DS930810のブログ

筆者は自然や自然現象に関心が相当あるので自然に関する記事(天文, 地理, 生物)を書いていきたいと思います。かつては1日2記事を適当な時間に投稿していましたが今のところは午後6時に1記事投稿する形にしています。

電力の単位 ワットの意味 

 今回は電力の単位であるワットについて書いて行きたいと思う。

目次

1. ワット

 ワット(watt, W)は日常生活でも良く耳にする単位であるがそれはどのような意味なのだろうか?

 その意味は単位時間当たりのエネルギー量のことであり、1ワット(以下W)は1秒当たりに1 J(ジュール)のエネルギー量(仕事量)のことである。このエネルギーは主に電力で用いられているがエネルギーには様々な形態があり、例えば熱エネルギー, 位置エネルギー, 運動エネルギー, 電気エネルギーなどがある。

 そして、1 Jのエネルギーとは熱エネルギーで例えると0.239 gの水を1 ℃上昇させるためのエネルギー量, 位置エネルギーで例えると102 gの物体が基準点より1 m上に位置しているエネルギー量, 運動エネルギーだと1 kgの物体が1.414 m/sで動いている時のエネルギー量, 電気エネルギー量だと1 V下で1 Aの電流のエネルギー量のことである。

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 上図は1 Jを示しており、形は違えども上図はすべて同じエネルギー量である。そして、このエネルギーが1秒間の間で発生している状態が1 Wであり、2秒で発生している場合は2秒で1 Wなので単位時間当たりのエネルギー量は1÷2=0.5 (J/s), 即ち0.5 Wであり、反対に0.5秒で発生している場合は2 Wとなる。

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 上図は100 Jのエネルギー量を示しており、上は25 W, 4秒分を下は12.5 W, 8秒分を示した図である。そして、同じ100 Jでも1秒間当たりのエネルギー量は上のほうが強いため、より短時間で100 Jのエネルギーに達することが可能である。

 つまり、同じエネルギーが発生してもその発生にかかる時間が短ければ短いほど電力は大きいこととなり、反対に長ければ長いほど電力が小さいことになる。

2. ワットの例

2.1 kWh(キロワットアワー)

 キロワットアワー(Kilowatt hour, kWh)と言う単位は比較的目にすることが多いと思われるがこの単位もワットに関係のある単位である。しかし、この単位は単位時間当たりのエネルギー量のことを示しているのではなく、エネルギー量そのものを示しており、そのエネルギー量の大きさはかなりのものとなっている。

 そして、ここからはkWhの文字一つ一つについて書いて行きたいと思うがkは1,000倍を意味する接尾辞であるキロ(kilo)であり、Wは単位時間当たりのエネルギー量であるワット(watt), hは1時間を意味するアワー(hour)である。

 つまり、kWhは1 kW(キロワット, 1000ワット)の電力を1時間かけて得られるエネルギー量に相当し、単位時間当たりに1,000 Jのエネルギーを得られるため、これに1時間をかけた値がkWhのエネルギー量となる。1時間は3,600秒であるため、1秒当たりに1,000 Jを得られるということは3,600秒では1000×3600=3,600,000 J得られる計算となる。

 つまり、kWhとは360万ジュールと同等であり、これがkWhのエネルギー量ということとなる。そして、360万ジュールは非常に大きなエネルギー量でカロリーに換算すると860.4 kcal(キロカロリー)となり、そこそこカロリーの高い食品と同じ程度のカロリーということとなる。ちなみにカロリーの定義は1 gの水を1 ℃上昇させるために必要なエネルギー量のことであるため、10 kg(1万g)の水を86.04 ℃上昇させることが出来る。

 要するに10 kg, 10 ℃の水に1 kWhのエネルギー量を加えると96.04 ℃にまで水温を上昇させることが出来、以下の図のような状態となる。

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 しかし、kWhは本来電気エネルギーに対して用いられるものであり、食品のエネルギー量には用いられないが偶然食品のカロリーと単位当たりの大きさが似ているため、こちらの用途でも使えそうにないようにも思える。

2.2 恒星のワット

2.2.1 太陽のワット

 ワットは非常の大きなエネルギーに対しても使うことができ、恒星の明るさでもこのエネルギー量は使うことが出来る。そして、ワットは先ほども書いたように単位時間当たりのエネルギー量なので比較するためには必須であり、「1,000,000 Jのエネルギーを放った」と書いても100,000 Wで10秒放った可能性もあるし10,000 Wで100秒放った可能性も考えられ、これだと前者のほうが単位時間当たりのエネルギー量が強いこととなり、同じ1,000,000 Jでも比較が出来なくなる。

 しかし、ワットの場合は時間が平等なので大きさの比較ができ、このワットの大きさから恒星の明るさが決まると言っても過言ではない。

 そして、太陽の輝度(ワット)は3.85×10^26 W, 即ち1秒当たりに3.85×10^26 Jと言う途方もないエネルギーを放出していることとなり、太陽の現在の年齢が46億歳であることを考えると今まで非常に大きなエネルギーを放出していたこととなる。

 46億年は1秒の60×60×24×365.24×4,600,000,000倍なので3.85×10^26をこれにかけると太陽が今までに放出してきたエネルギー量を算出することが出来る。そして、ここからエネルギー量を算出すると1.451609856×10^17 (s)×3.85×10^26 (W)=5.59×10^43 Jと言う途方もない値となり、これが今までに太陽が放出してきたエネルギー量ということになる。

 しかし、太陽の明るさは段々と明るくなってきているため、実際にはこのエネルギー量よりも低い値となっている。それでも非常に大きなエネルギー量であることには変わりは無く、太陽の単位当たりのエネルギー量も今まで放出してきたエネルギーの大きさも途方もないものであることが分かる。

2.2.2 他の恒星のワット

 ここまでは太陽のエネルギー量について書いてきたがここからは他の恒星のエネルギー量について書いて行きたいと思う。例えば太陽系に5番目に近いシリウスは太陽の23倍もの明るさで輝いており、その輝度も当然太陽の23.1倍ということになる。つまり、シリウスの輝度は3.85×10^26 Wの23.1倍となり、その大きさは8.90×10^27 Wなる。

 当然この明るさは太陽と比較するとかなり大きく、太陽が46億年かけて放つエネルギー量をシリウスはわずか2億年で放出しており、シリウスの年齢が3億歳であることを考えると既にシリウスは太陽の1.5倍程度のエネルギーを放出していることが分かる。

 しかし、この条件では可視光のみで考えており、更に恒星の年齢による光度の増減を考えていないため、正確な値はこの値よりもずれると考えられる。例えば太陽の1.1倍しか質量が無いが太陽の112.7倍の明るさで輝いているアルクトゥルスの現在の輝度は4.34×10^28 Wであるが太陽のような主系列星時代にはこの数十分の一程度の明るさしかなかったため、今まで放出したエネルギー量は4.34×10^28 Wに現在の年齢である71億歳をかけた値では無く、その値をはるかに下回る値となる。

 また、オリオン座のアルニラムは太陽の66,000倍もの明るさで輝いているがこれは可視光だけの話であるため、総合的な明るさではさらに上回っていると考えられる。その理由はアルニラムの表面温度が太陽の5倍程度と非常に高く、可視光が中心ではなく短波長側の電磁波が中心になっているからであり、実際の明るさは太陽の数十万倍もあると考えられている。

 このように今まで放出したエネルギー量を計算することは非常に難しく、その恒星の歴史を全て知る必要がある上に恒星の光は可視光だけでは無いため、総合的なエネルギー量だと更に上回るようになる。

 しかし、これを考えると切りが無いため、ここからは現在の姿を比較した図を書いて行きたいと思う。

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 この中で最も輝度の大きな恒星はアルクトゥルス(Arcturus)であり、太陽の100倍以上もあるが大きさの割には暗く、その理由は表面温度が低いからであるが高齢化しているため、質量の割にはとてつもなく明るい。

 しかし、そのアルクトゥルスもリゲルやカノープスのような超巨星と比較すると非常に暗い。

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 リゲルやカノープスの輝度は10^30 Wを超えており、この明るさは他の恒星と比較するととてつもないほど明るい。更にリゲルは表面温度がかなり高いため、総合的なエネルギー量だとこの値を更に上回ると考えられる。

 このようにワットはあらゆる場面で使用することが出来、kWhのようにエネルギーの単位もあるため紛らわしいがワットは単位時間当たりのエネルギー量を示した物理量である。

 以上、ワットについてでした。

 

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