DS930810のブログ

筆者は自然や自然現象に関心が相当あるので自然に関する記事(天文, 地理, 生物)を書いていきたいと思います。かつては1日2記事を適当な時間に投稿していましたが今のところは午後6時に1記事投稿する形にしています。

年較差の小さな最東端の国 ニュージーランド

 今回はニュージーランドについて書いて行きたいと思う。

目次

1. ニュージーランド

1.1 ニュージーランドと日本の相違点

 ニュージーランドは南半球に位置している国家であり、オセアニアの代表的な国の一つである。そして、世界的に見ても非常に有名な国であり、日本人からしてもなじみ深い国である。

 その理由の一つとしては日本と同じ島国であるからであり、更に国土も日本と比較的似ている形となっている。ニュージーランドは北島と南島の2つの島が主な島となっており、北島は北海道, 南島は本州のように見えなくもない。

 しかし、ニュージーランドと日本では似ているようで大きな違いがあり、以下の点で大きく異なっている。

  • 人口が非常に少ない
  • 気候の年較差が小さい
  • 南半球に位置している

 以上が主なニュージーランドと日本の違いであり、ここからはこのことについて書いて行きたいと思う。

1.2 人口の少ない国家

 ニュージーランドの面積は日本と比較すると狭く、268,021 ㎢程度しかない。しかし、この面積は極端に狭いわけでは無く、イギリスの面積よりも若干広い。

 更にニュージーランドの気候は年較差の小さな温帯性の気候であり、緯度の割には温暖な気候となっているため、一見すると人口も多そうに見える。

 しかし、ニュージーランドの人口は日本と比較するとあまりにも少なく、どれほど少ないかと言うとシンガポールを下回っているほどである。そのため、ニュージーランドの人口密度は北海道の人口密度をはるかに下回っており、中央アジアの国であるタジキスタンやキルギスよりも少ないほどである。

 このことより、ニュージーランドの人口密度は世界的に見ても下から数えたほうが明らかに早く、意外かもしれないがニュージーランドは世界的に見てもかなり過疎的な国家となっている。

 では、具体的にどれほどの人口を有しているかと言うと2018年10月の時点で4,912,560人と500万人をわずかに下回っており、先ほどの面積から人口密度を算出すると18.33人/㎢と確かに北海道の人口密度を軽々と下回っている。

 ここで、日本と比較していきたいと思う。日本は世界的に見ても人口が非常に多い国家であり、更に人口密度はミニ国家を除くとトップクラスとなっている。

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 日本とニュージーランドの面積と人口をグラフで図示していくとその違いが明白にわかる。ニュージーランドは面積だと日本の71%とそこまで狭くは無いが人口は日本の3.88%と比較にならないほど少なく、この人口は東京都はおろか北海道の人口をも下回っている。

 このように一見すると人口の多そうなニュージーランドも非常に人口の少ない国家であり、世界的に見ても人口密度の小さな国となっている。

1.3 最東端の国家、ニュージーランド

 あまり知られていないがニュージーランドは世界的に見ても最も東に位置している国であり、ある程度の面積を有する国家(30,000 ㎢以上)の国家の中では最も東に位置している。

 そのため、ニュージーランドは最西端でも日本の最東端である南鳥島よりも東に位置しており、最東端に至っては東経はおろか西経に突入しているほどである。

 では、初めにニュージーランドの最西端について書いて行くがニュージーランドは最西端でも東経165°50'とかなり東に位置しており、オークランド島がニュージーランドの最西端となっている。

 オークランド島はニュージーランド本島(南島)よりも更に南側に位置している無人島であり、かなり高緯度に位置している。どれほど高緯度かと言うと南緯50°よりも若干南に位置しているほどであり、北半球に例えるとバイカル湖よりも若干低緯度ぐらいとかなり高いことが伺える。

 しかし、それ以上に最西端にもかかわらず、これほど東に位置していることであり、当然ではあるがニュージーランド本島は更に東に位置している。そのため、ニュージーランドの時間帯はイギリスよりも12時間も進んでおり、これは経度180°線の時間帯である。

 当然、これほど東に位置している国であるため、ニュージーランドよりも最西端が東に位置している国はナウル, ツバル等のミニ国家とフィジー, キリバス等のニュージーランドよりも小さな島国程度しかなく、面積が30,000 ㎢以上の国の中では最も最西端が東に位置している国である。

 このようにニュージーランドは最西端でもこれほど東に位置しているため、最東端は更に東に位置しており、その経度は西経に突入しているほどである。

 そして、ニュージーランドで最も東に位置している場所はチャタム諸島(Chatham Islands)であり、この島は西経176°26'と西経に入っているが日付変更線よりも西側にあるため、ニュージーランドと時間が1日ずれることも無い。また、チャタム諸島は非常に辺鄙な所に位置しているため、人口は非常に少なく、1,000 ㎢をわずかに下回る地域に600人程度の住民しか住んでいない。

 ちなみに最東端が西経に突入している国はロシア, ニュージーランド, フィジーの三か国しか無く、最も東の最東端を有している国はロシアである。しかし、ロシアの首都モスクワはかなり西側に位置しているため、ロシアが最も東の国と言うにはかなり語弊があrutame、その次に最東端が東に位置しているニュージーランドこそが本当の最東端の国と言える(実はニュージーランドの最東端はニウエとなっているがニウエはあたかも独立した国家のように書かれているため、ニウエを除くとフィジーのほうが最東端が東に位置している)。

 しかし、あくまでニュージーランドは最東端が東に位置しているだけであり、ミニ国家ではあるものの本土に関してはツバルのほうが東に位置しているため、ニュージーランドが最東端の国と断言することはできない。

 そのため、ニュージーランドは最東端の国と言うよりも最東端の国の一つと言ったほうが良さそうである。

2. ニュージーランドの気候

2.1 年較差の小さい気候

 ニュージーランドはあまり知られていないが比較的高緯度側に属しており、南島の最南端でさえ旭川よりも緯度が高い。そのため、ニュージーランドの気候は冬になると気温がかなり下がる冷帯に属しているようにも見えるが実はニュージーランドには冷帯は一切存在しておらず、ほぼ全域が年較差の小さな温帯である西岸海洋性気候に属している。

 そのため、ニュージーランドの夏はそこまで気温が高くならず、冬の気温もそこまで下がらない典型的な海洋性の気候をしており、日本と比べても温暖な気候である。

 そして、西岸海洋性気候も細分化すると2種類に分けられ、冬以外の季節も比較的長い普通の西岸海洋性気候(Cfb)と冬の期間が長く、年較差の非常に小さな極温帯気候(Cfc)がある。このなかでニュージーランドの本島である北島と南島では全域がCfbに属しており、それよりも高緯度側に位置しているオークランド諸島やキャンベル島がCfcに属している。

 では、ここからはこれらの気候に属している都市について書いて行きたいと思う。

2.2 本土の気候(Cfb)

 Cfb気候はニュージーランドの典型的な気候であり、この気候は主にヨーロッパで多く見られる気候である。そして、この気候の特徴としては年較差の小ささにあり、以下の条件を満たしていることがこの気候の条件となる。

  • 最暖月の平均気温が10~22 ℃ (寒帯Eでは無いかつa気候では無い)
  • 最寒月の平均気温がマイナス3~18 ℃ (冷帯Dでは無いかつ熱帯Aではない)
  • 乾燥限界以上の降水量がある (乾燥帯Bではない)
  • 平均気温が10 ℃以上の月が4~11カ月 (c気候ではない)
  • 冬に最小降水月がある場合、その降水量は夏の最大降水月の10分の1以上である (冬季少雨型wではない)
  • 夏に最小降水月がある場合、その降水量は冬の最大降水月の3分の1以上である、または30 mm以上である (夏季少雨型sではない)

 そして、この条件を満たしている場所はニュージーランドでは非常に多く、首都であるウェリントン(Wellington)もこの気候となっている。

 ウェリントンは南緯41°17'20"と青森程度と比較的緯度が高く、北島のほぼ南端部に位置している。そのため、気温も一見すると低そうに見えるが実際には最寒月でも鹿児島と大差がないほどであり、同緯度の中では最も温暖な気候となっている。

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 ウェリントンは南半球に位置しているので季節が北半球の真逆になっており、最寒月は7月, 最暖月は2月となっている。

 そして、最寒月の平均気温に着目してみると8.5 ℃と青森並に高緯度にもかかわらず、非常に高くなっており、この気温は緯度が10°程度も低い鹿児島並である。

 その一方で最暖月の平均気温は16.8 ℃とかなり涼しく、この気温を下回る県庁所在地は日本のどの地点にも存在しておらず、言い換えるとウェリントンの夏よりも涼しい日本の県庁所在地は存在していないということである。それどころかこの気温は世界一寒い都市であるヤクーツクのものをも下回っており(ヤクーツクの最暖月の平均気温は19.5 ℃, 最寒月の平均気温はマイナス38.6 ℃)、年較差の小ささが伺える(ウェリントンの年較差はわずか8.3 ℃に対してヤクーツクは58.1 ℃)。

 そして、冬の気温の高さの影響で忘れがちであるがウェリントンの年平均気温は長野市とほぼ同じ(長野のほうが若干低めである)であり、年平均気温だけで見てみると意外に低めであるがこれでも緯度の割には高めである。

 では、ここからはウェリントンと長野市, 鹿児島市の平均気温を比較していきたいと思う。

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 ウェリントンは南半球なので北半球の長野や鹿児島とは季節が逆になっている。そして、最寒月の平均気温は長野だけがかなり低く、氷点下であるがマイナス3 ℃以上なので冷帯では無く冷帯に近い温帯となっている。

 そして、夏の気温はウェリントンだけが非常に低くなっているため、年平均気温に関しては年較差の大きな長野と小さなウェリントンがかなり近くなっている。また、当然ではあるが冬の気温も高めであり、夏の気温がかなり高くなる鹿児島の年平均気温は他の2都市と比較すると非常に高くなっており、18 ℃を超えているほどである。

 このように、ウェリントンは年較差の非常に小さな気候であるため、年平均気温だけで見てみると日本の県庁所在地の中でもかなり寒冷な長野市よりも若干高い程度に収まっているほどである。

2.3 南の島?の気候(Cfc)

 次に南の島の気候について書いて行きたいと思う。ニュージーランドの本土の南側には島がいくつか存在しており、大きな島としてはオークランド島(Auckland Islands)とキャンベル島(Campbell Island)の2つが存在している。

 そして、これらの島は当然ではあるがかなり高緯度に属しており、南の島と言っても暖かい島と言う訳でもなく、むしろ夏でも気温の上がらない島となっている(そもそも南が暖かいという概念は北半球のみであり、本当に暖かいのは赤道に近い場所であるため、南半球から見ると北が暖かい場所である)。

 その内、低緯度側(北側)に位置しているオークランド諸島はキャンベル島よりもまだ温暖な気候となっており、西岸海洋性気候でも夏の期間が短い極温帯気候(Cfc)となっている。極温帯気候は普通の西岸海洋性気候の「平均気温が10 ℃以上の月が4~11カ月」の4~11カ月の部分が1~3カ月になった気候であり、この気候は世界的に見ても非常に限られたものとなっている。

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 オークランド諸島の最暖月の平均気温の気温はアイスランドのレイキャビクと同等程度とかなり低めとなっているが最寒月の平均気温も5.4 ℃とさいたま市よりも高く、最低気温の平均に至っては横浜市よりも高いほどである。

 更にこれほど最寒月の平均気温が高くても年平均気温は札幌市よりも低く、年較差の極端な小ささがこの要因となっている。

 この極温帯気候は高緯度側の海洋に見られる非常に限定的な気候であり、年較差が極端に小さいことが最大の特徴である。そして、この気候の代表的な場所はアイスランドのレイキャビク, アルゼンチンのウシュアイア, アラスカのジュノーであり、これらの地域はオークランド諸島よりも高緯度に位置しているため、冬場の気温は若干低めではあるがそれでも長野市よりかは高めとなっている。

 また、この気候は降水量が比較的多いことが特徴となっており、ウシュアイア以外の都市では年降水量が多めである。特にジュノーに至っては北緯58°とかなり緯度が高いにもかかわらず年降水量が2,000 mmを超えているほどである。

 このようにオークランド諸島はウェリントンと同じ海洋性の気候であるがウェリントン以上に海洋性の要素が強く、低年較差(5.8 ℃), 多降水量(1501 mm)となっている。

2.4 冬が暖かい寒帯(ET)

 ニュージーランドのほぼ全域は西岸海洋性気候となっているが最南端であるキャンベル島では最暖月の平均気温が10 ℃を下回っている寒帯気候となっており、もはや暖かい月が無いほどである。しかし、これでも冬場の気温はかなり高めとなっており、一年中日本の冬のような気候となっている。

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 キャンベル島は最暖月の平均気温が10 ℃を下回っているため、寒帯(ET)に属している。しかし、寒帯と言っても極寒と言う訳では無く、最寒月の平均気温も5 ℃程度もある。更に驚くべきことに最寒月の最低平均の気温に至っては横浜などの南関東を上回っているほどである。

 つまり、キャンベル島は一年中気温がほぼ一定である上に季節による降水量の差もほとんどないため、低緯度でも高山でもないにもかかわらず季節と言うものが存在しておらず、一年中日本の冬のような気候となっている。

 一般的には季節の無い気候は赤道付近に限定されているように思われがちであるが高緯度の海洋地域にも季節の無い地域が存在している。しかし、一つ違う点は気温の高さであり、赤道付近では高山を除くと一年中夏のような気温であるが高緯度の海洋地域では一年中冬のような気温となっている。

 ちなみに北極海沿岸の寒帯は年較差の激しい気候となっており、年平均気温もマイナス10 ℃を下回るほど極寒であり、最寒月の平均気温もマイナス30 ℃前後となっている。このような気候に属している地域はシベリアのディクソン, サハ共和国のティクシ, アラスカのバローなどがあり、これらの地域はいずれも緯度が70°を超えているほど高緯度となっている。

 以上のことより、ニュージーランドには寒帯はあるものの年較差の非常に小さな寒帯であるので寒帯と言うよりも「年中冬季温帯気候」のような名称のほうが似合いそうな気もしなくはない。

 ちなみにキャンベル島の反対側はイギリスにかなり近い。

 以上、ニュージーランドとその気候についてでした。

 

参考文献

1. ニュージーランド

New Zealand Wikipedia (ニュージーランドの面積, 人口)

https://en.wikipedia.org/wiki/New_Zealand

Japan Wikipedia (日本の面積, 人口)

https://en.wikipedia.org/wiki/Japan

 

2. ニュージーランドの気候

Wellington Wikipedia 3.3 Climate (ウェリントンの雨温図)

https://en.wikipedia.org/wiki/Wellington

長野市 Wikipedia 2.2 気候 (長野市の気温)

https://ja.wikipedia.org/wiki/長野市

鹿児島市 Wikipedia 3.2 気候 (鹿児島市の気温)

https://ja.wikipedia.org/wiki/鹿児島市

Auckland Islands 1.1 Climate (オークランド諸島の雨温図)

https://en.wikipedia.org/wiki/Auckland_Islands

Campbell Island, New Zealand Wikipedia 4. Climate (キャンベル島の雨温図)

https://en.wikipedia.org/wiki/Campbell_Island,_New_Zealand