるが1,400万 ㎢とオーストラリア大陸の2倍程度の面積を有しており、この面積は北アジア(シベリア+ウラル+極東)のものをわずかに上回っているほどである。そのため、南極大陸の内陸部は高緯度+高標高(南極は氷の厚さが極端に高いため)+高隔海度の条件が組み合わさっているので地球上とは思えないほど気温が低くなっている。

 そして、そのような条件の場所は地球上で最も低い気温が観測された場所であり、地球の寒極となっている。

1.2 寒極、ヴォストーク

 地球上で最も低温を観測した所、つまり地球の寒極は南極大陸の内陸部に位置しているヴォストーク基地(Vostok Station)である。ヴォストーク基地は南緯78°28'と極めて緯度の高い所に位置しており、更に分厚い氷で覆われているため、標高は3,488 mと富士山には若干及ばないものの日本で二番目に標高の高い北岳よりか高標高に位置している。

 そのため、ヴォストーク基地は年平均気温がマイナス50 ℃をも下回っており、これは北半球の寒極であるオイミャコンの最寒月の最低気温をも下回るほどである。更にヴォストーク基地の最寒月の平均気温はマイナス67.9 ℃とオイミャコンの歴代の最低気温に迫るほどであり、最暖月に関してもマイナス31.8 ℃とシベリアの真冬並みに気温が低くなっている。

f:id:DS930810:20181223012452j:plain 上図は北半球の寒極であるオイミャコンとヴォストーク基地の月別の気温を示した図であるがヴォストーク基地は全体的に見てもオイミャコンをはるかに下回るほど気温が低く、年平均気温は40 ℃近く、最暖月の平均気温は46.7 ℃、最寒月の平均気温に関しても21.5 ℃も低い

 また、このことに関しては以下の記事を参照していただいてほしい。

www.rigelultragiant.com

  このように極寒の南極の中でも最も寒いヴォストーク基地の気温は極限まで低く、地球の気温とは思えないほどである。そして、このヴォストーク基地の氷の下には驚くべきことに広大な湖が広がっている。

2. 氷底湖、ヴォストーク

2.1 氷の下の湖

 南極大陸の中でも特に内陸に位置しているヴォストーク基地は非常に分厚い氷におおわれているため標高が非常に高く、年平均気温はマイナス55 ℃程度と極限にまで低くなっている。

 そのため、氷の上には湖など存在しておらず、南極大陸には一切湖が存在していないようにも見えるが実はこの分厚い氷の下には広大な湖が存在している。このような湖のことを氷底湖と言い、南極やグリーンランドのように分厚い氷におおわれている大地にのみ見られるものとなっている。

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氷底湖の構造

 上図は氷底湖の構造を簡単に書いたものであり、分厚い氷の下に湖が広がっている形となっている。そして、この氷の重さはかなりのものとなっているため、氷底湖の水温が0 ℃を若干下回ったとしても凍結することは無く、現にヴォストーク湖の水温はマイナス3 ℃と0 ℃を若干下回っているが液体の状態で存在している。

 また、ヴォストーク湖の上にある氷の厚さは4 kmほどであるため、氷の密度を0.92 g/㎤(1気圧下での氷の密度は0.9168 g/㎤だが下の氷は凄まじい圧力で押しつぶされているため、多少密度が大きくなったと仮定する)とおくと、湖面にかかる圧力は36,064,000 Paにも及び、この圧力は356気圧に相当する。更にこの圧力に大気圧が加わるため、湖面にかかる圧力は357気圧となり、これは金星の大気圧の4倍にも及ぶ。

 そのため、南極大陸には非常に大きな圧力(氷圧?)がかかっており、実を言うと南極大陸は普通の大陸と比較すると沈み込んでいる形となっている。

 このように南極大陸の分厚すぎる氷は南極大陸全体を沈め、更に氷底湖のような普通では考えられないような状態を作り出しているのである。

2.2 ヴォストーク湖の大きさ

 ヴォストーク湖は南極大陸の分厚い氷の下に位置している湖であると同時に南極大陸最大の湖でもある。更に驚くべきことにヴォストーク湖は世界の広大な湖とも謙遜が無いほどの広大な面積を有しており、その面積は12,500 ㎢とカザフスタンのバルハシ湖よりも狭いもののヨーロッパ第二の湖であるオネガ湖よりも広い。

 更にヴォストーク湖は氷の下に位置しているにもかかわらずかなり深い湖でもあり、平均水深は432 m, 最大水深は900 mほどもあると考えられている。この深さは世界的に見てもトップレベルに深く、これよりも深い湖はバイカル湖, タンガニーカ湖, カスピ海程度しかないほどである。

 そのため、ヴォストーク基地には非常に多くの水が蓄えられており、貯水量は5,400 ㎦と非常に多い。この量はカスピ海, バイカル湖, タンガニーカ湖, スペリオル湖, マラウイ湖に次ぐ世界第六位であり、ヴィクトリア湖よりも多くの水を蓄えている(ヴィクトリア湖の倍ぐらい)。

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 ヴォストーク湖の貯水量は世界で最も多くの淡水を蓄えているバイカル湖と比較してもそこまで多くの差が無く、バイカル湖の23 %程度の淡水を蓄えている。更にヴォストーク湖以外にも南極には多くの氷底湖があるので南極には非常に多くの淡水が蓄えられている。

 このように南極大陸の氷の下には非常に広大な湖が眠っており、更にヴォストーク湖には地上では見られないような微生物も発見されているほどである。そのため、南極には未知の生命体が多く生息していると考えられ、南極の謎は少しずつ解き明かされていると考えられる。

 以上、南極の氷の下に存在している広大な湖、ヴォストークについてでした。

 

参考文献

Lake Vostok (ヴォストーク基地のデータ)

https://en.wikipedia.org/wiki/Lake_Vostok

 

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