DS930810のブログ

筆者は自然や自然現象に関心が相当あるので自然に関する記事(天文, 地理, 生物)を書いていきたいと思います。かつては1日2記事を適当な時間に投稿していましたが今のところは午後6時に1記事投稿する形にしています。

泳げないカニ?がいる しかし厳密にはカニではなく...

 今回は泳げないカニ?について書いて行きたいと思う。

目次

1. 泳げない生物

 地球上には数多くの種の生物がいる。そして、地球上の生物の大半は細菌類や昆虫などが占めており、脊椎動物はほんのわずかしかいないほどである。

 また、始めの生物は海で生まれ、長い年月をかけた後一部の生物が陸地に進出するようになったため、生物の起源は海であると言われている。そのため、水は生物に取っては必要不可欠なものであり、更に生物は体の大半が水によって占められているため、密度も水と同じぐらいとなっている。

 では、ここからは海に生息している動物について書いて行きたいと思う。海で暮らす生物の大半は水中で呼吸が出来るようになっているので溺れる, つまり泳げないことは無いが一部の生物は肺呼吸をしているため、海上に出なければ呼吸をすることが出来ない。

 そのような生物としては海蛇や亀のような爬虫類, アザラシや鯨のような哺乳類がおり、これらの生物は海中に潜りっぱなしでいると当然溺死するようになる。しかし、これらの生物は完全に海での生活に適応しているため、溺れると言ったことは無く反対に陸地でずっといると窒息死することは無いが命にかかわるようになる。

 例えば鯨の場合は陸地に打ち上げられるとすさまじい体重を支え切ることが出来ずに圧死するようになり、クジラの体重は海中での浮力によって支えられているからこそ成り立っているのである。

 このように肺呼吸でも海の生活に適応している動物もおり、このような動物は泳げないことは無い。

 しかし、川や湖で生活している動物の場合は全てが泳げるわけでは無く、中には泳げない動物もいるぐらいである。

 では、誰が泳げないかと言うとカバであり、カバは言うまでも無く川で生活している。しかし、カバは密度が若干水よりも大きいため、泳ぐことは不可能であり、浅い川の中をただ飛び跳ねて移動しているだけである。

 つまり、カバはバイカル湖やタンガニーカ湖のような極端に水深の大きな湖のど真ん中に放り込むとなすすべもなく湖底にたどり着くまで水中に沈んでいくようになる(5 mプールの中に落としてもただ沈んでいくだけであるが)。

 以上のことより水の中で生活している動物でも泳げないものもおり、「水中で生活している動物=泳げる」ということは間違いであることが分かる。

 そして、次章では泳げないカニ?について書いて行きたいと思う。カニは全種が水中で生活しているのでカバのようなカニがいそうであるが実は陸地で生活するカニ?もおり、そのカニ?が泳げないのである。

2. 泳げぬカニ?

2.1 カニには二種類いる

 初めにカニについて書いて行きたいと思う。カニと言うと足が8本とはさみがある硬い甲殻に覆われた生物を普通は想像する。

 しかし、カニの中には足が6本しかないカニもおり、その代表的なカニとしてはタラバガニがいる。つまり、カニには8本の足を有するものと6本しか有さないものがおり、カニは大きく分けると

  1. 8本足のカニ
  2. 6本足のカニ

の二種類がいそうであるが実は後者のほうはカニに似た生物であり、カニには分類されてはいない。

 では、後者のカニは何なのかと言うとヤドカリである。つまり、タラバガニはカニには分類されてはおらずヤドカリに分類されている動物であり、今回紹介するカニもヤドカリに分類されるカニである(今までカニの後に?をつけていたがその理由はカニではなくヤドカリだからである)。

 以上のことより、2.1章のタイトルである「カニには二種類いる」の二種類の内、六本足のカニとはカニに似ただけのヤドカリであり、カニとは関係の無さそうな生物のように思えるがここで本物のカニであるズワイガニとヤドカリであるタラバガニの生物学上の分類についてみていきたいと思う。

 ズワイガニは生物学上で見てみると「動物界, 節足動物門, 甲殻亜門, エビ網, エビ目, エビ亜目, カニ下目, ケセンガニ科, ズワイガニ属, ズワイガニ」として表され、タラバガニは「動物界, 節足動物門, 甲殻亜門, エビ網, エビ目, エビ亜目, ヤドカリ下目, タラバガニ科, タラバガニ属, タラバガニ」に分類される動物である。

 つまり、ズワイガニとタラバガニは「エビ亜目」までは共通しており、それよりか下が異なっている動物である。そして、エビ亜目よりのすぐ下を見てみると「カニ下目とヤドカリ下目」となっており、ここが明白にカニとヤドカリを二分化するようになっている。

 しかし、これではあまり良く分からないのでネコ目の動物である犬, 猫, 熊, アザラシを例に書いて行きたいと思う。これらの動物はネコ目まで共通しているがそれ以降となると「イヌ亜目」と「ネコ亜目」に分かれており、その中で猫だけはネコ亜目に分類されるようになっている。

 そして、イヌ亜目のほうに着目してみると「イヌ下目」と「クマ下目」に分類されており、犬だけがイヌ下目に分類されている。

 つまり、熊とアザラシはクマ下目に分類されている動物であり、更に下に位置している「科」になるとクマ科とアザラシ科に分かれるようになる。

 このことを図にすると以下の様になっており、カニとヤドカリの違いが大体分かるようになる。

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 上図よりカニとヤドカリは熊視点で見てみると犬と同じぐらい近縁であり、アザラシよりかは遠いものの猫よりかは近縁であることが分かる。

 つまり、タラバガニをカニということは熊やアザラシを犬と言っているようなものであり、タラバガニと言う名称にはかなりの語弊があることが分かる。

2.2 泳げないヤドカリ

 ここからは泳げないカニについて書いて行きたいと思うが先ほども書いたように泳げないカニとはヤドカリのことであり、単純にカニと言う名称がついているだけに過ぎない。

 では、タラバガニが泳げないかと言うとそういうわけでは無く、そのカニはタラバガニではなく陸生のヤドカリであるため、水中では呼吸が出来ないだけである。そして、そのカニとはヤシガニというヤドカリであり、ヤシガニはタラバガニと同じく足を6本しか持っていない。

 ヤシガニは非常にサイズの大きなヤドカリであり、脚を伸ばすと1 m以上の大きさとなり、体重も4 kg程度と非常に大きい。更に挟む力に関してはとてつもないほど強く、その大きさは300 kg以上と挟まれたら指が簡単に切断されるほどの力である。

 つまり、ヤシガニは非常に強力なヤドカリであり、単位体重当たりの挟む力は世界最強クラスと言われているが先ほども書いたように泳ぐことは不可能であり、水の中に沈めるとなすすべもなく溺死するようになる。

 以上のことよりヤシガニは非常に屈強ではあるものの水に関しては耐性が余りにもなく、得意不得意がはっきりしたヤドカリであるがヤシガニはどこに生息しているのだろうか?

 その答えはインド洋から西太平洋にかけての赤道付近の地域であり、気候で言えば熱帯から亜熱帯にかけての地域に生息している。つまり、ヤシガニは温暖な地域に生息しており、沖縄県でも見ることが可能である。

 けれども温暖な地域に生息しているということは寒さに耐性が無いことを意味しており、ヤシガニは水以外にも寒さに弱いことが分かる。

 ここまでは泳げないカニ(ヤドカリ)、ヤシガニの強さと弱点について書いてきたが最後に生物学上の分類について書いて行きたいと思う。

 ヤシガニは生物学上の分類では動物界, 節足動物門, 甲殻亜門, エビ網, エビ目, エビ亜目, ヤドカリ下目, オオヤドカリ科, ヤシガニ属, ヤシガニ」に分類されており、タラバガニとは「科」の地点で異なることが分かる。

 つまり、ヤシガニとタラバガニは熊とアザラシの違い程度であることが分かるがこれではアザラシが熊ということになるため、必ずしも「分岐点が同じ=同じぐらい近縁」と言う訳ではない。

 このように泳げないカニはいるものの名称にカニがついているだけであり、本当にカニと言う訳では無いため、泳げないカニがいるかと言うとYesとも言えればNoともいえる(筆者はカニ下目の動物で泳げないものを知らないため、もし泳げないカニ下目の動物がいれば間違いなくYesと言える)。

 以上、泳げないカニ?についてでした。