DS930810のブログ

筆者は自然や自然現象に関心が相当あるので自然に関する記事(天文, 地理, 生物)を書いていきたいと思います。かつては1日2記事を適当な時間に投稿していましたが今のところは午後6時に1記事投稿する形にしています。

アルコールの酸化, カルボン酸の還元によって得られるアルデヒド

 今回はアルデヒドについて書いて行きたいと思う。

目次

1. アルデヒド

1.1 アルデヒドとは

 アルデヒド(Aldehyde)はアルデヒド基(-CHO)と呼ばれる官能基を有する炭化水素であり、以下の様な構造を取っている。

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 アルデヒド基の構造は上図のようになっており、炭化水素基(R)にアルデヒド基が直接結合した形態を取っている。

 そして、この炭化水素基とはメチル基やエチル基などのことであり、メチル基が結合したアルデヒドはアセトアルデヒド、エチル基が結合したアルデヒドはプロピオンアルデヒドと呼ばれている。

 また、この名称は慣用名であるがアルデヒドの命名法として炭素の数に応じて「~アール(al)」と言う命名法もある。例えばアセトアルデヒドの炭素数は2であるため、エタンに由来していると見なされるのでエタナール(Ethanal)と呼ばれることもあるがこのことに関しては1.2章で説明していきたいと思う。

1.2 アルデヒドとアルコール, カルボン酸との関係と名称

 アルデヒドは酸化されるとカルボン酸に、還元されるとアルコールになる性質がある。例えばエタノールが酸化されるとアセトアルデヒドとなり、更にこれが酸化されると酢酸となる。

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 アセトアルデヒドはエタノールと酢酸とは酸化還元の関係を持っており、ここで変化するのは酸素原子と水素原子の量だけであるので炭素原子の数は変化しない。そのため、エタノールもアセトアルデヒドも酢酸も炭素原子の数は2つであり、エタノールの名前の由来はエタン(Ethane)+オール(-ol)となっている。ここでのエタンとは炭素数2のアルカン(炭素と水素が単結合のみで結合した炭化水素)のことであり、オールとはアルコールを意味している。

 つまり、エタノールとはエタンに由来しているアルコールと言う意味であり、同時にアセトアルデヒドはエタナールと呼ばれている。

 これも当然エタン(Ethane)+アール(-al)に由来している単語であり、アールとはアルデヒドを意味している。

 そのため、アルデヒドの名称はアルデヒドに含まれている炭素数に由来しており、名称はアルデヒドの炭素を1番として何個の炭素が直鎖状に結合しているかによって決まる。

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 そして、ここで注意しなければならないのは炭素原子が分岐している場合である。

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 例えば上の物質は炭素数が6つあるアルデヒドであるがその内1つの炭素は直鎖状に並んでいないため、名称はヘキサナールにはならない。では、どうなるかと言うとペンタナール(炭素数が5のアルデヒド)の4つ目の炭素にメチル基が結合したアルデヒドとして見なされるため、名称は4-メチルペンタナールとなる。

 このようにアルデヒドの命名法は単純では無く、炭素原子に枝分かれがあった場合は少々複雑になるため中々名称を付けることは難しい。

2. 様々なアルデヒド

2.1 ホルムアルデヒド

 初めにホルムアルデヒドについて書いて行きたいと思う。ホルムアルデヒド(Formaldehyde)はアルデヒド基に水素原子が結合した最も簡単なアルデヒドである。

 そして、日本語ではホルムアルデヒドと呼ばれているが英語で発音すると「フォーマルデハイドゥ」の様な発音となる。そのため、日本語と英語では発音が全く異なっており、これは他の物質でもしばしばみられることである。

 また、ホルムアルデヒドは他のアルデヒドとは異なり、アルデヒド基に炭化水素では無く水素が結合している。

 そして、ホルムアルデヒドを還元するとメタノールになり、酸化するとギ酸となる。また、ギ酸はアルデヒド基を有しているため、カルボン酸であるかつアルデヒドでもあるような構造となっているがアルデヒドとして考えた場合、アルデヒド基には炭化水素では無くヒドロキシ基が結合しているため、アルデヒドではない。

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 上の図はホルムアルデヒドの酸化還元の図であり、下の図は以前の記事で用いた図の使いまわしであるがギ酸と酢酸の比較図である。ここでギ酸はアルデヒド基を有しているため、アルデヒドとしての性質も有している。そして、何故アルデヒド構造が出来るかと言うと単純にホルムアルデヒドの水素原子は左右対称であり、片方が酸化されてももう片方が残るためである。

 そのため、ホルムアルデヒドが酸化されても片方が残るため、ギ酸はカルボン酸とアルデヒドを構造上で両立させることが出来るのである。

2.2 アセトアルデヒドとビニルアルコール

 アセトアルデヒド(Acetaldehyde)はホルムアルデヒドについで簡単な構造をしたアルデヒドであり、メチル基がアルデヒド基に結合した形態を取っている。そして、アセトアルデヒドは冒頭でも書いたように還元すればエタノールに、参加すれば酢酸になる物質である。

 また、アセトアルデヒドはビニルアルコールと言う物質と相互関係にあり、アセトアルデヒドとビニルアルコールではアセトアルデヒドのほうが圧倒的に安定なのでビニルアルコールを合成してもすぐアセトアルデヒドに変化してしまう。

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 ビニルアルコールとアセトアルデヒドは平行の関係があるがビニルアルコールは熱力学的に不安点なので平衡はアセトアルデヒドのほうに大きく偏っている。そして、ビニルアルコールはエノール型、アセトアルデヒドはケト型と呼ばれており、ここではケト型のほうが圧倒的に安定している。

 このような関係のことをケト-エノール互変異性と呼ばれており、ケトとはC=O結合を有する構造のことを示している。そして、エノールとは炭素間二重結合を有する炭素原子にヒドロキシ基が直接結合した構造のことで、エノールとはエン(en, 二重結合)+ノール(ol, アルコール)の合成語であり、二重結合炭素に結合したアルコールと言う意味となっている。

 以上のことよりビニルアルコールを直接得ることは不可能であり、このことからビニルアルコールが複数重合したポリマー(ポリビニルアルコール)をビニルアルコールから直接生成することはできない。では、どのようにポリビニルアルコールを得るかと言うと安定な酢酸ビニルを重合して得られたポリ酢酸ビニルを加水分解することで得ることが出来る。

 このようにビニルアルコールはアセトアルデヒドに変わってしまうため、この性質がポリビニルアルコールの生成を手間掛けているとも言える。

 以上がアルデヒドとその関連物質についてでしたがアルデヒドには他にも様々な種類があり、例えばベンゼン環が直接結合したベンズアルデヒドなどがある。

 以上、アルデヒドについてでした。

 

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