DS930810のブログ

筆者は自然や自然現象に関心が相当あるので自然に関する記事(天文, 地理, 生物)を書いていきたいと思います。かつては1日2記事を適当な時間に投稿していましたが今のところは午後6時に1記事投稿する形にしています。

同じ連星系からも見えずらい最近星 プロキシマケンタウリ

 最近更新頻度が非常に少なくなり、大変申し訳ありませんがこれからは1週間に2,3記事を目安に更新していきたいと思います。

 そして、本題に戻りますが今回は太陽系から最も近い恒星であるプロキシマ・ケンタウリについて書いて行きたいと思います。

目次

1. プロキシマケンタウリ

1.1 最も近い恒星

 東京から観測できる恒星の中で太陽系に最も近い恒星はシリウスであるが実はシリウスは太陽系から最も近い恒星ではない。何故ならシリウスはあくまで東京から観測できる恒星の中で最も近いだけであり、東京から見えない恒星や6等星よりも暗い恒星が含まれていないからである。

 では、シリウスは全恒星系の中で何番目に近いかと言うと5番目であり、太陽系から近い順に並べるとリギル・ケンタウルス, バーナード星, ウォルフ359, ラランド21185, シリウスの順になっており、リギル・ケンタウルス以外の恒星は絶対等級が余りにも暗いため観測することが不可能である。

 そして、この中で最も近い恒星であるリギル・ケンタウルスは全恒星系の内、唯一5光年以内に位置している恒星であり、3つの恒星から成る恒星系となっている。

 けれどもリギル・ケンタウルスは恒星系全体の明るさがマイナス0.27等と全天で三番目に明るいにもかかわらず、東京からは観測することが不可能であり、その理由は南にあり過ぎるからである。そのため、リギル・ケンタウルスは明るいにもかかわらず日本での知名度は皆無であり、一部の天体マニアにしか知られていない恒星となっている。

 以上がリギル・ケンタウルスについてでしたがここからは恒星系に含まれる3つの恒星について書いて行きたいと思う。

 リギル・ケンタウルス系の中で最も明るい恒星はリギル・ケンタウルスAであり、この恒星は地球からの明るさがマイナス0.01等とかなり明るく見える。更にこの恒星は太陽にかなり似た恒星であり、明るさは太陽の1.5倍程度とオリオン座の恒星などと比較すると非常に平凡な明るさである。

 次に明るい恒星はリギル・ケンタウルスBであるがこの恒星は1.33等と若干Aと比較すると暗くなっており、太陽と比較しても半分弱程度の明るさしか無い。

 そして、これらの恒星はお互いを周り合っている連星系であり、AとBは質量にそこまで大差が無いため、相互に周り合っている関係となっている。

 しかし、もう一つの恒星であるリギル・ケンタウルスCはABとは非常に離れた位置にある上に質量もかなり軽いので非常に長い時間をかけてABの周りを周っている形となっている。

 この恒星こそが今回紹介するプロキシマケンタウリであり、ABと比べると太陽寄りの方向に位置しているため、「近い」を意味するプロキシマ(Proxima)と言う名称が与えられているほどである。

1.2 近いが見えない恒星

 プロキシマケンタウリ太陽系から最も近い単一の恒星であり、その距離はわずか4.242光年である。この距離は全恒星の中で群抜きで近いものとなっており、連星であるリギル・ケンタウルスABでさえ4.37光年離れているほどである。

 しかし、この距離は恒星として見てみると非常に近い距離であるが㎞に換算すると非常に大きな値となり、40.1兆㎞に相当する。そのため、プロキシマケンタウリの光が地球に伝わるまでには非常に長い時間がかかり、4.242年もの歳月をかけて地球に到達するほどである。

 更にリギル・ケンタウルスABともなると4.37光年、つまり41.3兆㎞も離れており、3つの恒星の関係は以下の図の様になっている。

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 実際の距離は違うものの4つの恒星の関係は上図の様になっており、リギル・ケンタウルスC(プロキシマケンタウリ)は現在たまたま太陽系に近い所に位置している。そのため、今後長い年月をかけるとプロキシマケンタウリはリギル・ケンタウルスABよりも遠い位置に移動をするようになり、太陽系から最も近い恒星ではなくなるのである(もっともこれほどの時間をかけると他の恒星のほうが近くなるのでどのみち最も近い恒星ではなくなるが)。

 そして、先ほども書いたようにリギル・ケンタウルス系は太陽系からの距離が非常に近い上にプロキシマケンタウリはリギル・ケンタウルスABから非常に離れた位置にあるため、地球からだと同じ位置ではなく、若干ずれた位置に輝いている。

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 プロキシマケンタウリはβ星のハダルほどでは無いがリギル・ケンタウルスABとは明らかにずれた位置に輝いており、連星でありながら明白に同じ位置に輝いていない珍しい恒星となっている。

 更にプロキシマケンタウリは絶対等級が15.48等と太陽の1.8万分の1の明るさしかないため、地球から見た明るさも11.05等と肉眼で観測することは不可能である。

 そのため、太陽系から見て最も近い恒星は肉眼で見ることは不可能であり、実を言うと同じ連星系であるリギル・ケンタウルスABから見ても暗い恒星としてしか観測できないほどである。

 そして、このことに関しては次章で書いて行きたいと思う。

2. 同じ連星系からも見づらい恒星

2.1 リギルケンタウルスABからみたプロキシマ

 プロキシマケンタウリはリギル・ケンタウルスABと連星の関係にはあるが非常に遠い位置にある。では、どれほど遠いかと言うと現在の段階では0.204光年、つまり1.93兆㎞も離れており、同じ恒星系であるにもかかわらず2兆㎞も離れているほどである。

 そのため、リギル・ケンタウルスABからプロキシマケンタウリを観測しても明るい恒星として観測されることは無く、おうし座に位置している4.46等星としてしか観測できないほどである。

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 リギル・ケンタウルスABから見たプロキシマケンタウリはおうし座のアルデバランの南の位置に観測されるが他の著名な恒星と比較してもかなり暗い恒星としてしか観測されない。

 例えばオリオン座のリゲルはリギル・ケンタウルスABからは864光年も離れているが0.14等の非常に明るい恒星として観測することができ、シリウスに至ってはマイナス1.25等として観測できるほどである。

 また、シリウスは地球からの距離が非常に近いため、リギル・ケンタウルスのように非常に近い恒星から見た場合でもかなり位置がずれており、ベテルギウスのすぐそばに見えているほどである。

 このようにプロキシマケンタウリは同じ連星からでも非常に暗い恒星としてしか観測できないほどであるが反対にプロキシマケンタウリからリギル・ケンタウルスABを観測した場合はどうなるのだろうか?

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 プロキシマケンタウルからリギル・ケンタウルスABはさそり座の方向に見える非常に明るい恒星として観測され、その明るさはAがマイナス6.65等, Bがマイナス5.31等として見えるほどである。

 そのため、リギル・ケンタウルスABから見たプロキシマケンタウリは暗い恒星としてしか観測できないが反対にプロキシマケンタウリからみたリギル・ケンタウルスABは非常に明るい恒星として見え、特にAに至ってはシリウスの100倍以上の明るさで観測できるほどである。

 このようにプロキシマケンタウリは同じ恒星系からでさえ暗い恒星としてしか観測できないがリギル・ケンタウルスABから太陽を観測したらどのように見えるのだろうか?

2.2 リギル・ケンタウルスから見た太陽

 リギル・ケンタウルスと太陽との距離は4.37光年と大変近いため、太陽はかなり明るい恒星として観測できそうである。そして、実際に太陽はリギル・ケンタウルスABから見ると非常に明るい恒星として観測することが出来、その明るさは0.46等と非常に明るい。

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 太陽はカシオペア座のWのすぐ東に見え、その明るさはカシオペア座のどの恒星の明るさを難なく上回るほどである。

 そして、この明るさはプロキシマケンタウリの40倍程度と非常に明るく、リギル・ケンタウルスABからは同じ連星系であるプロキシマケンタウリよりも4.37光年離れた太陽のほうが明るく見えるほどである。

 また、プロキシマケンタウリから太陽を観測すると若干ずれはするものの似たような位置に0.40等星として観測することができ、リギル・ケンタウルスABと比較すると非常に暗いものの全天で最も明るい恒星の一つとして観測することができる。

 以上がリギル・ケンタウルスABからみたプロキシマケンタウリの明るさであり、プロキシマケンタウリは同じ恒星系からでも暗い恒星としてしか観測されず、別の恒星系である太陽のほうが明るく見えるほどである。

 以上、プロキシマケンタウリについてでした。