DS930810のブログ

筆者は自然や自然現象に関心が相当あるので自然に関する記事(天文, 地理, 生物)を書いていきたいと思います。かつては1日2記事を適当な時間に投稿していましたが今のところは午後6時に1記事投稿する形にしています。

どの炭化水素が燃焼によって多くのエネルギーを放出しているのか?

 今回は炭化水素の燃焼について書いて行きたいと思う。

目次

1. 炭化水素

1.1 アルカン

 炭化水素とは炭素と水素からなる化合物のことであり、最も簡単なものにメタンがある。メタンの化学式はCH4でこれは炭素原子に水素原子が4つ結合していることを意味している。

 そして、メタンは燃えやすい故に危険な物質だと思われがちであるが実は人体には無害な物質であり毒性の見られないため、ガス漏れしても燃えさえしなければ安全な物質である。

 けれども狭い空間内ではメタンの分圧が高くなることで酸素の分圧が低くなるため、窒息する危険性が高くなるのでその点では危険ではあるがこれは度の気体でも言えることなのでメタンに限った話しては無い。

 また、メタンの場合は炭素数が1であるがエタンの場合は炭素数が2であり、炭素原子と炭素原子が直接結合している構造に水素原子が6つ結合している状態となっている。

f:id:DS930810:20181111162720j:plain

 左の図はメタン, 右の図はエタンの分子構造を示したものであり、灰色の球は炭素, 白い球は水素を示している。

 そして、炭素数がさらに増えるとプロパン, ブタン, ペンタン, ヘキサン, へプタン, オクタン, ノナン, デカン...のようになっていき、このような炭化水素のことをアルカンと言う。

 アルカンは分子内に二重結合を含まない炭化水素のことであり、炭素の数に応じて以下の名称がついている。

f:id:DS930810:20181111164138j:plain

 アルカンのデータは上表の様になっており、炭素数が増えれば増えるほど融点, 及び沸点が上昇する傾向がある。そのため、ペンタンよりも分子量の大きいアルカンは沸点が室温以上となるので気体ではなく液体の状態で存在する。

 そして、更に炭素数が大きくなると融点のほうも上昇していくようになり、炭素数が17のへプタデカンとなると融点が21 ℃に達するようになり、この温度よりも低い場合だと固体となる。

 また、このデータは直鎖状のアルカンのデータを示したものであり、直鎖状の炭化水素とは炭素が枝分かれすることなく結合したものである。例えば炭素数が4の炭化水素は二種類あり、一つは直鎖状の(ノルマル)ブタンであるがもう一つは枝分かれのある2-メチルプロパンとなっている。

f:id:DS930810:20181111164953j:plain

 上図は炭素数4のアルカンであり、左側は枝分かれの無いノルマルブタンであるが右側のアルカンは枝分かれのある2-メチルプロパンである。そして、一般的に枝分かれのある炭化水素のほうが融点や沸点が低い傾向があり、2-メチルプロパンも融点がマイナス160 ℃, 沸点がマイナス11.7 ℃とノルマルブタンよりも若干高くなっている。

 ※この図の炭素の方向(奥のほうに結合しているか前のほうに結合しているか)は単純に見やすく書いただけであり、実際の方向はこれとは異なっている。

 以上がアルカンの説明であり、アルカンは炭素間に二重結合を含まない構造となっているが二重結合を含む炭化水素も存在する。

1.2 二重結合以上の結合を含む炭化水素

 炭化水素の中で二重結合以上を含むものにはアルケン, アルキンがあり、アルケンは炭素間二重結合を、アルケンは炭素間三重結合を1つ以上含んでいる。

 例えば炭素数が2のアルケンであるエチレンは炭素原子同士が二重結合でつながっており、その炭素原子に水素が4つ結合している形となっており、アルキンであるアセチレンは炭素原子同士が三重結合でつながり、水素を2つ含んだ形となっている。

f:id:DS930810:20181111175102j:plain

 炭素数が2のアルケンとアルキンは上図のような構造となっており、左はアルケンであるエチレン, 右はアルキンであるプロピレンの構造である。そしてアルケンは炭素同士が二重結合となっており、炭素は4つの手を持つ原子であるので結合可能な分子の数も2つ減少するため、二重結合を1つもつアルケンはアルカンと比較したら水素分子の数が2つ減り、アルキンの場合だと4つ減るようになる。

 また、二重結合を2つ有するアルカンも存在しており、そのようなアルカンはジエンと呼ばれている。このジエンと言う名称は2を意味するジ(di)と二重結合を意味するエン(een)の合成語であり、二重結合が3つ存在する場合トリエン(triene), 4つの場合はテトラエン(tetraene)と呼ばれるようになる。

 更にこれはアルキンの場合にも用いられ、三重結合を2つ有するアルキンはジインと呼ばれ、この名称のイン(yne)とは三重結合を意味している。

 また、炭素間結合数が2以上となると構造はより複雑化し、二重結合の場所によって異性体(分子式は同じだが構造の異なる物質)が生じるほどである。

f:id:DS930810:20181111180209j:plain

 上図は炭素数が4の直鎖アルケンであるが左のアルケンは1つ目の炭素と2つ目の炭素の間が二重結合となっており、右のものは2つ目と3つ目の炭素原子の間が3重結合となっている。

 そのため、これらのアルケンは異性体となっており、左のものは1-ブテン, 右のものは2-ブテンと呼ばれている。

 更に右の2-ブテンは炭素間二重結合の炭素に結合している官能基の位置によって更に異性化しており、この2-ブテンはトランス-2-ブテンと呼ばれている。

f:id:DS930810:20181111180551j:plain

 左の2-ブテンはメチル基(CH3)が両方とも上側に結合しているが右側のものは反対方向に結合している。そして、炭素間二重結合は回転できないため、これらの2-ブテンは異性体の関係となっており、左側がシス-2-ブテン, 右側がトランス-2-ブテンと言う名称となっている。

 このように二重結合が絡むとより構造が複雑化し、異性体も数多く生じるようになる。

2. 炭化水素の燃焼熱

2.1 アルカンの燃焼熱

 ここからは各アルカンごとの燃焼熱と単位質量あたりに発生する二酸化炭素の量について書いて行きたいと思う。アルカンは酸素と反応して燃焼する性質を持っており、反応後には二酸化炭素と水が生成する。

 そして、この時エネルギーが発生するわけだが炭素の数が多くなればなるほど発生するエネルギーの量も増えていき、例えばメタンを完全燃焼させるとメタン1分子当たり888 kJの熱が発生するがエタンの場合だと1556 kJもの熱が発生する。

 しかし、メタンとエタンでは分子量が異なるため、これでは単位質量あたりに発生する熱量ではなく1分子当たりに発生する熱量となるため、今回は単位質量あたりに発生する熱量を計算していきたいと思う。

 そして、今回計算するアルカンはメタン(1), エタン(2), プロパン(3), ブタン(4), ペンタン(5), ヘキサン(6), オクタン(8)であり、発生する熱量と単位質量あたりに発生する熱量について書いて行きたいと思う。

f:id:DS930810:20181111173205j:plain

 単位質量あたりに発生するエネルギー量は上表の様になっており、この表ではmolと言う単位を用いている。molとは分子が6.02×10^23 個ある状態のことであり、この時の質量は分子量と等しくなっている。

 つまり、メタン1 molとはメタン分子が6.02×10^23 個ある状態のことであり、この状態だとメタンの合計質量が16.04 gであることを意味している。そして、メタン分子1 molからはエネルギーが888 kJ発生しているのでこれはメタン16.04 gからエネルギーが888 kJ生じていることを意味している。

 そのため、メタン1 gから発生するエネルギー量は55.36 kJであり、エタン1 gから発生するエネルギー量は51.75 kJとなっている。

 このことより、単位質量あたりに発生するエネルギー量はわずかではあるが炭素数が少ないほうが大きくなっていき、炭素数が増えるにつれて単位分子当たりのエネルギー量は増えていくが反対に単位質量あたりのエネルギー量は減少する傾向にある。

 また、単位分子量のアルカンを燃焼させた時にはアルカンに含まれる炭素数と同じ数だけの二酸化炭素が発生するがこの時発生する二酸化炭素の量は単位質量あたりのアルカンに対してどれほど発生するのだろうか?

f:id:DS930810:20181111172332j:plain

 上表から読み取るとメタン16.04 gからは二酸化炭素が44.01 g生成するようになるため、メタン1 gからは二酸化炭素がおよそ2.74 g発生するようになる。そして、エタンの場合は1 g当たりから二酸化炭素が2.93 g発生し、更に分子内炭素数が増えると単位質量あたりからより多くの二酸化炭素が生成する計算となる。

 つまり、アルカンでは炭素数が増えれば増えるほど単位質量あたりから発生するエネルギー量は減少していくが反対に二酸化炭素の発生する量は増えていくため、最も炭素数の少ないメタンが最も環境に良いと言える。

2.2 アルケン, アルキンと比較すると

 ここからは炭素数2のアルカンとアルケン, アルキンの比較を行っていきたいと思う。

 炭素数2のアルカンはエタン, アルケンはエチレン, アルキンはアセチレンとなっており、分子量はエタン>エチレン>アセチレンの順となっている。

f:id:DS930810:20181111174310j:plain

 炭素数2の燃焼熱は上表の様になっており、炭素間結合数が少なければ少ないほど発生するエネルギー量が上昇する傾向となっている。

 また、これらの分子は炭素数が同じであるので1 molの分子から発生する二酸化炭素の量は全て2 molであるので単位質量あたりに発生する二酸化炭素の量は当然分子量の小さいアルケンやアルキンのほうが多くなる。

 つまり、エタンは単位質量あたりに発生するエネルギー量がエチレンやアセチレンよりも多い上に発生する二酸化炭素の量は少なくなっており、この結果は先ほどのアルカンの結果と似ている。

 以上のことより、エネルギー量はエタン>エチレン>アセチレンの順となっており、反対に二酸化炭素の発生量はアセチレン>エチレン>エタンの順となっている。

 

参考文献

アルカン(データ) Wikipedia (アルカンの分子量, 融点, 沸点)

https://ja.wikipedia.org/wiki/アルカン_(データ)

燃焼の化学 燃焼熱の表 (燃焼熱の一覧)

http://katakago.sakura.ne.jp/chem/fire/combustion_heat.html