DS930810のブログ

筆者は自然や自然現象に関心が相当あるので自然に関する記事(天文, 地理, 生物)を書いていきたいと思います。かつては1日2記事を適当な時間に投稿していましたが今のところは午後6時に1記事投稿する形にしています。

南米最大の国ブラジル 全域が熱帯のように思われがちであるが...

 今回はブラジルについて書いて行きたいと思う。

目次

1. 南米最大の国

1.1 巨大な国 ブラジル

 ブラジル(Brazil)は南米の国であり、南米の中では最も面積, および人口が最も多い国である。そして、どれほどの規模を誇るかと言うと面積, 人口両面において世界第五位であり、驚くべきことに面積はオーストラリアよりも広く、二番目に面積の広いアルゼンチンの倍以上の面積を誇っている。

 また、人口に関しても世界第五位であるが面積が余りにも広いため、人口密度自体はかなり低く、日本の10分の1にも満たないほどである。

 そして、ここからは具体的な数値について書いて行きたいと思う。ブラジルの面積は8,515,767 ㎢と非常に広く、この面積は日本の22.5倍にも及び、南米大陸の半分ほども占めているほどである。また、人口も210,67,954人と非常に多く、更に人口も増加しているため、今後も人口は増え続けると思われるが先ほども書いたように面積が非常に広大なため、人口密度自体は25人を若干下回っている程度である。

 ちなみに南米で二番目に面積の広いアルゼンチンもかなりの面積を有しており、世界最大の内陸国であるカザフスタンの面積よりも若干広く、世界で8番目に広い国家であるもののブラジルの面積の3分の1にも満たないほどである。

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 面積, 人口のトップ10は上表のようになっており、ブラジルはどちらの順位もトップ5とかなり高いことが分かる。そして、アルゼンチンは世界で8番目に面積の広い国であるがブラジルと比較するとかなり狭く、6位であるオーストラリアと7位であるインドではかなりの開きがあることが分かり、オーストラリア以上の6か国の面積が特に広大であることが分かる。

 そして、その中でもアジア部分だけで1,000万 ㎢を超えるロシアは群を抜いており、ブラジルの倍を若干超えるほどの面積を有している。

 このようにブラジルの面積は非常に広く、南米二位のアルゼンチンをも圧倒するほどであるがロシアと比較すると半分程度しか無い。

 ちなみにアルゼンチンの人口は44,825,772人とそこまで多くは無く、コロンビアのほうが多いほどである。

1.2 ブラジルの言語

 南米の国はスペイン系の国が多く、ボリビア, ペルー, アルゼンチン, チリなどの主要国家の言語は全てスペイン語である。しかし、ブラジルの公用語はポルトガル語であり、ポルトガル系の国の中では当然ではあるが最も多くの人口を有しており、ポルトガル本土の人口を大きく凌いでいる。

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 上表はブラジルとポルトガルの面積, 人口を表したものであるがブラジルの人口はポルトガルの20.5倍, 面積に至っては92.5倍と比べ物にならないほどであり、ブラジルの大きさが分かると同時にポルトガルの小ささが分かる。

 そのため、ポルトガル系の住民はブラジルのほうに圧倒的に多く、これはイギリスやスペインでも同じことが言えるがポルトガルの場合はそれ以上となっている。

 けれども人口密度に関してはポルトガルのほうが多く、全体的に見るとポルトガルのほうが発展しているように見える。

 また、何故ブラジルがポルトガル系の国になったかと言うと南米の大半の国がスペイン系となる中でブラジルのみがヨーロッパの南米開拓の時にポルトガル領になったからである。

2. ブラジルの気候

2.1 熱帯の国に思われがちであるが

 ブラジルと言うとアマゾンのセルヴァ(ジャングル)が広がっている熱帯雨林の国のようにも思われており、確かにブラジルの国土には広大な熱帯雨林があるが先ほども書いたようにブラジルは非常に広大な国であるため、全域が熱帯雨林になっているわけでは無い。

 そして、ブラジルは緯度が赤道付近(北緯にも若干ではあるが国土がある)から南緯30°を少し超えるほどであるため、気候も低緯度側から熱帯雨林(熱帯モンスーン), サバナ, 亜熱帯湿潤のようになっており、最南端では熱帯では無く亜熱帯となっている。

 そのため、ブラジルの最南端は年中暑い熱帯では無く、冬場になると気温の下がる亜熱帯となっており、全域が暑いと言う訳ではない。

 しかし、それでも本州と比較すると気温は高く、日本から見ると全域が暑い国と言っても過言ではなく、当然ではあるが寒冷地は存在していない。

 また、ブラジルは大陸東岸に位置しているため、モンスーンの影響が大きい気候であるので降水量は多く、砂漠と化している地域は無いものの降水量が若干足りない半乾燥地域は少しだけ存在している。

 このようにブラジルは全域が熱帯と言う訳では無く、若干気温の下がる地域もあるがそれでも全土が温暖であり、更に降水量の多い湿潤な国である。

2.2 熱帯雨林 マナオス

 ブラジルと言うと熱帯雨林のイメージが強いが熱帯雨林気候(Af)に属している場所はそこまで多くは無い。熱帯雨林気候は以下の条件を満たした気候であり、年中降水も気温も高い気候である。

  • 最寒月の平均気温が18 ℃以上 (熱帯Aである)
  • 降水量が乾燥限界以上 (乾燥帯ではない)
  • 最小降水月が60 mm以上 (Af気候である)

 上の条件を要約すると年中月の平均気温が18 ℃を超えており、更にどの月の降水量も60 mm以上だと熱帯雨林気候となる(そのためには乾燥限界を上回らなければならないがまず引っかかることは無いため、気にする必要はない)。

 そして、この気候に当てはまる場所はアマゾン川流域のマナオス(Manaus)があり、マナオスはアマゾン川の中流に位置している都市であるにもかかわらず人口が200万をこえる大都市である。

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 マナオスは赤道直下に位置しているため、年較差はほとんど無く、9~10月当たりの気温が若干高めではあるがそれでも年較差は1.7 ℃と非常に小さい。

 しかし、降水量には偏りがあり、6~10月にかけての降水量が少なくなっており、反対に12~5月の降水量が多いため、12~5月が雨季となっている。けれども最も降水量の少ない8月でも64.3 mmと60 mmを上回っているため乾季とは言えず、年中降水の多い熱帯雨林気候に分類されている。

 このように降水量に偏りがあったとしても最小月の降水量が60 mmを超えてさえすれば熱帯雨林気候に分類され、雨季は無いと見なされる。

2.3 高原に位置している首都 ブラジリア

 次にブラジルの首都であるブラジリアについて書いて行きたいと思う。ブラジリア(Brasilia)はブラジルの首都であるものの人口は300万を若干超えているぐらいでそこまで多くは無く、ブラジル最大の都市であるサンパウロよりも少ない。

 そして、ブラジリアは標高が1,172 mと92 mしかないマナオスと比較するとかなり高く、そのため、気温もマナオスと比較すると低くなっている。

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 ブラジリアの気温はマナオスと比較すると年較差は大きいもののそれでも小さく、わずか2.7 ℃の年較差しかない。しかし、気温自体は低くなっており、最寒月の平均気温は19 ℃とまだ熱帯ではあるものの最暖月の平均気温は21.7 ℃と温暖湿潤気候の条件である22 ℃を下回っているため、もし最寒月の平均気温が18 ℃を下回ると夏に暑いCwa型ではなく、夏でもそこまで気温が高くならないCwb型に分類されるようになる。

 そして、年較差自体は小さいものの降水量の偏りは明白であり、明白な乾季と雨季のあるサバナ気候(Aw)に分類されている。サバナ気候とは熱帯雨林気候の「最小降水月の降水量が60 mm以上」の部分が「最小降水月の降水量が60 mm未満」であるかつ「最小降水月の降水量が100-0.04×年平均降水量未満」に置き換わっている。

 そして、この条件にブラジリアの「年平均降水量1477.4 mm, 最小降水月の降水量4.9 mm」を当てはめて計算すると100-0.04×1477.4=40.904となり、確かに最小降水月の降水量がこれよりも小さくなっている。

 そのため、ブラジリアはサバナ気候に分類され、ブラジルではこの気候が最も多く分布しているがその理由は緯度にある。ブラジリアの緯度は南緯16°を若干下回っているがこの緯度に位置していると冬場(南半球では7月前後)になると亜熱帯高圧帯がかかるようになり、砂漠の様に乾燥するが反対に夏場(南半球では1月前後)になると赤道低圧帯がかかるようになり、多くの降水がもたらされるようになる。

 このことより、ブラジリアは明白な雨季と乾季のある気候となり、冬場になると砂漠並に乾燥するようになる。

2.4 亜熱帯気候 ポルト・アレグレ

 最後にブラジルの南端に位置してる大都市であるポルト・アレグレについて書いて行きたいと思う。ポルト・アレグレはブラジルの中では最南端, 即ち高緯度側に位置している大都市であり、南緯30°程度の場所に位置している。

 そして、ポルト・アレグレは東海岸部に位置しているため標高は低く、10 mほどしか無いが比較的緯度が高いため、熱帯では無く冬場になるとそこそこ気温の下がる亜熱帯に属している。

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 ポルト・アレグレは冬場になると気温がそこそこ下がり、最寒月の平均気温が13.8 ℃と18 ℃を下回っているため、熱帯では無く温帯に分類される。しかし、この気温は冬にしては高いため、温帯の中でも気温の高い亜熱帯に分類される。けれども亜熱帯と言えども夏場の気温はそこまで高くはならず年較差の小さい気候であるため、日本と比較すると夏場は過ごしやすいと言える。

 また、降水量に関しては大陸東岸に位置しているためモンスーンの影響を受けやすく、同緯度に位置しているエジプトのカイロが砂漠気候になっているのに対し、年中湿潤な気候となっている。更に同じ温暖湿潤気候の日本では冬場になると乾季とまでは言えないものの降水量が若干少なくなるのに対し、ポルト・アレグレでは降水量に偏りは無く、年中降水が多い気候となっている。

 このようにブラジルの南端部は熱帯では無く亜熱帯気候となっており、日本と比較的似た気候となっているため、「ブラジル=全土が熱帯の国」と言う訳では無いことが分かる。

 以上がブラジルの気候であり、ブラジルの気候には熱帯雨林気候(Af), サバナ気候(Aw), 亜熱帯性の温暖湿潤気候(Cfa)があるが熱帯雨林気候で降水量が60 mmを下回っている所には熱帯モンスーン気候(Am)もあり(主にAfとAwの間の場所)、更に狭い範囲ではあるが降水量の少ないステップ気候(BSh)も存在する。

 以上、ブラジルについてでした。

 

参考文献

人口と面積

Country in the world by population (2018) (人口, 人口増加率)

http://worldpopulationreview.com/

List of countries and dependencies by area (面積)

https://en.wikipedia.org/wiki/List_of_countries_and_dependencies_by_area

雨温図

Manaus Wikipedia 2.3 Climate (マナオスの雨温図)

https://en.wikipedia.org/wiki/Manaus

Brasilia Wikipedia 2.1 Climate (ブラジリアの雨温図)

https://en.wikipedia.org/wiki/Brasília

Porto Alegre 3.1 Climate (ポルト・アレグレの雨温図)

https://en.wikipedia.org/wiki/Porto_Alegre