DS930810のブログ

筆者は自然や自然現象に関心が相当あるので自然に関する記事(天文, 地理, 生物)を書いていきたいと思います。かつては1日2記事を適当な時間に投稿していましたが今のところは午後6時に1記事投稿する形にしています。

世界で最も暑い首都はどこなのか?

 今回は世界で最も暑い首都について書いて行きたいと思う。

目次

1. 暑い気候

1.1 熱帯

 熱帯は最も低緯度側に位置している気候であり、最も寒い月でも18 ℃を下回らないほどである。そして、熱帯の特徴としては気温が高い以外に降水量が多いこともあり、熱帯の降水量は温帯などと比較しても明らかに多くなっている。

 しかし、全ての熱帯の降水量が多いかと言うとそういうわけでは無く、熱帯の中でも明白な乾季のあるサバナ気候(Aw)は若干気温の下がる冬季になると降水量が極端に少なくなるため、温帯である日本の降水量よりも少なくなる。そのため、サバナ気候は熱帯であるにもかかわらず年降水量が1,000 mmを下回る地域が多く、更に降水量が少なくなると乾燥限界を下回り、ステップ気候(BSh)となるほどである。

 また、雨季の時期に降水量が極端に多くなる地域では最も暑い月が7月ではなく雨季の前の月になる場合も多く、インドでは特にその傾向がある。そのため、雨季と乾季の降水量に極端に差のある地域では気温による季節が明白ではなく、比較的緯度の高い地域でもその傾向が見られるほどである。

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 上図はマリの都市であるタウデニの雨温図であるがタイで二は熱帯に属しているにもかかわらず降水量が1,000 mmを下回っている。更にタウデニの雨季は6~9月であり、乾季の時期と比較すると降水量に極端な差があるため、最も暑い月が雨季の直前である5月となっており、これは先ほども書いたようにサバナ気候の典型的な例である。

 そして、更に月別の平均気温に着目すると3~5月にかけて30 ℃を超えており、これは熱帯雨林気候や熱帯モンスーン気候ではまず見られず、サバナ気候や高温乾燥気候にしか見られないものとなっている。

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 上図はジャカルタの雨温図であり、ジャカルタは南緯6°程度と非常に緯度が低いため、年中気温が高くなっている。しかし、ジャカルタは熱帯雨林気候に近い熱帯モンスーン気候であるため、極端に乾燥する時期は存在せず、そのため、最も暖かい月の平均気温でさえ27.2 ℃と比較的低くなっている。

 このように赤道直下の年中降水量の多い地域では年中気温は高いものの夏場になると極端に気温が高くなることは無く、最暖月の平均気温も30 ℃を超えることはまずないのである。

 そのため、世界で最も暑い地域は赤道直下ではなく、それよりも高緯度に位置している亜熱帯高気圧の卓越する場所になるのである。

1.2 亜熱帯砂漠

 亜熱帯砂漠とは亜熱帯高圧帯に覆われることにより降水量が極端に小さくなる砂漠のことであり、北緯(南緯)12~33°の大陸西岸に存在している。そのため、亜熱帯とは言っているものの低緯度側では最寒月の平均気温が18 ℃以上の熱帯的な気候となっており、反対に北端(南端)では最寒月の平均気温が10 ℃を下回る温帯的な気候となっている。

 しかし、どの地域も年平均気温は18 ℃を超えているため低温砂漠(BWk)ではなく高温砂漠(BWh)となっており、東京よりも冷涼な場所は存在しないのである。けれども、高緯度側では冬場の夜になると氷点下に達することもあり、場合によっては東京よりも寒くなることもある。

 ここまでは亜熱帯砂漠の概要について書いてきたがここからは亜熱帯砂漠最大の特徴である夏の暑さについて書いて行きたいと思う。亜熱帯砂漠の夏は極端に気温が上がることで有名であり、実際にアラビア半島やサハラ砂漠では夏の昼の気温が40 ℃を超えることが日常であるほどである。そのため、亜熱帯砂漠の夏の気温は赤道直下と比較しても極端に高いものとなっており、緯度がはるかに低いジャカルタの歴代の最高気温が35.6 ℃しかないことを考えるとその気温の高さが伺える(実は赤道直下の降水量の多い地域の歴代の最高気温は世界的に見てもかなり低いほうであり、世界の寒極の一つであるヴェルホヤンスクのほうが高いぐらいである)。

 以上のことより、世界で最も気温の上がる地域は赤道直下ではなく、亜熱帯高圧帯に覆われる亜熱帯砂漠となっており、世界で最も暑い地域も亜熱帯砂漠に位置しているのである。

2. 世界一暑い首都

2.1 世界一暑い観測地点

 世界で最も平均気温や最暖月の平均気温の高い地域はアフリカのエチオピアに位置しているダロル(Dallol)と呼ばれている地域であり、この地域は最寒月の平均気温でさえ30 ℃を上回る極めて暑い地域となっている。

 そのため、年平均気温も34.6 ℃と世界中にある観測地点の中でも最も気温が高く、最暖月の平均気温も38.7 ℃ (最暖月の最高気温の平均46.7 ℃とこちらも世界最高である)。

 また、ダロルは降水量も非常に少ない砂漠となっている上に火山地帯であり、更に緯度も北緯14°を若干上回っている程度であるのでこれらの要因が合わさることにより、世界で最も暑い地域となったほどである。

 そのため、ダロルにはかつて村があったもののあまりにも気温が高すぎるので住民が移住を余儀なくされる状態となり、現在はゴーストタウンと化している。

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2.2 世界一暑い都市

 次に世界一暑い都市について書いて行きたいと思うが初めに都市の定義を書いて行く。ここでの都市の定義は人口が10万人以上の居住地とするため、人口が10万人に満たない居住地は市であったとしても都市とはみなさず、たとえそれらの地域の平均気温や最高気温が非常に高くてもランキング外とする。

 そして、世界で最も暑い都市は言うまでも無く亜熱帯高圧帯の影響かにある場所であり、国で言うとサウジアラビアに位置している。では、その都市はどこかと言うとイスラム教の聖地であるメッカであり、ダロルほどでは無いが気温は非常に高いものとなっている。

 どれだけ気温が高いかと言うと年平均気温が30 ℃以上最暖月の平均気温も35.8 ℃とダロルほどでは無いが極めて高い値となっており、年降水量も111.8 mmと極端に少ない砂漠である。

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 そのため、メッカは世界で最も平均気温の高い首都となっており、熱帯地域と比較しても高くなっているが実は最暖月の平均気温に関してはメッカよりも更に高い都市があり、その都市とは後述する世界一暑い首都の一つである。

2.3 世界一暑い首都

 ここからは本題である世界一暑い首都について書いて行きたいと思う。世界一暑い首都はやはりサハラ-アラビア地域に位置しており、非常に気温の高い場所であるが実は最暖月の平均気温が最も高い首都と平均気温の最も高い首都では場所が違う。

 特に最暖月が最も高い首都は気温だけ見てみると熱帯ではなく亜熱帯となっており、冬場になると気温がそこそこ下がるようになる。

 では、最暖月の最も高い首都はどこかと言うとサウジアラビアの首都であるリヤドであり、リヤドは最暖月の平均気温が36.8 ℃最暖月の最高気温の平均に至っては43.6 ℃もあるほどである。この気温は首都の中では最も高温なものとなっており、都市にまで範囲を拡張しても最大のものとなっている。そのため、最高気温に関してはリヤドが世界で最も暑い首都であると同時に最も暑い都市でもある。

 しかし、先ほども書いたようにリヤドは亜熱帯型の気候であるので最寒月の1月になるとそこそこ気温が下がり、最高気温の平均こそ20.2 ℃とそこそこ高いものの最低気温の平均は9.0 ℃にまで下がり、月の平均気温も14.4 ℃と意外なほど低くなる。

 そのため、リヤドの年平均気温は26.8 ℃と高いことには高いものの世界で最も高いわけでは無く、世界で最も平均気温の高い首都はリヤドではなくスーダンのハルツーム(Khartoum)である。

 ハルツームはリヤドよりも低緯度に位置しているため、亜熱帯型ではなく熱帯型の気候となっているため、リヤドよりも平均気温は高くなっている。その平均気温は29.9 ℃と30 ℃近くにも及び、平均気温に関してはハルツームが最も暑い首都となっているが最暖月の平均気温に関してはリヤドのほうが若干高くなっている。f:id:DS930810:20181111100018j:plain

 ハルツームは砂漠気候ではあるものの7~9月にかけては雨季に相当するため、気温が若干下がる傾向がある。その一方でリヤドは雨季が特にあるわけでは無いので気温は全体的に見ても高いものの年較差の見られる亜熱帯型となっており、冬場になると気温が若干下がるようになる。

 このように世界一暑い首都は最暖月の平均気温と年平均気温では異なっており、最暖月の平均気温に関しては北回帰線よりも若干高緯度に位置している上に亜熱帯型のリヤドが1位であることには驚きである。

3. 世界一寒い場所と比較すると

3.1 世界一寒い場所との比較

 世界で最も暑い居住地は以下の表のようになっている。

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 これらの地域は先ほども書いたように全てが砂漠気候であり、低緯度の砂漠がどれだけ暑いかが伺える(ダロルは現在は無人)。

 その一方で最も寒い居住地も非常に極端なものとなっており、以下の表のようになっている。

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 世界で最も寒い居住地は上表のようになっており、暑い場所とは極端に異なることが分かる(南極にも観測地はあるが今まで一度も定住者がいたことは無いのでここではカウントしない)。

3.2 世界一寒い首都 vs 暑い首都

 世界一寒い首都は年平均気温, 最寒月の平均気温の両面においてウランバートルであるが暑い月に関しては年平均気温と最暖月の平均気温で異なっており、前者はハルツーム, 後者はリヤドとなっている。

 そのため、これらの首都は別々に比較していきたいと思う。更にこれだけでは普通の都市がどのような気候となっているかが分からないので横浜も加えていきたいと思う。

 初めにリヤド, ウランバートル, 横浜の比較を行っていきたいと思うが月別の気温は以下の様になっている。

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 横浜の夏はかなり暑くなり、特に8月に至っては熱帯並みに気温が上昇するもののリヤドと比較するとかなり低いものとなっており、特にリヤドと一切交点が無いことには驚かされる。

 そのため、横浜は年中リヤドよりも気温が低い状態となっており、低緯度側で横浜のような温暖湿潤気候と比較すると冬に気温差が広がることが普通であるがリヤドの場合は反対に夏場に気温の広がりを見せるようになり、リヤドの年較差が意外に大きいことが分かる。

 その一方でウランバートルは横浜よりも気温が年中低くなっており、特に冬季になるとその気温差がより顕著となる。

 このようにリヤドもウランバートルも年較差の大きな気候となっており、緯度の高いウランバートルでは普通ではあるものの低緯度のリヤド(石垣島程度)の年較差の大きさにはただただ驚かされるほどである。

 また、年平均気温の最も高いハルツームの場合だと以下の様になる。

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 ハルツームの場合は熱帯型であるので横浜と比較すると冬のほうが気温に差が出ている。しかし、それでも夏場の気温が高いことには変わりはなく、横浜よりも気温の低い月は存在していない。

 そして、ハルツームの場合はリヤドと比較すると年較差が小さいため、同じ世界一暑い首都でも気温の型はそこまで似ておらず、ハルツームは年中気温の高い気こととなっている。しかしそれでも年較差は10 ℃以上はあり、ハルツームがただの熱帯型の気候では無いことが伺える。

 このように世界一暑い首都は2種類あり、最暖月の最も高い首都のほうがはるかに緯度が高く、北回帰線よりも若干高緯度側に位置しているほどである。

 以上、世界一暑い首都についてでした。

 

参考文献

Taoudenni Wikipedia 3.Climate (タウデニの雨温図)

https://en.wikipedia.org/wiki/Taoudenni

Jakarta Wikipedia 3.2 Climate (ジャカルタの雨温図)

https://en.wikipedia.org/wiki/Jakarta

Mecca Wikipedia 6.Climate (メッカの雨温図)

https://en.wikipedia.org/wiki/Mecca

Riyadh Wikipedia 2.1 Cliamte (リヤドの気温)

https://en.wikipedia.org/wiki/Riyadh

Khartoum Wikipedia 3.Climate (ハルツームの気温)

https://en.wikipedia.org/wiki/Khartoum

Ulaanbaatar Wikipedia 3.Geography and Climate (ウランバートルの気温)

https://en.wikipedia.org/wiki/Ulaanbaatar

Yokohama Wikipedia 3.1 Climate (横浜の気温)

https://en.wikipedia.org/wiki/Yokohama