DS930810のブログ

筆者は自然や自然現象に関心が相当あるので自然に関する記事(天文, 地理, 生物)を書いていきたいと思います。かつては1日2記事を適当な時間に投稿していましたが今のところは午後6時に1記事投稿する形にしています。

湖のように見えるが湖ではない黒海 カスピ海と比較すると...

 今回は湖のように見えるが湖ではない海、黒海について書いて行きたいと思う。

目次

1. 湖では...無い海、黒海

1.1 黒海が海な理由

 黒海はアジアとヨーロッパの境目に位置している内海であり、周辺国にはトルコ, ブルガリア, ウクライナなどがある。そして、黒海は一見すると湖のようにも見えるが実は湖ではない。

 その理由は黒海が最小幅が1 kmにも満たないボスポラス海峡を通してマルマラ海と、更にダーダネルス海峡を通して地中海とつながっているからである。そして、地中海も一見見ると湖のように見えるがジブラルタル海峡を通して大西洋とつながっているため、黒海は河川以外で大洋とつながっているれっきとした海である。

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 黒海は狭いながらも海とつながっているのでカスピ海とは違い、湖ではなく海として分類されており、河川を通さずとも大洋に出ることは可能である。

 しかし、隣に位置しているカスピ海は海峡はおろか河川とも海とつながっておらず、カスピ海とつながっているヨーロッパ最大のヴォルガ川はカスピ海に流れ込んでいる川であるのでヴォルガ川は海とはつながっていない。

 そのため、世界最大の湖はカスピ海であり、次はこのカスピ海と黒海を比較していきたいと思う。

1.2 カスピ海との比較

 カスピ海は世界一広い湖として知られており、二番目に面積の広いスペリオル湖の4倍以上の面積を誇っている。そのため、カスピ海は湖の中でも群を抜いて大きなものとなっており、その面積は日本の国土面積よりもほんのわずかだけ小さいぐらいである。

 また、面積だけではなく深さも非常に深く、その最大水深はバイカル湖, タンガニーカ湖に次ぐほどであり、最大水深は1 kmを若干超えているほどである。

 このようにカスピ海は面積, 水深共に非常に大きな値となっているので貯水量も世界一であり、こちらも世界で二番目に貯水量の大きなバイカル湖を圧倒しているほどである。

 以上がカスピ海の広大さの説明であり、カスピ海は一見すると海と言っても謙遜が無いほどであるが先ほども書いたように大洋と一切つながっていないので海ではなく湖として分類されている。

 けれどもカスピ海はそこ広大さと塩湖(海水の3分の1程度の濃度だが)であることから国際上では便宜上「海」として見なそうとする動きがあり、特に内陸国で海と面していないカザフスタン, トルクメニスタン, アゼルバイジャンにとっては貴重な領海を得ることとなる。

 このようにカスピ海は余りの広大さと内陸国3国に囲まれているため、海として見なそうとする動きがあるほどであり、名称にも「海」と付いているようにもはや海としてしか見えないぐらいであるが西に位置している黒海と比較するとどのようになっているのだろうか?

 実は黒海とカスピ海では面積的にはそこまで大差は無く、黒海のほうが18%ほどしか広くないが深さに関しては黒海のほうが圧倒的に深いため、貯水量に関しては黒海のほうが圧倒的に多い。

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 黒海とカスピ海は面積に関してはそこまで変わらないものの深さに関しては黒海のほうが圧倒的に深く、平均水深でもカスピ海の最大水深を上回っているほどである。更に黒海の水深はバイカル湖をも軽々と上回っており、バイカル湖の平均水深は744.4 m, 最大水深は1642 mと淡水に関しては世界一であるが黒海と比較するとかなり浅いことが分かる。

 このように黒海は面積こそそこまで広くは無いが水深は非常に深く、黒海が湖ではなく海であることが良く分かるほどである。

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 上図は琵琶湖, バイカル湖, カスピ海, 黒海の貯水量を表した図であるが黒海の貯水量がカスピ海と比較してもかなり大きく、世界一淡水の貯水量の多いバイカル湖と比較してもかなり多いことが分かる。

 そして、日本一貯水量の大きな琵琶湖ともなると黒海と比較したら非常に少ないことが分かり、琵琶湖の貯水量は黒海の20,000分の1程度しかないほどである。

 このように黒海は面積こそそこまで広くはないものの水深は非常に深いため、貯水量が非常に多いことが分かる。

2. 黒海の気候

2.1 降水量の多い黒海周辺

 カスピ海周辺部は比較的乾燥した気候となっており、特にカスピ海東部に位置しているトルクメンバシ(Turkmenbashy)に至っては降水量が非常に少なくなっている。また、カスピ海西岸に位置しているアゼルバイジャンの首都バクー(Baku)はトルクメンバシと比較すると降水量こそ多いもののそれでも十分にあるわけでは無く、乾燥限界を下回っている乾燥帯となっている。

 その一方で黒海の周辺部の降水量はカスピ海と比較しても多くなっており、全体的に湿潤な気候となっている。そのため、黒海の周辺部はカスピ海と比較すると人口の多い都市が集中しており、特に西アジア最大の都市であるイスタンブール(Istanbul)に至っては人口が1,000万人を超えているため、世界的な大都市となっている。

 そして、今回はカスピ海の周辺都市と黒海の周辺都市を比較していきたいと思うが最も人口の多い都市であるバクーとイスタンブールを比較していく。

 初めにカスピ海と黒海の最も大きな違いである降水量を載せていきたいと思う。

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 バクーとイスタンブールでは冬よりも夏のほうが降水量が少ないという共通点はあるが降水量に関しては非常に大きな違いがあり、バクーの降水量は冬の多い時でもかなり少ないものとなっている。どれほど少ないかと言うと年降水量がわずか210 mmとなっており、これはバクーの乾燥限界である302 mmの69.5 %程度しか無いのでバクーは半乾燥気候(ステップ気候)となっている。

 その一方でイスタンブールの降水量はバクーと比較すると非常に多く、年降水量は817.4 mmとバクーの4倍近くにも及んでいる。そのため、イスタンブールの気候は乾燥帯ではなく温暖湿潤気候に属しており、この気候は日本の大半の気候と一致している。

 しかし、イスタンブールの降水量は夏場に少なく、最小降水月の降水量が最大降水月のものの3分の1を下回っているため、一見すると夏場に降水量の少ない地中海性気候のようにも見える。けれどもイスタンブールの最小降水月の降水量は33.3 mmと30 mmを上回っているため、夏場に降水が少ないと見なされず、温暖湿潤気候に分類されるようになる。

 これは気候を分ける上で最も紛らわしい部分となっており、このような気候に属している都市はイスタンブール以外にカナダのヴァンクーヴァーや日本の上越市などがある。

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 上表の都市は冬場の降水量が多く、夏場と比較すると3倍以上もあるが地中海性気候(温帯夏季少雨気候)ではない都市の一覧である。地中海性気候の発生要因は亜熱帯高圧帯の高緯度側への移動が原因であり、この亜熱帯高圧帯が夏場の間にだけかかるため、緯度30~40°程度の場所では降水量が夏場の間にだけ少なくなる。

 そして、イスタンブールもこの亜熱帯高圧帯が夏場にだけかかる気候となっており、降水量に目をつぶると明らかに地中海性の気候であるが最小降水月の降水量がギリギリ30 mmを上回ったため、地中海性気候ではなく温暖湿潤気候に分類されるようになっただけである。

 また、バクーも同じように亜熱帯高圧帯の影響を受ける気候であるがこちらは反対に降水量が少なすぎる影響で地中海性気候になれなかった気候であるため、バクーもイスタンブールも地中海性型ではあるものの降水量の大小が影響で地中海性気候になれなかった点は同じである。

 更に余談にはなるが上越は緯度的に見ると地中海性気候となる所に位置しているが大陸東岸に位置しているため、モンスーンの影響のほうが強くなり、冬場に降水量の多い理由はシベリアからのモンスーンと暖流によるものであるため、地中海性気候とは全く関係のない気候である。

 そのため、上越の気候は非常に特異なものとなっており、このような気候は温暖湿潤気候の中の温帯冬季多雨気候であると筆者は考えている。

 最後に少し話外れたものの異常がカスピ海と黒海の降水量に関してであり、両者ともに地中海性型ではあるもののカスピ海のほうは降水量が少なすぎることで、黒海のほうは多すぎることで地中海性気候とは異なる気候になっているほどである。

2.2 気温に関しては日本と似ている黒海

 最後にカスピ海と黒海の気温について書いて行きたいと思う。カスピ海周辺部と黒海周辺部では降水量は全く異なっていたが気温に関してはどうなのだろうか?

 こちらの比較もバクーとイスタンブールで行いたいと思うが日本の代表的な都市である横浜も加えていきたいと思う。

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 バクーとイスタンブール, 横浜は降水量は全く異なるものの気温に関しては非常に似通っており、若干の差はあるものの(イスタンブールの年較差が小さめであるなど)グラフ上でもそこまで大きな差は無い。

 そのため、カスピ海周辺部と黒海周辺部での気温は関東平野の南部と似通った形となっているが緯度に関しては横浜のほうが5°ほど低いため、これらの地域は緯度の割には温暖であると言える。

 しかし、カスピ海も黒海も広いため北部に行くと当然気温も下がり、一概にカスピ海や黒海の周辺部の気温は関東平野南部と似ているとはいえず、あくまで人口の多い都市の周辺部の気温が横浜と似ていると言えるだけである。

 以上がカスピ海と黒海の気温であり、降水量こそ違うものの気温に関しては比較的似ていると言える。

 以上、黒海についてでした。

 

参考文献

1.2 カスピ海との比較

Lake Baikal Wikipeida (バイカル湖のデータ)

https://en.wikipedia.org/wiki/Lake_Baikal

Caspian Sea Wikipeida (カスピ海のデータ)

https://en.wikipedia.org/wiki/Caspian_Sea

Black Sea Wikipedia (国家のデータ)

https://en.wikipedia.org/wiki/Black_Sea

2. 黒海の気候

Baku Wikipedia 3.1 Climate (バクーの降水量, 気温)

https://en.wikipedia.org/wiki/Baku

Istanbul Wikipedia 3.1 Climate (イスタンブールの降水量, 気温)

https://en.wikipedia.org/wiki/Istanbul

Yokohama Wikipedia 3.1 Cliamte (横浜の降水量, 気温)

https://en.wikipedia.org/wiki/Yokohama

 

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