DS930810のブログ

筆者は自然や自然現象に関心が相当あるので自然に関する記事(天文, 地理, 生物)を書いていきたいと思います。かつては1日2記事を適当な時間に投稿していましたが今のところは午後6時に1記事投稿する形にしています。

南米最大の湖は富士山頂よりも高い! その面積は琵琶湖の○○倍

 今回は南米最大の湖について書いて行きたいと思う。

目次

1. 南米最大の湖

1.1 標高の高い南米

 南米は世界六大州の一つであり、大州の中ではアジア, アフリカ, 北米に次いで面積が広く、人口はアジア, アフリカ, ヨーロッパ, 北米に次いでいる。そのため、大州の中ではそこまで大きなほうではなく、人口, 面積共に勝っている州はオセアニア州しかない。

 けれども南米は非常に多様な気候が存在しており、その要因となっている地形としてはアンデス山脈がある。アンデス山脈はヒマラヤ山脈に次ぐ標高の高い山脈であり、南米大陸の西側に連なっている。そして、その中でもアコンカグア山はヒマラヤ山脈を除くと世界で最も高い山であり、その標高は7,000 m近くもある。

 そのため、面積や人口に関しては大州の中では小さいほうであるが最大標高に関してはアジア州に次いでおり、南米と言えば標高の高さと言えるほどである。

 そして、この標高の高いアンデス山脈には意外にも数多くの都市が存在しており、ボリビアの首都であるラパスもこのアンデス山脈中の都市である。ラパスは平均標高でも富士山頂並みであるため年中気温が低くなっており、本来ならば熱帯のサバナ気候になるはずの緯度に位置しいるにもかかわらず寒帯に近い気候となっている。

 そのため、ラパスは夏の気温が首都の中ではアイスランドのレイキャビク(北緯64°)と並ぶほど低くなっており、世界で最も夏が寒い首都の一つである。

 更にアンデス山脈中には都市だけではなく湖も存在しており、水たまりではないもののウユニ塩湖もアンデス山脈中に位置している湖である。

 そして、南米で最も面積の広い湖もアンデス山脈中に位置し、その湖こそが今回紹介するチチカカ湖(Lake Titicaca)である。

1.2 富士山よりも高い湖

 チチカカ湖はアンデス山脈中に位置している湖で非常に標高の高い所に位置している。では、どれほど標高が高いかと言うと水面の平均標高が海抜3,812 mと富士山頂の高さを36 m上回っているほどである。これは日本のどの地点もチチカカ湖の水面よりも標高が低いことを意味しており、チチカカ湖の標高がどれほど高いかが伺える。

 しかし、アンデス山脈中に位置しているため、面積はそこまで大きいイメージがわかず、南米最大の湖は大して広くないようにも思える。けれどもチチカカ湖は富士山頂よりも標高が高い所に位置しているにもかかわらず、面積は思いのほか広大であり、その面積は8,372 ㎢琵琶湖の12.5倍にも及ぶ。

 更にチチカカ湖は平均水深が107 m, 最大水深が281 mと比較的深いため、貯水量も多く、その貯水量は893 ㎦と琵琶湖の32.5倍にも及ぶ。

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 チチカカ湖と琵琶湖の水を立方体状にすると琵琶湖の一辺は3,018 m程度であるがチチカカ湖の場合は9,639 m程度とかなりの長さとなる。しかもこの莫大な量の水が富士山頂程度の標高の場所にあることを考えると非常に驚きである。

 また、先ほど平均水深が107 m, 最大水深が281 mと書いたがチチカカ湖の湖面の標高は3,812 mの高さにあるので平均水深は海抜3,705 m, 最大水深は3,531 mの地点にあり、チチカカ湖の最深部も海抜で考えると日本で二番目に高い北岳(3,193 m)よりと比較してもかなり高い所にあることが分かる。

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 上図はチチカカ湖の平均水深(背景の広く浅い青色の部分)と最大水深(背景の狭く深い青色の部分)と北岳(灰色の三角形)と富士山(青色の三角形)を比較した図であるがチチカカ湖の平均水深や最大水深は富士山頂よりもわずかに下回っているが北岳よりかは高くなっている(実際の山の形状はこれとは大きく異なるのでその点は了承していただきたい)。

 このようにチチカカ湖は非常に標高が高いにもかかわらず、莫大な水を蓄えており、実際に琵琶湖の10倍以上の面積, 及び30倍以上の貯水量がある。

2. チチカカ湖周辺の気候

2.1 チチカカ湖周辺の気温

 チチカカ湖の緯度は南緯15°45'とかなり赤道寄りにあるため、本来ならば熱帯であるサバナ気候となるはずである。しかし、チチカカ湖は先ほども書いたように緯度が非常に高いため、熱帯ではなく温帯に属しており、しかも夏の気温が非常に低いタイプとなっている。

 そして、チチカカ湖の周辺部には比較的多くの町があり、ボリビアの首都であるラパスもチチカカ湖から50 kmぐらい離れた所に位置している。また、ラパスは言うまでも無く首都であるため、チチカカ湖に近い居住地の中では最も人口が多い。

 そのため、今回はデータが出そろっている上に人口も多いラパスと似たような標高に位置している富士山頂を比較していきたいと思う。しかし、ラパスは場所によって標高が全く異なっているので今回は標高が4,058 mもあるエル・アルト国際空港の気候と比較していきたいと思う。

 では、初めに気温を比較していきたいと思う。気温に関しては標高が同じぐらいだと緯度によって左右されるので当然高緯度側に位置している富士山頂のほうが低くなる。

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 エル・アルト国際空港は南半球に位置しているため、季節は反転している。しかし、緯度が低いため、季節による気温の違いはほとんど見られず、最も気温の高い月でも10.5 ℃とレイキャビクよりも低くなっているが最も気温の低い月でも6.8 ℃と横浜よりも高い。

 これは低緯度の高山特有の気候であり、一年中冬のような気候となっている。そして、最も高い月の平均気温が10 ℃を若干上回っているため、エル・アルト国際空港は寒帯ではなくギリギリ温帯に属しており、10 ℃以上の月が1~3カ月のCc気候に属している。

 その一方で富士山頂は季節による気温差が明白に見られており、その年較差は大体日本の年較差に一致している。けれども気温に関しては非常に低くなっており、最も気温の低い1月の平均気温はマイナス18.4 ℃とシベリアのイルクーツクや満州のハルビンとほぼ同じ値となっている。

 更に最も気温の高い8月の平均気温も6.2 ℃と横浜の真冬並みの気温となっているため、富士山頂は年中気温の低い寒帯に属している。

 以上が富士山頂とエル・アルト国際空港の気温についてでしたが富士山頂は緯度が高いので寒冷地のような気候となっているがエル・アルト国際空港はそこまで気温が低くなることは無く、この理由は緯度が低いからである。

 つまり、標高が高くなると全体的に気温は低下するものの緯度の高さの影響は受けるため、赤道付近の高山は年較差の大きな冷帯気候になることは無い。

2.2 チチカカ湖周辺の降水量

 次に降水量を比較していきたいと思うが今回は富士山頂のデータは無しで単純にエル・アルト国際空港の降水量について書いて行きたいと思う。

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 エル・アルト国際空港は年降水量が602.5 mmとそこまで多くは無く、更に季節による降水量の偏りが非常に大きくなっている。エル・アルト国際空港で最も降水の多い月は真夏の1月であり、その降水量は133.7 mmとかなりのものとなっているが最も少ない月である6月は冬であり、降水量は5.1 mmと非常に少なくなっている。

 そのため、エル・アルト国際空港は冬季少雨型の降水量となっており、エル・アルト国際空港の気候は温帯冬季少雨気候(Cwc)に属している。そして、この気候は他のチチカカ湖周辺部の都市にも共通しており、チチカカ湖湖畔に位置しているプーノ(Puno)の場合は更に偏った降水量となっている(プーノは平均気温のデータが無かったので今回はラパスのエル・アルト国際空港を例に出した)。

 このようにチチカカ湖周辺部の降水は夏に偏った形となっているがこの理由は亜熱帯高圧帯に起因している。亜熱帯高圧帯は回帰線から緯度30°当たりを中心としている高気圧であり、季節によって上下するようになる。そして、亜熱帯高圧帯は夏場になると高緯度側に移るため、低緯度側は多くの降水がもたらられるようになるが反対に冬場になると低緯度側に移動するため、低緯度側の降水量は極端に少なくなる。

 そのため、亜熱帯高圧帯の中心部よりも低緯度側に位置しているチチカカ湖では冬場の降水量が非常に少なくなり、これは同じような緯度に共通している。

 しかし、チチカカ湖は標高が高いため、熱帯とはならず、気温だけが低いサバナ気候のような気候となっている。

 このように標高が高くても緯度による大気の循環の影響はきちんと受けるようになるのでチチカカ湖周辺部は夏場になると極端に乾燥するようになり、気温だけが低い状態となっている。

 以上、南米最大の湖とその周辺部の気候についてでした。

 

参考文献

Lake Titicaca Wikipedia (チチカカ湖のデータ)

https://en.wikipedia.org/wiki/Lake_Titicaca

La Paz Wikipedia 2.1 Climate (エル・アルト国際空港の気温, 降水量)

https://en.wikipedia.org/wiki/La_Paz

Mount Fuji Wikipedia 4.1 Climate (富士山頂の気温)

https://en.wikipedia.org/wiki/Mount_Fuji