DS930810のブログ

筆者は自然や自然現象に関心が相当あるので自然に関する記事(天文, 地理, 生物)を書いていきたいと思います。かつては1日2記事を適当な時間に投稿していましたが今のところは午後6時に1記事投稿する形にしています。

西が淡水、東が塩湖の湖 バルハシ湖

 今回はバルハシ湖について書いて行きたいと思う。

目次

1. バルハシ湖とカザフスタン

1.1 バルハシ湖とは

 バルハシ湖(Lake Balkhash)はカザフスタンに位置している湖であり、世界の到達不能極(海から最も遠い地点)にかなり近い所に位置している。そのため、バルハシ湖の周辺部は内陸的な気候をしており、年較差の大きな乾燥帯となっている。

 そして、バルハシ湖は中央アジアの湖の中では最も広く、アジアの湖の中でもカスピ海に次ぐほどである。中央アジアにはカスピ海とアラル海の2つの湖があるがカスピ海は中央アジアとヨーロッパにまたがっている湖であるため、純粋なアジアの湖とは言えずアラル海は環境破壊によって悲惨な状況となったため、結果としてバルハシ湖が最も大きな湖となった。

 また、バルハシ湖は日本のどの地域よりも高緯度に位置しており、更に世界で最も内陸に位置している巨大湖であるため冬季の気温は極めて寒くなる。そのため、バルハシ湖は冬季になるとバイカル湖と同じように凍結し、その期間は11月から4月とかなり長い。

1.2 カザフスタンの過酷な環境

 バルハシ湖はカザフスタンに位置している湖であるがここからはカザフスタンについて簡単に書いて行きたいと思う。カザフスタン(Kazakhstan)は中央アジアの国家であり、中央アジアの面積の半分以上も占めている。

 そして、人口はウズベキスタンのほうが多く、カザフスタンの人口は大して多くないがトルクメニスタンやキルギス、タジキスタンと比較するとかなり多い。しかし、カザフスタンの面積は広大であるため、人口密度に関しては中央アジアで最も少なく、世界的に見ても非常に少ないほうである(10人/㎢以下)。

 この理由はカザフスタンの気候が非常に過酷だからである。カザフスタンは世界で最も内陸に位置している国の一つ(というよりも世界で最も内陸に位置している可能性があるぐらい)である上に更に緯度もかなり高いためモンゴルと同じように極寒と乾燥が激しく、国土のほぼ全域が乾燥帯と冷帯である。

 しかし、カザフスタンに全く温帯が無いかと言うとそうでは無く、南部に位置しているシムケント(Shymkent)は最寒月の平均気温が長野市と同じぐらいの温帯であり、比較的降水量も多いため人口が最も集中している都市である。

 けれどもカザフスタンの他の主要都市はかなり寒冷であり、首都のアスタナ(Astana), 昔の首都であったアルマトイ(Almaty), カラガンダ(Karaganda)と言った人口の多い都市でも冷帯気候となっており、その中でもアスタナとカラガンダの冬は非常に過酷であり、シベリアに匹敵するほどである。

 それもそのはずでアスタナのすぐ北はロシアとの国境となっており、アスタナのすぐそばにあるシベリアのオムスク(Omsk)の気候はアスタナよりもさらに過酷である。

 このようにカザフスタンの気候は非常に寒冷であり、そのためカザフスタンに位置しているバルハシ湖の周辺部は冷涼となっている。更にバルハシ湖は内陸部に位置しているため、夏場の気温は緯度の割にはかなり上がり、特に最暖月の最高気温に至っては関東平野南部とほとんど変わらないほどである。

2. 特徴的な湖、バルハシ

2.1 広大だが浅い湖

 バルハシ湖は高緯度の内陸部に位置しているため、冬季になると凍結するほどであるがこれ以上にバルハシ湖には面白い特徴がある。

 バルハシ湖は面積が16,400 ㎢と非常に広大であり、この面積はアジア最大の湖であるバイカル湖の半分程度もある。

 そして、バルハシ湖は形状もバイカル湖と同様に細長く、内陸部にある点も共通しているため、バイカル湖に似た湖のようにも思えるが実際にはバイカル湖とは全く似ていない。その理由はバルハシ湖はバイカル湖とは違い非常に浅い湖であり、平均水深はわずか5.8 m、最も深い所でも26 mしか無く非常に浅い湖だからである。

 その一方でバイカル湖は平均水深も最大水深も世界一の湖であり、貯水量に関しては世界最大の湖であるカスピ海に次ぐほどである。そのため、バイカル湖にはとてつもない水の量があるがバルハシ湖はその広大な面積に対して貯水量は非常に少なく、琵琶湖の4倍程度しかない。

 そのため、バルハシ湖は広大な面積に対して水の量は悲しいぐらいに少なく、少しくぼんだ所に水がたまったようになっていると言っても過言ではない。

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 バルハシ湖は面積だけ見てみるとバイカル湖の半分以上もあり、非常に広大であることが分かるが体積(貯水量)は非常に少なく、バイカル湖の200分の1さえも下回り、琵琶湖の4倍よりもギリギリ少ない程度である。その原因は先ほども書いたように推進にあり、平均水深も最大水深もバイカル湖と比較すると非常に小さいことが分かる。

 このようにバルハシ湖は面積こそ広大なものの水深は非常に浅く、このような湖はバルハシ湖以外にはアフリカ最大の湖であるヴィクトリア湖が当てはまる。しかし、水深の浅いヴィクトリア湖でもバルハシ湖よりかは深く、貯水量も琵琶湖の100倍程度、バイカル湖の8.6分の1程度はある。

2.2 塩淡水湖

 バルハシ湖は広大な面積に対して水深は非常に浅いため、貯水量はかなり少ないがそれ以上に面白い特徴がある。

 それはバルハシ湖の塩分濃度であり、バルハシ湖は湖の西部と東部では塩分濃度が異なっており、西部では薄く東部では濃くなっている。そのため、バルハシ湖は西部が淡水湖、東部が塩湖と言う形となっており、このような湖は世界的に見ても類がないほどである。

 このようにバルハシ湖の塩分濃度が東西で偏りがある原因はバルハシ湖の西部にイリ川と言う大河が流れ込むからであり、この大河がバルハシ湖西部の塩分濃度を下げている。その一方で東部には小さい川しか流れ込まないため水分の流出量に対しての蒸発量が相対的に大きくなり、結果として東部の塩分濃度は上がっていくようになる。

 以上のことが原因でバルハシ湖の西部と東部では流入する水量に偏りがあるため、塩分濃度が大きく異なってくるが東部と西部を隔てる何かが無いとこのようなことにはならない。つまり、バルハシ湖の西部と東部には隔てるものがあるわけだがその隔てるものとは半島であり、バルハシ湖の中央には半島が突き出している。更にその半島がある所は湖の幅が非常に狭くなっているため、結果として半島でも隔てることができ、このような特異な姿となっているのである。

3. バルハシ湖周辺部の気候

 ここからはバルハシ湖の周辺部の気候について書いて行きたいと思う。バルハシ湖の湖畔には様々な町があり、代表的なものにはバルハシ(Balkhash)がある。バルハシはバルハシ湖と同じ名称だが湖が先であるか町が先であるかはわからないが間違いなく関連性はあると思われる(オホーツク海はオホーツクと言う町に由来している)。

 そして、バルハシはバルハシ湖の北西部に位置している町であるため、バルハシが面しているバルハシ湖は淡水となっている。

 また、バルハシは非常に内陸部に位置しているため、年較差が激しく、歴代で最も気温が上がった時の気温と下がった時の気温は日本の歴代の記録とほぼ同じである。バルハシの歴代最高気温は40.9 ℃と日本の歴代の最高気温に近く(熊谷, 2018年7月23日, 41.1 ℃)、最低気温はマイナス41.2 ℃とこちらも日本の歴代最低気温と近くなっている(旭川, 1902年1月25日, -41.0 ℃)。

 このようにバルハシの年較差は非常に大きく、この理由は高緯度に位置しているかつ内陸に位置しているからである。

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 バルハシは到達不能極に近いため非常に乾燥しており、年降水量はわずか138 mm程度しかない。しかし、バルハシは年平均気温が6.9 ℃とかなり低めであるため水分の蒸発量は少なく、そのため砂漠気候(BWk)では無くステップ気候(BSk, 半乾燥気候)に分類されている。

 また、年較差が非常に大きいことも特徴であり、最寒月の平均気温は日本のどの地点よりも低いが最暖月の平均気温は緯度の高さの割にはかなり高く、22 ℃以上の月が3カ月もある。

 このようにバルハシ湖周辺部は乾燥しており、更に年較差の大きい過酷な気候であり、これは高緯度の内陸部では普通の気候である。実際にバルハシ湖と似たような場所にあるアラル海周辺部もこのような気候となっており、アラル海のおかげである程度は抑えられていたがアラル海の消失により、アラル海の周辺部は年較差のより激しい気候となったほどである。

 以上、バルハシ湖についてでした。

 

参考文献

List of lakes by area Wikipedia (湖のデータ)

https://en.wikipedia.org/wiki/List_of_lakes_by_area

Balkhash (city) Wikipedia 4. Climate (バルハシの雨温図)

https://en.wikipedia.org/wiki/Balkhash_(city)

 

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