DS930810のブログ

筆者は自然や自然現象に関心が相当あるので自然に関する記事(天文, 地理, 生物)を書いていきたいと思います。かつては1日2記事を適当な時間に投稿していましたが今のところは午後6時に1記事投稿する形にしています。

極寒だが自然豊かな国 カナダ

 今回はカナダについて書いて行きたいと思う。

目次

1. カナダ

1.1 カナダの面積、人口

 カナダは北アメリカ大陸の北部に位置している国であり、非常に広大な領土を有している。どれほど広いかと言うと広大な面積を有することで有名なアメリカ合衆国や中国よりも広く、ロシアに次ぐほどである。カナダの国土面積は1,000万㎢近くもあり、この面積は南極大陸よりかは狭いもののオーストラリア大陸よりも広い。

 しかし、これほど広大な面積を有していてもロシアと比較するとかなり狭く、ロシアはカナダの面積にインド2つ分の国土面積を合計した大きさよりも広いぐらいである。それどころかロシアのアジア部分であるシベリアの面積だけでもカナダの面積よりも広く、世界一位と二位の差が非常に大きいことが分かる。

 そして、カナダはこれほど広大な面積を有しているにもかかわらず、人口は3,700万人程度しかおらず、これは日本の人口の3分の1にも満たない。

 そのため、カナダの人口密度は3.7人/㎢と非常に少なく、これよりも人口密度の小さな国には乾燥が激しいナミビアやオーストラリア、極寒のモンゴルや夏の気温が低いアイスランド等の過酷な環境の国ぐらいであり、カナダは世界的に見ても人口密度が非常に小さな国である。

 この理由はカナダは冬になると気温が極端に下がるからであり、高緯度側ともなると氷点下30 ℃を下回るほどの気温となる。

1.2 カナダの首都と最大都市

 カナダの首都はオタワ(Ottawa)であり、オタワは首都でありながら市域の人口は100万人を切っており、都市圏を合計してもシベリア最大の都市であるノヴォシビルスクの人口を下回る程度である。

 そして、オタワの緯度は意外なほど低く北緯45°25'と稚内よりも若干高い程度であり、実はロンドンやパリよりも緯度が低いほどである。

 しかし、オタワは緯度の割には非常に冷涼な気候をしており、日本で最も寒い都市である北見市よりも冬の気温が低い

f:id:DS930810:20180915155301j:plain

 オタワの年平均気温は6.6 ℃、最寒月の平均気温はマイナス10.2 ℃と非常に低く、この気温は首都の中ではウランバートル(モンゴル), アスタナ(カザフスタン)に次いで低く、世界で3番目に気温の低い首都である。

 そして、気になるのがオタワよりもはるかに緯度が高いモスクワの気温であるがモスクワの最寒月の平均気温はマイナス6.7 ℃とそこまでは低くは無く、オタワに比べるとまだ温暖なほうである。しかし、年平均気温はモスクワのほうが0.8 ℃程度低く、これはオタワの夏の気温はそこそこ上がり、7月の平均気温は20 ℃を超えるもののモスクワはオタワと比べると夏の気温が若干気温が低いからである。

f:id:DS930810:20180915160757j:plain

 オタワとモスクワでは前半の月ではオタワのほうが寒いが後半になるとモスクワのほうが寒くなり、その差は後半のほうが大きめであるため、結果としてモスクワのほうが年平均気温は低くなる。

 このようにオタワはかなり過酷な気候であるがカナダ第一の都市、トロント(Toronto)の気候はどうなのだろうか?

 トロントの緯度は北緯43°40'と北海道程度の緯度であり、人口は市域だけで270万人、都市圏に至っては600万人近くと人口の少ないカナダとしては非常に多いほうであり、都市としても非常に発展している。

 そして、トロントの気候は同緯度程度の札幌に似ており、最寒月の平均気温はマイナス3.7 ℃, 年平均気温は9.4 ℃とカナダとしては最も温暖な地域となっている。

f:id:DS930810:20180915161938j:plain

  トロントは最寒月の平均気温がギリギリマイナス3 ℃を下回っているため冷帯に属しており、最暖月の平均気温が22 ℃を若干上回っているため、冷帯湿潤気候の中で夏の気温が高いDfa気候に属している(オタワはDfb)。

 このようにトロントはカナダの中では最も温暖な気候であるため、都市が発達しているがカナダの寒い地域は非常に過酷であり、人口密度が非常に少なくなっている。

2. 極寒のカナダ

2.1 カナダの気候

 カナダの大都市は温暖な低緯度側に集中しており、高緯度側の内陸ともなると非常に過酷な気候となる。どれほど過酷かと言うと年平均気温がマイナスになるほどであり、北東部に位置しているバフィン島では年平均気温が世界で最も寒い地域であるシベリアのオイミャコンやベルホヤンスク程度と同等になる地域さえもある。

 そして、カナダの気候の大半は冷帯湿潤気候(Df)となっており、シベリア東部で見られる冷帯冬季少雨気候(Dw)はカナダではほぼみられない。その理由は北アメリカ大陸がユーラシア大陸と比較するとかなり小さいこととヒマラヤ山脈のような山脈がないからであり(ロッキー山脈は南北方向なので影響がない)、冬になっても高気圧が発達しないからである。

 このようにカナダは大きさの小さい北アメリカ大陸の国であるため、ユーラシア大陸ほど内陸性は強くなく、北東シベリアのサハ共和国で見られる最寒月の平均気温がマイナス38 ℃を下回るDd気候は一切見られない。

 そのため、カナダの冬の気温はシベリアほどは下がらず、シベリアと比べると温暖であるがそれでも極寒であることには変わりは無く、地域によっては冬場の平均気温がマイナス30 ℃を下回る地域もある。

 けれども、カナダの西岸部は年較差が小さく、温暖な西岸海洋性気候(Cfb)となっており、ヴァンクーヴァー(Vancouver)の冬の気温はさいたま市とほぼ同等程度である。

 このようにカナダは多様な気候を持っており、シベリアのように全土が極寒と言う訳ではなく西岸には暖流が流れているため、温暖な地域もある。

 そして、カナダに見られる気候はCfb, Dfa, Dfb, Dfc, ETがあり、冬季少雨型(Dw)などはほとんどの地域に見られず、降水量の季節による偏りは全体的に見ても小さくなっており、その中でもDfb, Dfc気候が中心となっている。

2.2. カナダの都市, 町の気候

2.2.1 カナダに見られる気候の説明

 カナダは非常に広大であるため、気候も様々であるが冷帯気候が中心となっている。特にDfb, Dfc気候が多く見られ、南部はDfb, 北部はDfcが中心となっており、極地には寒帯であるツンドラ気候(ET)が中心となっている。

 そして、Dfa気候は以下の条件を満たした気候である。

  • 最寒月の平均気温がマイナス38~マイナス3 ℃ (冷帯だがDd気候ではない)
  • 最暖月の平均気温が22 ℃以上 (a気候)
  • 乾燥限界以上の降水量を有する (乾燥帯ではない)
  • 降水量に偏りが無い (w,s 気候ではない、ここでは定義は省略)

 また、Dfb, Dfcの条件は以下の通りである。

  • 最寒月の平均気温がマイナス38~マイナス3 ℃ (冷帯だがDd気候ではない)
  • 最暖月の平均気温が10~22 ℃ (bは10 ℃以上の月が4~11カ月, cは1~3カ月)
  • 乾燥限界以上の降水量を有する (乾燥帯ではない)
  • 降水量に偏りが無い (w,s 気候ではない、ここでは定義は省略)

 更にCfb気候の条件はDfbの最寒月の平均気温がマイナス3~18 ℃に置き換わったものとなっており、ETの条件は最暖月の平均気温が0~10 ℃になっていればよい。

 そして、トロントはDfa, オタワはDfb気候であり、雨温図は以上で紹介したのでここからはCfb, Dfc, ET気候について書いて行きたいと思う。

2.2.2 Cfb気候

 カナダの西岸は年較差が小さく温暖な西岸海洋性気候(Cfb)となっており、ヴァンクーヴァーはこの気候に属している。ヴァンクーヴァーの緯度はトロントやオタワよりも高いが気候は非常に温暖であり、ヨーロッパに似た気候をしている。

f:id:DS930810:20180915170911j:plain

 ヴァンクーヴァーの年較差は非常に小さく、わずか14.4 ℃しかない。この年較差はアルゼンチンのウシュアイアやアイスランドのレイキャビクと比較すると大きいものの緯度の割には非常に小さく、似たような緯度に位置している極東ロシアのハバロフスクの年較差が41.1 ℃であることを考えるとその小ささが分かる。

 そして、夏場の降水量が少なく、冬場の降水量が多いので地中海性気候(Csb)のようにも思われるが最小降水月の降水量が30 mmを上回っているため、夏季少雨型にはならず、年中湿潤型に分類される。

 そのため、ヴァンクーヴァーは年較差が小さく非常に暮らしやすい気候であり、カナダの中では最も気候の良い都市となっている。

2.2.3 Dfc, ET気候

 ここからはDfc, ET気候について書いて行きたいと思う。Dfcはカナダの北部に広がっている寒冷な気候であり、北西準州の州都イエローナイフ(Yellow knife)などがこの気候に属している。そして、ET気候はヌナヴト(Nunavut)準州の州都イカルイト(Iqaluit)などが属しており、イカルイトを含むバフィン島やクイーンエリザベス諸島がこの気候となっている。

 これらの気候は言うまでも無く寒冷であり、イエローナイフの最寒月の平均気温はマイナス25.6 ℃, 年平均気温はマイナス4.3 ℃となっており、イカルイトに至っては最寒月の平均気温がマイナス27.5 ℃, 年平均気温はマイナス9.3 ℃と非常に低い。

 そして、これらの町の雨温図は過去の記事で書いたので今回はその記事を掲載しておくだけにする。

www.rigelultragiant.com

www.rigelultragiant.com

  これらの町の気温は極めて低いもののオイミャコンなどと比較すると高めであり、冬の気温も(オイミャコンと比較すると)温暖である。しかし、最寒月がマイナス38 ℃を下回る地域はカナダには無いが年平均気温がオイミャコンよりも低い町はあり、北緯82°30'と極めて高緯度に位置しているアラート(Alert)と言う町である。

 アラートは世界一北にある町として知られており、イカルイトと同じヌナヴト準州に属している。

f:id:DS930810:20180915172917j:plain

 アラートは最も暖かい月の平均気温でさえ3.4 ℃と非常に低く、この気温は氷雪気候(EF)に非常に近いものとなっている。また、最寒月の平均気温はマイナス33.2 ℃とヤクーツクと比較すると高めではあるがカナダの中だと最も寒い部類に入っている。そして、年平均気温はマイナス17.7 ℃とオイミャコンよりも2.2 ℃も低く、オイミャコンが冬の気温が最も寒い居住地であれば年平均気温が最も寒い居住地はアラートということになる。

3. 自然豊かなカナダ

3.1 広大なタイガ

 カナダは温暖な所もあるが全体的に見ても過酷な地域であり、多くの地域で年平均気温がマイナスとなっている。そのため、人口密度が極めて少なくなっているがシベリアと同様に大森林が広がっており、カナダの国土面積の内、54%は森林におおわれているほどである。

 カナダの森林はシベリアと同じくタイガ(Taiga)であり、熱帯雨林と並んで最も広大な森林地帯となっている。しかし、タイガは熱帯雨林とは異なり寒冷地に適応した針葉樹を中心としているため樹木の種類自体は少なく、場合によっては一種類の樹木からなっているタイガもあるほどである。

 そして、タイガは冷帯を中心に生育しているがこれほど気温が低いにもかかわらず生育できる理由は冷帯は夏場になると気温が上がり、活動できるからである。この短い夏の内にタイガの森林は冬の過酷な気候に耐える準備をしている。

 そのため、タイガは年中低い寒帯では生育することはできず、バフィン島の様な寒帯の島ではただ雪原が広がっているだけであり、森林地帯は一切ないのである。

 このようにカナダはシベリアと同じように冷帯の地域が非常に多いため、タイガが国土の大半を占めるようになっており、自然が最も豊かな国の一つになっている。

3.2 多くの湖

 カナダは森林が豊かな意外には多くの湖を有していることが特徴であり、これはシベリアには見られない特徴である。

 シベリアには世界一貯水量が多く、そして世界一深い湖であるバイカル湖があるが二番目に大きな湖であるタイミル湖の面積は4,560 ㎢とバイカル湖と比較すると幾分か小さい。

 しかし、カナダには数多くの巨大な湖が見られ、純粋なカナダの湖として最も広大なグレートベア湖の面積は31,153 ㎢とバイカル湖に匹敵するほど大きく、二番目に大きなグレートスレーブ湖の面積も27,200 ㎢と非常に広大であり、三番目に大きな湖であるウィニペグ湖の面積も24,514 ㎢とやはり非常に広大な面積を有している。

 更にアメリカの国境にまたがるが五大湖の内、ミシガン湖以外はカナダの領土にも含まれており、この中でもスペリオル湖とヒューロン湖の面積はバイカル湖よりも広大である。

 このようにシベリアと比べてもカナダには湖が多く、カナダは森林と湖が豊かな国であることが分かる。

 しかし、バイカル湖の貯水量は非常に大きく、カナダの湖の貯水量を合計してもバイカル湖のほうが圧倒的に多い。この理由はグレートベア湖やグレートスレーブ湖の水深は浅いからであり、これらの湖は貯水量に関してはそこまで多くは無く湖としてはバイカル湖の圧勝となる。

f:id:DS930810:20180915175935j:plain

 バイカル湖はこれらの湖と比較すると圧倒的に深く、この理由はバイカル湖が元々海溝であったことに起因しているからである。その一方でカナダの3大湖は氷河湖であるため、そこまでは深くはならず、面積こそ似ているものの貯水量は圧倒的にバイカル湖のほうが多い。

 

参考文献

Ottawa Wikipedia 2.1 Climate (オタワの雨温図)

https://en.wikipedia.org/wiki/Ottawa

Moscow Wikipedia 3.3 Climate (モスクワの雨温図)

https://en.wikipedia.org/wiki/Moscow

Toronto Wikipedia 2.2 Climate (トロントの雨温図)

https://en.wikipedia.org/wiki/Toronto

Vancouver Wikipedia 3.2 Climate (ヴァンクーヴァーの雨温図)

https://en.wikipedia.org/wiki/Vancouver

Alert, Nunavut Wikipedia 8. Climate (アラートの雨温図)

https://en.wikipedia.org/wiki/Alert,_Nunavut

List of lakes by area Wikpedia (湖のデータ)

https://en.wikipedia.org/wiki/List_of_lakes_by_area