DS930810のブログ

筆者は自然や自然現象に関心が相当あるので自然に関する記事(天文, 地理, 生物)を書いていきたいと思います。かつては1日2記事を適当な時間に投稿していましたが今のところは午後6時に1記事投稿する形にしています。

重力加速度9.8 m/s^2の強さ そして慣性力を使えば大きさも変えられる

 今回は重力加速度とその増減について書いて行きたいと思う。

目次

1. 重力加速度

1.1 重力加速度とは

 重力加速度とは地表の重力の強さであり、大体9.8 m/s^2程度の力である。そして、力とは質量を有する物体に加速度を生じさせる物理量のことであり、質量×加速度で表される。

 そして、加速度とは単位時間当たりの速度の変化量のことであり、9.8 m/s^2の場合だと1秒当たりに速度が9.8 m/s^2増加することを意味している。例えばある物体が停止している状態(速度0 m/s)で9.8 m/s^2の加速度がかかると1秒後には9.8 m/s^2, 2秒後には19.6 m/s^2, 3秒後には29.4 m/s^2と今までの速度に9.8 m/s^2が1秒ごとに加わる状態となる。

 また、この時移動する距離は0.5×加速度×移動時間の2乗となり、初速がある場合は初速×移動時間がこの式に加わるようになり、以下の式で表されるようになる。

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 加速度がaの場合、速度は時間tと加速度の積となり、初速v0がある場合はそれに加わる形となる。また、移動距離は右式の形となっており、初期地点からx0ずれているとこれが加わる形となるが一般的には初期地点が基準となるため、今回は考慮する必要はない。

 そして、ここで物体の自由落下について書いて行きたいと思う。自由落下とは物体を単純に落とすことであるため、ここでの初速は0 m/s, 基準点からの落下となる。

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 この状態では基準点に位置している時を0秒とする。そして、自由落下をさせてから時間が経つにつれて速度は一次関数的(直線状)に、移動(落下)距離は二次関数的(放物線状)に増えていき、10秒後には秒速98 m/sで初期地点から490 m下にまで落下している。

 このように重力加速度は非常に強い力であり、これを超える力はなかなかないほどである。

1.2 重力加速度の高さによる影響

 重力加速度は地表では9.8 m/s^2程度であるが上空に行くにつれて重力加速度の大きさは小さくなる。その理由は重力加速度が地球と地球上の物体との万有引力に起因しているからであり、万有引力の式は下の式のように表わされる。

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 ここでGは万有引力定数であり、Mは地球の質量, mは物体の質量でrは地球の中心との距離となり、地表では地球の半径と等しくなる。更に力の式はF=maとして表されるため、万有引力は万有引力定数Gと地球の質量Mに比例し、地球の中心との距離の二乗に反比例する形となる。

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 また、重力加速度は万有引力に加えて遠心力の影響も受ける。遠心力は赤道付近で最も強くかかっており、外向きの力であるため、赤道上での重力加速度は極地と比べると小さくなっている。しかし、その大きさは万有引力と比較すると非常に小さいため、重力加速度は赤道上でも極地に近い値となるが重さが大きくなればある程度の影響があるため、体重計などは緯度によって補正がなされている。

 そして、ここからは上空での加速度について書いて行きたいと思うが遠心力の影響は無視していきたいと思う。重力加速度の大きさは上空に行くにしたがって小さくなっていき、下図に高度10,000 kmまでの重力加速度の大きさを示していきたいと思う。

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 左の表は1,000 kmまでの重力加速度の大きさであり、一見直線状に見えるが実際には曲線であり、これは10,000 kmまで拡大すると分かるようになる。そして、重力加速度は上空に行くにつれて小さくなっていくがその減少幅もだんだんと小さくなっていくが決してゼロになることは無い。

 しかし、地球から遠くなればなるほど他の天体の影響を受けるようになり、ついには地球よりもその天体の影響のほうが大きくなるため、結果として地球からの重力から解放される形となる。

 このように重力加速度は高さによる影響を受け、地表からの高さが低いと直線状に下がっていくように見えるが範囲を広げてみると曲線上に見えるようになっていく。

2. 重力加速度の大きさと増減

2.1 急ブレーキの場合

 重力加速度は地表からの高さによって変化していくがここからは地表での重力加速度、即ち9.8 m/s^2の大きさについて書いて行きたいと思う。

 この9.8 m/s^2はどれほどの力かと言うと非常に大きな力であり、自動車の急ブレーキに例えると時速35.28 kmで走行中の自動車を1秒で完全停止させるほどの力である。そして、この時車内では前向きに重力と同じ力がかかっているのと同じ状態となり、当然これほどの力がかかると前方向に凄まじい勢いてたたきつけられる状態となる。

 それ故、急ブレーキは非常に危険な行為であり、絶対に行ってはならないのである。

2.2 重力加速度の増減

 重力加速度は地表では9.8 m/s^2とほぼ一定の値を取っているが上下方向に加速度をかけるとその大きさは変わるように見え、例えばエレベーターで上下に動いている時には加速度がかかっているため、上方向に進んでいる時は重く感じ, 反対に下方向に進んでいる時は軽く感じるようになる。

 この原因はエレベーター内で慣性力がかかっているからであり、慣性力とは加速をしている物体内でかかっているように感じられる力のことで加速している物体の加速の方向の反対方向にかかっているように感じられる。

 例えばエレベーターで上昇している時はエレベーターは上向きに加速しているため、慣性力はエレベーター内では下方向にかかっており、あたかも重さが増したように感じるのである。

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 このように加速度がかかっている物体の中に存在している物質には見かけの加速度がかかるようになっており、上昇している物体には下方向, 下降している物体には上方向に加速度がかかるようになる。

 そのため、加速度aで上昇している物体にはその加速度分だけ加速度がかかり、反対に下降している場合には加速度が引かれるようになる。

 そして、ここで気づいたと思われるがもし下降している際にこの加速度aが重力加速度を上回った場合には物体内の物質の加速度は下方向では無く、上方向にかかるようになり、下にたたきつけられるのではなく上にたたきつけられる形となる。

 更に加速度aの大きさが重力加速度と釣り合うと物体内にかかる力は実質ゼロとなり、このような場合だと物体内の物質は見かけ上無重力状態となる。つまり、無重力は重力がかかっている状態でも発生させることは可能であり、エレベーターが落下している状態だと下図のような状態となる。

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 しかし、これはあくまで物体が落下している状態に限るため、時間が経つと地面に激突するので激突するまでの短い期間のみ体験できるようになる。

 そのため、この状態を再現することは地上では難しく、高性能の飛行機内(当然旅客機ではないが)で重力加速度と同じ加速度で落下することでようやく体験できるほどである。

 反対に重力加速度以上の加速度を体験するには急上昇すればよいわけだがこの時かかる力は当然すさまじいものとなり、これは比較的耳にするGと言う力に関係している。Gとは重力加速度の大きさのことであり、2Gは重力加速度の2倍の力のことである。そして、この2Gを発生させるには重力加速度と同じ大きさの加速度で上昇させる必要がある。

 更に上昇する加速度を増していくと3G, 4GとGも増していくがこのようにしていくと人体が耐えられないようになっていき、飛行機(戦闘機のような特殊な飛行機であるが)を急上昇させることは非常に危険なことである。

 そして、その時の加速度もすさまじいものとなり、例えば10Gの力を発生させるには重力加速度の9倍もの加速度で上昇させる必要がある。この加速度は88.2 m/s^2に相当し、1秒後には停止状態から88.2 m/s^2(時速317.52 km)と新幹線の最高速度をも超えるようになり、高さも44.1 mにまで上昇するようになる。

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 上表は2G, 3G, 5G, 10Gかかるために必要な加速度であり、10Gかけるには先ほども書いたように重力加速度の9倍もの速度で上昇する必要がある。そして、それほどの速度で上昇するとわずか10秒後には秒速882 m/s(時速3175.2 km)の速度で地上から4.41 kmの高さにまで上昇しており、10 Gかけるためにはとてつもない加速度が必要であることが分かる。

 以上のことより、加速度を上下させることは可能であるがあくまで加速中の物体中に存在している物質の見かけの加速度を上下させているに過ぎないため、地球全体の重力加速度を上下させることは現在のところ不可能である。

 以上、重力加速度とその増減法についてでした。