DS930810のブログ

筆者は自然や自然現象に関心が相当あるので自然に関する記事(天文, 地理, 生物)を書いていきたいと思います。かつては1日2記事を適当な時間に投稿していましたが今のところは午後6時に1記事投稿する形にしています。

世界で最も暑いエチオピアの火山地帯 最寒月でも30 ℃を下回らず...

 今回は世界一暑い地域について書いて行きたいと思う(かつて似たような記事を書いたことがあるが今回は少し発展させていきたいと思う)。

目次

1. 暑い地域

1.1 降水の多い熱帯

 いままではシベリアなど極寒地について書いてきたが今回は極端に暑い地域について書いて行きたいと思う。地球上の気温は太陽の南中(北中)高度が最も大きな要因となっており、太陽が高角で南中(北中)する低緯度地域では年中太陽から多くのエネルギーを受けるため、年中気温の高い状態となる。

 この年中高い気温の状態の地域のことを熱帯と呼び、最も寒い月の平均気温が18 ℃を上回っていれば熱帯と呼ばれる。そして、熱帯は年中気温が高いため降水量が多く、月別の降水量の差によって熱帯雨林気候(Af), 熱帯モンスーン気候(Am), サバナ気候(Aw)の3通りの気候に分けられる(正確には熱帯夏季少雨気候Asもあるが限定的な上に意味もあまり無いため使われることは稀である)。

 また、これらの気候は降水量が乾燥限界を上回っており、年平均気温も高いので降水量はどの気候でも多い傾向となっているが降水量の多さでは熱帯雨林気候>熱帯モンスーン気候>サバナ気候の順になっていることが多い。

 この理由はサバナ気候は非常に乾燥する期間があるからであり、年中湿潤な熱帯雨林気候と比べるとどうしても降水量が少なくなってしまうからである。そのため、サバナ気候の降水量は温帯である日本の降水量を下回る地域も多く、上回る地域では乾季と冬季の降水量の比が10000倍を超える場合もある。

 この降水量に極端な偏りが見られる地域はインドに多く、ムンバイでは最も降水量の少ない3月はほぼ降水が無い(<0.1 mm)が最も多い7月には840.7 mmもの降水があり、その降水量の比は少なくとも8,407倍以上もある。

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 ムンバイの最高気温, 最低気温、及び降水量は上図のようになっており、降水の多い月と少ない月の差が顕著になっている。そして、ムンバイでは12~4月の5か月間はほぼ降水が無く、合計しても2.4 mmに過ぎないが雨季に当たる6~9月の4カ月の降水量の合計は2,260.4 mmと極端に多く、これは年降水量の95.2 %に相当する。

 このようにムンバイは降水量に極端な偏りがあるが雨季の降水量は極めて大きいので年降水量は日本の大半の地域を上回り、湿潤な気候であるが乾季の降水量は砂漠並であるため、この時期は干ばつが酷くなる。

 ちなみに定義上、サバナ気候の降水量は360~2,500 mmとなるため、ムンバイの降水量はサバナ気候の中ではトップクラスに多く、雨季の降水量があと240 mmも多かったら明白な乾季の無い熱帯モンスーン気候に分類されるというなんだか良く分からない状況になっていたほどである。

 このようにムンバイは明白な雨季乾季のある気候であるがもし、雨季の降水量がそこまで多くなかったらどうなっているのだろうか?

1.2 熱帯型の乾燥帯

 ここからは気温だけは熱帯並みであるが乾燥限界が上回っておらず、熱帯に分類されない気候について書いて行きたいと思う。

 熱帯とは最寒月の平均気温が18 ℃を上回る気候のことであり、これに加え年降水量が多いという条件が付く。そのため、気温のほうは熱帯の条件を満たしていても降水量が少なければ熱帯では無く乾燥帯に分類され、実はこの熱帯型の乾燥帯こそが世界で最も暑い気候となる。

 この気候が見られる地域はサハラ砂漠やアラビア半島の南部であり、これらの地域は気温だけ見ると熱帯であるが降水量の関係上、熱帯には分類されない。そして、これらの気候の地域は砂漠になっている場合が多く、太陽から多くのエネルギーを受ける上に砂漠であるため、湿潤な熱帯と比較すると気温がかなり上がる傾向がある。

 そのため、世界で最も気温の高い地域は赤道直下の熱帯雨林では無く、少し緯度の高い亜熱帯砂漠の南部となっている。ここで亜熱帯砂漠と書いたが亜熱帯砂漠全体が亜熱帯性の気候となっているわけでは無く、南部のほうは冬でも気温が高いため熱帯のような気候となっており、この熱帯的な気候の場所が最も気温が高くなっている。

 しかし、亜熱帯部分でもリヤドのような所では夏場の気温が赤道直下の熱帯よりも高く、灼熱であることには変わりは無いが冬場になると気温がそこそこ下がるため、年平均気温は熱帯雨林と同等か少し低いぐらいとなっている。

 そして、気温が最も高い地域、つまり亜熱帯砂漠の熱帯部分については次章で書いて行きたいと思う。

2. 世界で最も暑い場所

2.1 灼熱の聖地、メッカ

 メッカ(Mecca, Makkah)はサウジアラビアの都市であり、イスラム教の聖地として知られているため非常に有名である。そして、サウジアラビアに属しているのでメッカは砂漠となっており、降水量が非常に少ない。

 その上、メッカは緯度が北緯21°25'と北回帰線よりも低緯度に位置しているため、気温が年がら年中高くなっており、実を言うとメッカは世界で最も気温の高い都市となっている。

 どれほど高いかと言うと年平均気温が30 ℃を上回っており、平均最高気温が40 ℃を上回る月が半年もあるほどである。

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 メッカは最寒月である1月の平均気温が24.0 ℃と高いため、気温だけ見ると熱帯に分類される。しかし、メッカは普通の熱帯とは気候が明らかに異なっており、以下の点で違う。

  • 降水量が極端に少ない
  • 夏の気温が極端に高い

 普通の熱帯は降水量が非常に多く、年降水量は最低でも360 mm無いと熱帯にはならない。しかし、メッカの降水量は111.8 mmと明らかに少なく、これは砂漠気候に分類される。

 更に乾燥しない熱帯気候は最も暖かい月の平均気温が30 ℃を超えることは無く、実際にシンガポールの最暖月の平均気温は30 ℃を下回っている。それだけでは無く、シンガポールは年較差、日較差ともに非常に小さいので歴代の最高気温の記録がサハ共和国のヤクーツクやヴェルホヤンスク等、冬場になると極端に気温が低下する地域よりも低くなっている

www.rigelultragiant.com

  しかし、メッカは砂漠なので日較差と年較差が緯度の割に大きい...と言うよりも夏の気温が底上げされているため、半年以上続く夏場では最高気温が40 ℃以上が当たり前となっており、真冬?の最高気温でさえ30 ℃を超えるほどである。

 このようにメッカは気温がそこ上げられているため、年平均気温でさえシンガポールの最暖月の平均気温を超えており、世界で最も暑い都市となっている。

 しかし、この世の中にはメッカよりも気温の高い地域もあり、その地域ではあまりの暑さから住民が移住し、ゴーストタウンになったほどである。

2.2 灼熱地獄、ダロル

 世界で最も暑い地域はアフリカの国、エチオピアのダロル(Dallol)である。ダロルはアラビア半島の国、イエメンのすぐ近くに位置しており、エリトリアの国境付近に位置している。

 そして、このダロルこそが世界で最も暑い地域であり以下の理由で熱くなっている。

  • 降水量が極端に少ない砂漠である
  • 火山の近くに位置している
  • 緯度が低い
  • 盆地である

 これらの理由でダロルは暑くなっており、重要なのが緯度が低い以外の3つである。ダロルは標高がマイナス130 mと海抜よりも低くなっており、このような所はウイグルのトルファンが挙げられる。トルファンは緯度が高めではあるが夏場になると気温が極端に上がり、最暖月の平均気温は30 ℃を超えるほどである。その理由はトルファンが盆地になっているからであり、盆地に位置していると気温が非常に上がりやすくなる。

 そして、トルファンとダロルはこれ以外にも砂漠であるという共通点があり、砂漠であると先ほども書いたように夏の気温が極端に上がる傾向がある。

 更にダロルはトルファンには無い二つの要因があり、一つは緯度が低いことである。ダロルの緯度は北緯14°14' 20"とかなり低い位置にあり、これだけでも気温は高くなるがこれはそこまで重要では無く、緯度が低いだけでは灼熱にはならない。

 では、何が最も暑くしているかと言うと近くにあるダロル火山であり、この火山が原因で気温が異常なまでに高くなっている。その気温の高さはメッカと比較してもすさまじく、これは近くに火山があるだけではなく、先ほど書いた低緯度, 低標高, 砂漠も大きな要因となっている。

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 ダロルの気温はすさまじく高く、最寒月の平均気温でさえ30 ℃を上回っているほどである。そして、最高気温に至っては40 ℃を超える月が超えない月よりも多く、最も寒い月である1月でさえ最高気温は35 ℃を上回っている。

 そのため、ダロルは年中気温の高い状態であり、最も寒い月の平均気温でさえ熱帯雨林の最暖月の平均気温を上回っているほどである。

 その上、年最高平均気温は40 ℃以上もあり、平均気温でさえ34.6 ℃とメッカよりも3.8 ℃も高く、これは先ほども書いたように気温の上がる要因が重なり合い、ここまで気温が高い状態となっている。

 このように気温が年中異常に高いため、ダロルの住民は移住せざるを得なくなり、結果として現在のダロルはゴーストタウンと化したほどである。

 以上、世界一暑い地域についてでした。

 

参考文献

Mumbai Wikipedia 3.1 Climate (ムンバイの気温と降水量)

https://en.wikipedia.org/wiki/Mumbai

Mecca Wikipedia 6. Climate (メッカの雨温図、最高最低気温)

https://en.wikipedia.org/wiki/Mecca

Dallol, Ethiopia Wikipedia 2. Climate (ダロルの気温)

https://en.wikipedia.org/wiki/Dallol,_Ethiopia