DS930810のブログ

筆者は自然や自然現象に関心が相当あるので自然に関する記事(天文, 地理, 生物)を書いていきたいと思います。かつては1日2記事を適当な時間に投稿していましたが今のところは午後6時に1記事投稿する形にしています。

太陽に近づいた時の大きさと明るさ 2,400万kmまで近づいている探査機もあり...

 今回は太陽との距離と太陽に近づいている探査機について書いて行きたいと思う。

目次

1. 太陽との距離

1.1 太陽の大きさと距離の関係

 地球軌道はほぼ円軌道となっているが若干楕円形をしているため、地球と太陽との距離は遠い時期と近い時期があり、最も地球と太陽が近い時期は1月で1.47億キロメートルほどである。反対に最も遠い7月では1.52億キロメートル離れており、平均すると1.496億キロメートルとなっている。

 そのため、1月と7月では太陽の明るさは若干異なっており、1月の太陽の明るさはマイナス26.78等であるが7月の太陽の明るさはマイナス26.71等と0.07等級の違いがある。このことより7月の太陽の明るさは1月のものより6.5%ほど暗く、その分地球の受け取るエネルギー量は減少するが地軸の傾きや大気の温室効果のほうが影響が大きいため、北半球では1月のほうが気温が低くなっている。

 また、当然ではあるが太陽の大きさも1月と7月では若干異なっており、1月の太陽のほうが1.034倍程度大きく見える。

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 太陽の地球との距離は最大500万㎞も違うため、太陽の明るさや大きさは異なっており、1月と7月では視半径もかなり異なっている。視半径とは角距離で表した大きさのことであるがこの説明だと非常に分かりにくいため、以下の図を用いて説明していきたいと思う。

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 上図は半径がrの黄色い物体と距離がd離れている状態を指しているが視半径とは観測地点Oと物体の中心Aを先端とする線分OA点Oを通る黄色円との接線OBがなす角θのことである。そして、距離が遠くなればなるほど視半径θは小さくなっていくので太陽との距離が遠い7月では太陽との視半径が小さいのである。

 そして、距離が極端に遠くなるとr/dの値が0に近づいて行き、sinθのθが0に近づいて行くとsinθ≒θのように近似できるため、視半径の大きさの比がそのまま距離の比として算出できるようになる。

 これが遠くにある物体の大きさの求め方であり、距離だけでは求めることが出来ないため、角度を用いて計算されるのである。

1.2 他の惑星から見た太陽

 水星は太陽系の惑星の中では最も近く、太陽との平均距離はわずか5,791万㎞しか離れていない。そのため、水星から見た太陽は非常に大きく見え、視半径は0.6805°と明らかに地球のものと比較しても大きい。

 また、太陽との距離が近いということは明るさも明るいことも意味しており、水星から見た太陽の明るさはマイナス28.80等と地球から見た明るさの6倍以上もある。

 反対に遠い惑星から見た場合の大きさや明るさはかなり小さくなっており、例えば太陽から778,412,010 km離れた木星から見た太陽の視半径は0.05118°とかなり小さく、明るさもマイナス23.16等と地球から見た明るさの4%にしかすぎない。

 そして、各惑星から見た太陽の視半径は下のグラフのようになっている。

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 海王星の視半径はかなり小さいものの太陽以外の恒星の視半径と比較すると非常に大きい。例えば恒星の中で最も太陽に近いリギル・ケンタウルスの視半径は754.81ミリ秒となっており、この値は海王星とも比較にならないほど小さい。

 しかし、恒星の場合は恒星のほうが基準点となり、大きさは地球軌道のほうとなるため、ここでは視半径とは言わず視差と呼ばれており、以下の記事で詳しく説明をしている。

www.rigelultragiant.com

2. 太陽に近づいた探査機

2.1 2018年11月5日 (2,400万㎞)

 2018年11月5日、NASAが打ち上げた無人探知機「Parker Solar Probe」が太陽の表面から2,400万㎞にまで接近し、今までの記録であった4,300万㎞を塗り替えた。

 そして、この距離は地球-太陽間の距離の6分の1以下であるため、非常に太陽に近づいたこととなり、当然ではあるがこの位置から見た太陽は非常に明るい上に非常に大きく見えるようになっている。

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 上図は11月5日のPSP(Parker Solar Probe)と太陽との位置関係を示したものであり、PSPは太陽の表面から2,400万㎞接近したため、太陽の中心からは2469.6万㎞離れていることになる。

 そして、上図を見ていただければわかるようにPSPは太陽と非常に近づいたことが分かり、この時の視半径は1.615°とかなり大きい。この視半径は月に例えると61650㎞まで近づいた距離と同じであるため、非常に近いことが分かる。

 更にこの地点から見た太陽の明るさは非常に明るくマイナス30.72等にも及ぶ。この明るさは地球から太陽を見た明るさの38.85倍もあるため、太陽の位置にシリウスを置いた時の明るさよりも明るい。しかし、ベガの明るさは太陽の49倍もあるのでベガを太陽の位置に置いたときの明るさには及ばず、1天文単位(太陽と地球の間の距離)先からベガを見た時と同じ明るさで見たいときには2,137万㎞まで近づかなければならない。

2.2 2025年まで(600万㎞)

 PSPは現在だけではなく、今度も太陽の観測を行うため、しばらくの間は太陽の周回軌道を周る計画である。そして、最終的には太陽と600万㎞まで近づく計画となっているため、現在の4倍も近づくこととなる。

 そのため、PSPは太陽の直径の4倍強までの距離にまで近づくこととなるため、そこから見た太陽の大きさは非常に大きく見えるようになる。

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 太陽と600万㎞近づいた状態は上図のようになっており、ここまで近づくと太陽が非常に大きく見えることは想像するに難くない。実際にここまで太陽に近づくと視半径は5.966°と非常に大きな値となり、太陽の大きさが無視できないほどとなる。

 更にこの時の太陽の明るさはマイナス33.73等と非常に明るく、現在の明るさの621.7倍にも及ぶ。そして、仮に現在の太陽の明るさが621.7倍の明るさになると絶対等級はマイナス2.154等にも及ぶ。

 つまり、太陽を600万㎞先から見た明るさは絶対等級がマイナス2.154等の恒星を現在の太陽の位置から見た明るさに匹敵し、600万キロメートル先から見た太陽の明るさがいかに明るいかが分かる。

 また、太陽を2,400万㎞先から見た視等級は600万㎞先から見たものの4分の1以上あるがこれは太陽に大きさがあるためである。

 このように地球の探査機は太陽に思った以上に接近しており、この時見える太陽の大きさや明るさは非常に大きいことが分かる。

 以上、太陽に近づいた探査機とその時の明るさについてでした。