DS930810のブログ

筆者は自然や自然現象に関心が相当あるので自然に関する記事(天文, 地理, 生物)を書いていきたいと思います。かつては1日2記事を適当な時間に投稿していましたが今のところは午後6時に1記事投稿する形にしています。

意外に高エネルギーな1 kcal それは想像以上に大きく...

 今回は食品のエネルギー量としてよく用いられるキロカロリーについて書いて行きたいと思う。

目次

1. カロリー (Calorie)

1.1 キロカロリーとは

 キロカロリー(kcal)は食品のエネルギー量に用いられる単位であり、キロ(kilo)+カロリー(calorie)に分けることができる。

 そして、ここでのキロとはキロメートルやキログラムのキロと同じ意味であり、キロとは1,000 倍を意味する接尾辞である。そのため、キロカロリーはカロリーの1,000倍を意味しており、他の接尾辞には100万倍を意味するメガ(mega)や10億倍を意味するギガ(giga), 1兆倍を意味するテラ(tera)などがあり、反対に小さいほうでは1,000分の1のミリ(milli), 100万分の1のマイクロ(micro), 10億分の1のナノ(nano), 1兆分の1のピコ(pico)などがある。

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 接尾辞は上表のようになっており、最も用いられているものはキロであり、キロ以外ではヘクトパスカル(100 パスカル)やデシリットル(10 ml),センチメートル(0.01 m)などが多く用いられている。

 また、重さの単位でトン(t)があるがこのトンはキログラムの1,000倍であるため、メガグラム(Mg)と同じ大きさである。

 しかし、それ以外の単位は目にすることは無く、単純に10の12乗のように表わしたほうが分かりやすいからである。例えば地球の質量は5.972×10^24 kgであるがこれをヨタグラム(Yg)で表すと5,972 Ygとなり、これはかなり見ずらく結局はキログラムで表したほうが分かりやすくなる。

 ちなみにマイクロ(ミクロンともいう)の表記はギリシャ文字の「μ」となっているがこの理由は大文字にはメガ(M), 小文字にはミリ(m)があり、頭文字の「m」を用いることが不可能であるため、ギリシャ文字を使うしか無くなったからである。

 ここまではキロについて書いてきたがカロリーのほうが今回の話では重要であり、カロリーとは1 gの水を1 ℃上昇させるのに必要なエネルギー量である。そして、水の比熱は4.184 J/(g・K)であるため、1 gの水を1 ℃上昇させるのに必要なエネルギー量は4.184 J、つまり1 cal(カロリー)は4.184 Jとなるわけである。

1.2 カロリーの大きさ

 カロリーは水1 gを1 ℃上昇させるために必要なエネルギー量のことであり、4.184 Jに相当する。そして、ここでジュール(J)という単位が出てきたがジュールについてここからは説明していきたいと思う。

 ジュールはエネルギーの単位で最も用いられるものであり、1 Jの大きさは以下の大きさに相当する。

  • 102 gの物体を1 m持ち上げるのに必要なエネルギー量
  • 1 kgの物体が1.414 m/sで運動している時のエネルギー量
  • 鉄1 gを2.3 ℃弱上昇させるのに必要なエネルギー量

 上の例が1 Jに相当するエネルギー量であり、例えば102 gの物体を1 m上から地表に落とした時、その物体に当たったら1 Jのエネルギーを受けることになる。

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 上図は102 gの物体を1 m下に落とした図、1 kgの物体が秒速1.414 m/sで衝突した時の図であり、両方とも1 Jのエネルギーを受けるようになる。

 そして、1 calは4.184 Jであるため、このエネルギーの4.184倍ものエネルギー量であり、これは427gの物体を1 m下に落とした時に生じるエネルギー量と等しい。

 つまり、1 calは意外なほど大きなエネルギー量であり、実際に427 gの物体を1 m上から落としたら意外なほど大きな衝撃となるがこれはかなり危険なので絶対に行わないようにしよう。

 そして、当然ではあるが1 calの1,000倍の1 kcalは非常に大きなエネルギーとなるわけだが...

2. 大きなエネルギー、キロカロリー

2.1 キロカロリーの大きさ

 キロカロリーはカロリーの1,000倍、つまり4,184 Jとなるわけだがこれはどれほど大きなエネルギーなのだろうか?

 初めにカロリーの定義に大きく関係のある水の比熱に関することから書いて行きたいと思う。例えば25 ℃の水を100 ℃にするためには1 g当たり75 cal必要であるが1 kcalのエネルギーを用いるとおよそ13.3 gの水を25 ℃から100 ℃の上昇されることが出来る。

 つまり、25 ℃の水13.3 gを100 ℃に上昇させるために必要なエネルギー量が1 kcalであり、ペットボトルの水は大抵は500 gであるため、25 ℃のペットボトルの水を100 ℃にするためには37.5 kcalのエネルギー量が必要となる。

 この37.5 kcalはハマグリのエネルギー量と大体同じなのでハマグリを1つ食べると25 ℃のペットボトルの水を100 ℃にするために必要なエネルギーと同等のエネルギーを得ることが出来る。

 このことより、食品からは想像以上に大きなエネルギーを得ることができ、激しい運動をしてもそこまで大きなカロリーを消費できないことも容易に想像できる。

2.2 さらに大きなエネルギー

 2.1章ではハマグリ1つ分とそこまで大きくないエネルギーについて書いてきたがこれでも25 ℃のペットボトルの水を100 ℃にまで上昇させることのできるエネルギー量に匹敵し、食品からは非常に大きなエネルギーを得ることが出来ることが分かる。

 そして、カロリーのそこそこ多い定食は1,000 kcalを超えることも多く、1,000 kcalはジュールに換算すると418.4万 Jに相当する。つまり、定食からはとてつもないエネルギーを得ることができ、この418.4万 Jは1.5 tの自動車が74.7 m/s, つまり時速268.9 kmで衝突した時のエネルギー量に匹敵し、当然このようなスピードで自動車が衝突すると原型を留めないレベルで即死することとなる。

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 1,000 kcalは非常に大きさエネルギー量であり、1日に必要なエネルギー量はこれ以上であるため、いかに大きなエネルギー量が生命活動に使われているかが分かる。

2.3 1 kg消費するために必要なエネルギー量と1 kg全体のエネルギー量

 1 kg消費するために必要なエネルギー量は7,200 kcalと言われている。このエネルギー量は先ほどの1,000 kcalの7.2倍であるため、ジュールに換算すると30,124,800 Jであり、わずか1 kg消費するためにはこれほどのエネルギー量を消費しなければならない。

 当然このエネルギー量はすさまじいほど大きく、0 ℃の水72 kgを100 ℃に上昇させるエネルギーに匹敵し、そこまで大きくないようにも見えるがそれは水の比熱が大きいからであり、鉄の場合はこの10倍ほどの温度を上昇させることが出来る。

 しかし、1 kg中に存在しているエネルギー量と比較すると微々たるものであり、1 kgの物体を全てエネルギーに変換すると8.986×10^16 Jものエネルギーとなる

 このエネルギー量は1 kgの体重を得るのに必要なエネルギー量(30,124,800 J)の30億倍近くにも匹敵し、7,200 kcalがいくら膨大なエネルギーであっても1 kg全体の30億分の1程度のエネルギー量しか無く、全体から見てみるとほとんど質量として得られていないことが分かる。

 このように食品からは想像以上のエネルギーを得ることが出来るがこのエネルギー量も1 kg全体のエネルギー量からしてみるとほんのわずかであり、質量の殆どがエネルギーとして吸収されていないことが分かる。

 ちなみに核融合反応では全体の0.7%ほどがエネルギーとして得られており、例えば1 kgの核燃料からは7 gの質量分だけエネルギーとして得られている計算となる。7 gの質量は全てエネルギーに変換すると6.29×10^14 Jとなるため、1 kgの核燃料からは6.29×10^14 Jものエネルギーを得ることができる計算となる。これは食品1 kgから得ることが出来る7,200 kcalとは比較にならないほど大きく、核融合のエネルギー効率がいかに良いかが分かり、それと同時に食品からのエネルギー効率の悪さも分かる。

↓ 核融合と食品のエネルギーの違い (1 kgから得られるエネルギー量)

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 以上、キロカロリーの大きさについてでした。