DS930810のブログ

筆者は自然や自然現象に関心が相当あるので自然に関する記事(天文, 地理, 生物)を書いていきたいと思います。かつては1日2記事を適当な時間に投稿していましたが今のところは午後6時に1記事投稿する形にしています。

暗いものの太陽に非常によく似た恒星が明るい星座 かみのけ座

 今回はかみのけ座について書いて行きたいと思う。

目次

1. かみのけ座

1.1 かみのけ座とは

 かみのけ座 (Comae Berenices)とは星座の一つであり、日本からでも普通に見ることが出来る星座であるが知名度はかなり低い。そのため、かみのけ座がどこにあるかは知られておらず、実際に明るい恒星も伝統も無いので無理のない話である。

 かみのけ座はうしかい座としし座に挟まれた星座であり、4等星がたったの三つしかない暗い星座であるので一見すると価値のない星座のように見えるが実はかみのけ座で最も明るい恒星は太陽とかなり似ている星座であり、更に地球からの距離も非常に近い。

 そのため、かみのけ座は太陽と性質が似た恒星がある星座であり、このような星座にはケンタウルス座(α星), カシオペア座(η星)などがあり、絶対等級もこれらの恒星とほぼ同じである。

 そして、その恒星とはβ星であり、βはギリシャ文字の二番目の文字であるがかみのけ座では最も明るく、次いでα星が明るくなっている。また、α星も比較的太陽に似ている恒星同士の連星となっており、かみのけ座はα, β星共に太陽と似ている恒星となっている。

 しかし、太陽に似ているということは絶対等級が大して強く無いことも意味しているため、かみのけ座は非常に暗い星座となっており、先ほども書いたように最も明るいα星でさえ4.23等とかなり暗い。

 そのため、かみのけ座を見つけることは非常に難しいように見えるが全天で4番目に明るいアルクトゥルスと21番目に明るいレグルスが近くに位置しているため、これらを目印にしていけば見つけることは何とか出来そうである。

1.2 かみのけ座の位置

  かみのけ座自体は目立たない星座であるが近くにはおとめ座, しし座, うしかい座のような明るい恒星を含む星座があるのでこれらを手掛かりに見つけることは可能と言えば可能である。

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 (上図は下が天の北極方向になっている)かみのけ座は暗く、更に周辺に位置している明るい星から見つけることが微妙に難しくなっているため、かみのけ座を見つけることは都会では無理と言っても過言ではない。

 しかし、α星はある程度は見つけられそうであり、しし座のデネボラとうしかい座のアルクトゥルスを結んだ線の間ぐらいに位置しているため、この2つの恒星から見つけることは可能である。

 けれどもβ星を見つけることは非常に困難であり、明るい恒星を目印に見つけることも難しいため、筆者は良い方法を見つけることが今のところは見つけることが出来ず、北半球で太陽にそっくりな恒星を見たいならばカシオペア座η星のほうが断然良い。

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 このようにかみのけ座の周辺部には明るい恒星が比較的多くなっているがそこからかみのけ座を見つけることはかなり難しく、残念ながら都市でかみのけ座を見ることはほぼ無理と言っても過言ではないほどである。

2. かみのけ座の恒星

 2.1 かみのけ座の主な恒星

 かみのけ座は全体的に見てもかなり暗い星座であり、4等星以上の恒星がわずか3個しかないほどである。そして、そこの恒星とはα, β, γ星であり、明るい順に並べるとβ, α, γの順になるがこれらの明るさはほぼ変わらず、全ての恒星が同じような明るさに見えるのである。

 また、これらの恒星で地球から極端に遠いものは無いのでこれらの恒星の絶対等級は弱めとなっており、特にβ星は太陽にかなり似ているため、光度も太陽の1.5倍程度しかない。

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 かみのけ座の恒星の中でβ星は太陽に非常によく似た明るさとなっており、ケンタウルス座α星の主星とほぼ同じ絶対等級となっている。また、α星も太陽と似た恒星同士の連星系となっており、α星の伴星に至ってはβ星と明るさがほぼ変わらないほどである。

 それに対してγ星はそこそこ明るい恒星であり、地球からの距離も167.3光年とやや遠く、絶対等級もα星やβ星と比較するとかなり強いもののそれでも大して明るい恒星とは言えず、ベガのほうが明るいぐらいである。

 そして、ここからは個々の恒星について書いて行きたいと思うがα星とβ星はかなり似通っているため、一つの項に書いて行きたいと思う。

2.2 太陽そっくりなα, β星

 かみのけ座の最大の特徴としてはα星もβ星も太陽にかなり似た恒星であることであり、特にβ星に至っては太陽の1.5倍程度の明るさしか無く、表面温度もかなり似通っている。

 そのため、かみのけ座β星は絶対等級の基準となる10パーセク(32.616光年)以内の恒星の中ではケンタウルス座α星並に近縁な恒星と言え、かみのけ座β星以上に太陽に似ている恒星はカシオペア座η星, りょうけん座β星程度である。

 そして、かみのけ座β星のスペクトル型は太陽と同じG型と太陽よりも若干高いF型の間程度の主系列星であり、主系列星とは太陽と同じように中心核で水素核融合を行っている恒星のことである。そのため、かみのけ座β星のスペクトル型はG0Ⅴ、またはF9.5Ⅴとなっており、アルファベットの数字は表面温度によって更に細分化された値であり、数字が小さいほど温度が高いことを意味している。

 また、最後のⅤはヴィーではなく5であり、5とは主系列星のスペクトルを意味している。

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 スペクトル型の色は上図のようになっており、右側に行けば行くほど高温である。また、太陽やかみのけ座β星はG0付近に位置しており、シリウスやベガはA0と同等か少し左寄りとなっている。

 そして、かみのけ座β星と太陽は直径もほぼ同じであり、かみのけ座β星のほうが若干大きい程度である。

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 上図で太陽は左, かみのけ座β星は右であり、かみのけ座β星のほうが若干大きいものの太陽とほぼ同じ大きさとなっており、更に表面温度も似ているので(かみのけ座α星のほうが若干高い)2つの恒星はほぼ同じように見える。

 このようにかみのけ座β星は太陽に非常によく似た恒星であるがα星も非常によく似た恒星であり、こちらは太陽よりも若干表面温度が高くなっている。そして、かみのけ座α星は2つの恒星同士の連星系であり、スペクトル型はそれぞれF5Ⅴ, F6ⅤとどちらもF型の主系列星となっている。

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 かみのけ座α星の主星(A)は太陽と比較すると若干明るい恒星であり、この恒星はオリオン座π3星と言う地球からの距離が近い恒星に非常によく似たものとなっている。

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 また、かみのけ座α星の伴星は表面温度に対して明るさが暗いので直径は太陽と同等程度と考えられ、α星も太陽と似た直径であることが伺える。

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 上図はかみのけ座の恒星と太陽であり、左から太陽, β星, α星の主星, α星の伴星となっており、いずれの恒星も非常によく似た大きさであることが分かる。

 このようにかみのけ座はα星, β星共に太陽に似た珍しい星座であり、α星とβ星が似た星座はみずかめ座などがあるが両方とも太陽に似た星座はかみのけ座程度しかない。

2.3 かみのけ座γ星

 かみのけ座γはかみのけ座の4等星の中では唯一太陽に似ていない恒星であり、地球からの距離も170光年近くと遠い。そのため、γ星の絶対等級は0.80等とα星やβ星と比較するとかなり明るく、これは太陽の40倍ほどの明るさである。

 しかし、これでも主要な恒星の中では暗いほうであり、実際にベガのほうが絶対等級は強い。

 また、γ星はα星やβ星とは異なり巨星と化しており、表面温度も太陽よりも低いK型星であるが巨星の割には暗く、まだ完全な巨星となっていないことが伺える。そして、このような恒星にはふたご座のポルックスやケンタウルス座のメンケントなどがあり、この恒星はメンケントに非常によく似た恒星となっている。

 そのため、γ星には大した特徴が無く、太陽にそっくりなα星やβ星と比較すると見劣りする恒星であり、そこまで注目すべき恒星でないようにも見える。

 このようにかみのけ座は目立たない地味な星座であるがα星とβ星が共に太陽に似た珍しい星座であり、これはかみのけ座の個性と十分言えるほどである。

 以上、かみのけ座についてでした。