DS930810のブログ

筆者は自然や自然現象に関心が相当あるので自然に関する記事(天文, 地理, 生物)を書いていきたいと思います。かつては1日2記事を適当な時間に投稿していましたが今のところは午後6時に1記事投稿する形にしています。

明るい星が無い十二星座 かに座 うお座

 今回はかに座とうお座について書いて行きたいと思う。

目次

1. かに座とうお座

1.1 十二星座

 十二星座は黄道と呼ばれる太陽の通り道にあたる場所の背景に見える星座のことであり、合計13個の星座を含んでいる。しかし、この中で含まれているへびつかい座は黄道十二星座には含まれておらず、黄道十二星座にはおひつじ座, おうし座, ふたご座, かに座, しし座, おとめ座, てんびん座, さそり座, いて座, やぎ座, みずがめ座, うお座が含まれている。

 そして、黄道十二星座に含まれている恒星の中で最も明るい恒星はおうし座のアルデバランであり、地球からの明るさは0.85等と全天で14番目に明るい恒星である(正確にはアルデバランは明るさの変わる変光星なのでこれよりも明るくなる時もあれば暗くなる時もある)。

 また、アルデバランの次に明るい恒星はスピカ(おとめ座)であり、次いでアンタレス(さそり座), ポルックス(ふたご座), レグルス(しし座), カストル(ふたご座), シャウラ(さそり座)...の順に続いて行く(太字は1等星)。

 このように黄道十二星座の中にはマイナス1等星や0等星はないものの比較的明るい恒星が含まれており、1等星を含む星座は5つもある。

 しかし、明るい恒星を含まない星座も存在しており、おひつじ座(ハマル), いて座(カウス・アウストラリス, ヌンキ)には2等星が含まれているものの(カッコ内の恒星)それ以外の星座には2等星さえも含まれておらず、特にかに座とうお座には3等星さえも含まれていない。

 そして、今回はこの明るい恒星を含んでいない2星座について書いて行きたいと思うがその前に十二星座で最も明るい恒星について書いて行きたいと思う。

1.2 十二星座で最も明るい恒星

 十二星座で最も明るい恒星は地球からの距離も明るさも様々であり、地球kら見た明るさが最も明るい恒星はアルデバランであるが絶対等級が最も明るい恒星はさそり座のアンタレスである。

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 黄道十二星座で最も明るい恒星は上表のようになっている。このなかで地球からの距離が近い恒星は50光年も離れていないポルックスとデネブ・アルゲティであり、反対に遠い恒星は500光年以上離れているアンタレスとサダルスウドである。そして、当然ではあるが距離が遠い恒星の絶対等級は明るく、近い恒星の絶対等級は暗く、実際に絶対等級が最も明るい恒星は最も遠いアンタレスとなっている。

 また、地球から見て最も暗い恒星はうお座η星のアルフェルグであり、この恒星は地球からの明るさが3.62等と4等星であるが距離が比較的遠いため、絶対等級はマイナス1.5等を若干超えている。

 このようにアンタレスやスピカ, サダルスウドのような絶対等級が非常に強い恒星は別として、比較的絶対等級の強いアルフェルグも地球からの距離が遠いため、暗い恒星としてしか観測されないのである。

 では、次章では地球からの明るさ(絶対等級ではない)が特に暗いうお座とかに座について書いて行きたいと思う。

2. 4等星以下の恒星しか含まない星座の恒星

2.1 うお座

 うお座の恒星には明るい恒星が含まれておらず、最も明るい恒星でも3.62等のアルフェルグ(Alpherg)である。しかし、アルフェルグのギリシャ文字は最も早いαではなく、7番目のηであり、α星が最も明るくない星座である。けれども、α星が最も明るくない星座はそこまで珍しいものでは無く、オリオン座で最も明るい恒星もα星のベテルギウスでは無くβ星のリゲルである。

 そして、うお座のα星はアルレシャ(Alrescha)という恒星であり、この恒星はアルフェルグ, γ星のシンマ(Simmah)に次いで明るい恒星であり、地球からの明るさは3.82等とアルフェルグと比較しても大差は無いがアルフェルグよりも暗い。

 また、アルレシャの距離は150.6光年とアルフェルグと比較しても近くに位置しており、絶対等級も0.50等とそこまで明るい恒星ではない。そのため、アルレシャは絶対等級が暗いから暗い恒星になっているだけであり、その絶対等級や表面温度はベガに似たものとなっているが変光型がベガとは異なっている。

 アルレシャの変光型はりょうけん座α星型と呼ばれるタイプであり、この変光型に属している天体はりょうけん座α星以外にはアンドロメダ座α星, おおぐま座ε星, やぎ座γ星などがあり、この中でもアルレシャはやぎ座γ星と似たような恒星である(アルレシャのほうが若干暗い)。

 それに対してベガはたて座δ星型と呼ばれるタイプの変光星であり、この星座の代表的な恒星にはたて座δ星以外にはアルタイル, デネボラ等の比較的明るい恒星が含まれている。

 このようにアルレシャはそこまで明るい恒星では無く、実際にアルフェルグと比較するとアルフェルグのほうが6.5倍近くも明るい恒星である。

 また、二番目に明るいγ星のシンマもそこまで明るい恒星では無く、絶対等級もアルレシャと大差がないほどである。

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2.2 かに座

 かに座で最も明るい恒星はアルタルフ(Al Tarf)であるがこちらもα星では無くβ星である。そして、かに座のα星はアクベンス(Acubens)であり、アクベンスはα星にもかかわらず4番目に明るい恒星であり、地球からの明るさも4.26等とアルレシャと比較してもかなり暗い。

 また、アルタルフについて明るい恒星はδ星のアセルス・アウストラリス(Asellus Australis)であり、次いで明るい恒星はι星のデカポタ(Decapoda)である。そして、これらの恒星とアクベンスが4等星であり、他の恒星は5等星以下の非常に暗い恒星ばかりである。

 そして、かに座の4等星のデータは以下の表のようになっている。

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 かに座の恒星の中でアルタルフとデカポダは比較的明るい絶対等級を有しており、地球からの距離も100 pc (326.16光年)前後と比較的離れている。その一方でアセルス・アウストラリスとアクベンスは地球からの距離がそこまで遠くは無く、絶対等級もアルタルフなどと比較するとそこまで明るくは無い。

 その中でもアセルス・アウストラリスの絶対等級は弱めであり、この絶対等級や年齢はポルックスとかなり類似している者となっている。

 また、アクベンスはアセルス・アウストラリスと比較すると明るめであるがそれでも明るい恒星とは言えず、絶対等級も北斗七星のフェクダやメラクと比較すると若干暗めであり、ベガよりかは若干明るい程度である。

 更にこの中で最も絶対等級(と視等級)が明るいアルタルフの絶対等級はマイナス1.31等と決して暗い恒星では無いがうお座で最も明るいアルフェルグと比較すると若干暗いものとなっている。

 そして、かに座の恒星で4等星以上の恒星は4つしか無いが肉眼で観測できる恒星は星座の暗さとは裏腹にかなり多く、50個を超える恒星が肉眼で観測することが出来る。しかし、この中で超新星爆発を起こせるほどの質量を有する恒星は存在しておらず、これはうお座にも共通することである。

 それとは裏腹にさそり座の恒星には絶対等級が非常に明るい恒星が数多く含まれており、α星のアンタレス以外にもλ星のシャウラ, δ星のジュバ, β星のアクラブ, υ星のレサトなどの恒星は超新星爆発を起こせるほどの質量を有していると同時に地球からの明るさもかなり明るめである。

 その理由はさそり座に領域には絶対等級の強い恒星が数多く含まれているからであり、この恒星群はさそり座だけではなくおおかみ座, ケンタウルス座の方向にも続いており、これらの星座には数多くの超新星候補星が含まれている。

 しかし、超新星を起こるような恒星はめったに無く、先ほども書いたように質量の大きな恒星は一点に集中しやすい傾向があるため、うお座やかに座のように超新星を起こせそうな肉眼で観測できる恒星を一切含んでいない恒星系も珍しくは無い。

 そして、黄道十二星座の中で超新星を起こせる肉眼可視星はさそり座以外にはおうし座, しし座, おとめ座, いて座, やぎ座に含まれており、全体の半数しか肉眼で見える大質量星は無いことになる。

 更にさそり座のように超新星候補の恒星が数多くあるものもあればやぎ座のように1つしか無いものもあり、大質量星の分布には非常に大きな偏りがあることが分かる(やぎ座はε星のみが大質量星であるがそれでも太陽の8.5倍の質量とギリギリ大質量星に分類される程度である)。

 このようにかに座やうお座の恒星で最も明るいものは比較的絶対等級が強いもののα星は暗い恒星ばかりであり、更に肉眼で観測できる大質量星は一つも無いほどである。

 以上、かに座とうお座についてでした。