DS930810のブログ

筆者は自然や自然現象に関心が相当あるので自然に関する記事(天文, 地理, 生物)を書いていきたいと思います。かつては1日2記事を適当な時間に投稿していましたが今のところは午後6時に1記事投稿する形にしています。

気候による世界の植生 冬がいくら寒くても夏が暑ければ...

 今回は世界の植生について書いて行きたいと思う。

目次

1. 植生とは

 植生とはある地域の植物の群生のことであり、降水量と気温によって代替が決まっている。例えば熱帯には熱帯雨林、冷帯にはタイガが広がっており、熱帯雨林は冷帯に生育することは不可能となっている。

 そして、その植生を元に気候を分布したのがウラジミール・ケッペンであり、ケッペンは大雑把に分けて5つの気候区、更にその気候区は降水量の偏り(熱帯, 温帯, 冷帯)、降水量(乾燥帯)、最暖月の平均気温(寒帯)によって細分化されている。

 その分類は熱帯の場合は熱帯雨林気候(年中高温湿潤), 熱帯モンスーン気候(弱い乾季がある), サバナ気候(乾季と雨季が明白)乾燥帯の場合はステップ気候(若干の降水が見られる), 砂漠気候(降水が極端に少ない)温帯の場合は温暖湿潤気候(夏場の気温が高く、降水に大きな偏りが無い), 西岸海洋性気候(夏場の気温はそこまでは高くは無く、降水に大きな偏りが無い), 地中海性気候(夏場の降水はかなり少ないが冬になると多くの降水が見られる), 温帯冬季少雨気候(冬場の降水はかなり少ないが夏になると多くの降水が見られる)、冷帯の場合は冷帯湿潤気候(冬の気温は非常に低いが降水に大きな偏りが無い), 冷帯冬季少雨気候(冬になると気温も降水量も極端に下がる)、そして、寒帯の場合はツンドラ気候(夏の気温は氷点下では無いが東京の真冬並み)、氷雪気候(夏でも氷点下)に細分化されている。

 この気温と降水量が植生に影響を及ぼしており、熱帯の場合は降水量に大きく左右されるが冷帯の場合は降水量による影響はほぼないと言っても過言ではない。

 また、乾燥帯の場合は降水量がある程度あると草原が発達し、寒帯の場合は夏の平均気温が氷点下にさえならなければコケ類が生えることもあるがこれさえも下回ると植物の生育は非常に困難となる。

2. 気候による植生

2.1 熱帯

2.1.1 熱帯雨林

 熱帯雨林は地球上で最も緯度の低い赤道付近を中心に発達する大森林である。熱帯雨林の特徴としては赤道に近いため、年中気温が高く、更に降水量も多い。

 この高温と降水量の多さが熱帯雨林を形成するうえで大事であり、熱帯に生育するヤシはどの月の平均気温も18 ℃以上でないと生育できないと言われている。

 そのため、ヤシの木を日本のような温帯に持っていくと10月ぐらいから平均気温が18 ℃を下回るため、寒さに耐えられなくなる。このように熱帯雨林は年中気温が高い状態ではないと生育することが不可能であり、更に降水量も多くなければいけないため、乾燥と寒さに弱いと言える。

 ちなみに熱帯雨林はジャングル(Jungle)の名で知られているがアマゾンの熱帯雨林はセルバ(Selva)と言う名で呼ばれているものの熱帯雨林であることには変わりが無い。また、熱帯雨林は東南アジア, 南アメリカ, アフリカ等に見られており、大陸で言うと南極大陸以外で見ら

れるが最も熱帯雨林が分布している大陸は南アメリカ大陸である。

2.1.2 サバナ

 サバナ(Savanna)は草原と低木を中心とした植生であり、熱帯雨林よりも少し高緯度側に見られる傾向がある。

 そして、熱帯雨林とは違い雨の多い時期(雨季)と少ない時期(乾季)が明白になっている。そのため、年中多くの降水が必要な熱帯雨林は乾季の影響で発達することは無く、乾燥帯でないにもかかわらず森林地帯は発達していない。

 この気候が雨季と乾季が明白に分けられている原因は亜熱帯高圧帯の移動であり、夏は赤道低圧帯が覆っているため、熱帯雨林と同様に多くの降水がもたらされるが冬になると亜熱帯高圧帯が下降してくるため、砂漠並に乾燥する。

 このようにサバナ気候は年中高温な熱帯であるものの降水量のほうは季節的な周期はあるが年によって大きく差が開いており、熱帯の割には降水量が少なくなっており、乾季の時は干ばつが起こることもあるため、決して良い気候とは言えない。

 ちなみに地形によっては赤道付近でもこの気候が分布している場合があり、アフリカ大陸では赤道付近でもこの気候が広い範囲で見られている。

2.2 温帯

2.2.1 暖帯林

 温帯は暑い夏とそこそこ寒い冬を有している気候であり、この気候は南極大陸以外の大陸で見られる気候である。そして、温帯は大きく分けると極度の乾燥を逃れた熱帯に近い亜熱帯, 亜熱帯に近い暖温帯, そして冷帯に近い冷温帯の3つに分けられる。

 この中で亜熱帯林は分布が非常に限られているため、暖帯林から書いて行きたいと思う。暖帯林は暖温帯に生育する植物のことであり、暖温帯とは年平均気温が高い温帯のことで比較的低緯度に位置している。暖温帯の年平均気温は13~21 ℃と言われており、この気温に該当する場所は本州の東北地方, 北陸地方(の寒冷な場所), 中部地方を除いた全域、四国、九州などである。また、これらの地域では降水量もかなり多く、前述したサバナと比較してもかなり多い。

 そして、他の暖温帯は地中海沿いのヨーロッパ側にも見られるがこれらの地域は夏の降水量が極端に少ないため、日本の暖温帯とは植生が明らかに異なっている。

 日本の暖温帯はカシ, シイ等の常緑広葉樹林が主となっており、これらの植物は熱帯雨林とは異なり、ある程度の寒さにも適応できている。実際に暖温帯(日本)は熱帯雨林と比較すると冬に気温が低くなる以外は大差が無く、降水量も若干少なくなるものの世界的に見ても非常に多い。

2.2.2 冷温帯林

 冷温帯は冷帯と暖温帯の間に位置している気候区であり、年平均気温は大体6~13 ℃程度である。しかし、この定義はあくまで植生を重視しているため、年平均気温が8.9 ℃の札幌(冷帯)は冷温帯に入っているが年平均気温が5.7 ℃のウシュアイア(温帯)は冷温帯よりも気温が低くなり、冷温帯は必ずしも温帯であるわけでは無い。

 そして、冷温帯には主にブナなどの落葉広葉樹が分布しており、日本で言うと東北から北海道にかけて落葉広葉樹が分布している。

2.3 冷帯

 冷帯は森林が生育できる気候としては最も低温な気候であり、南半球にはこの気候は存在しない。そのため、冷帯はユーラシア大陸と北アメリカ大陸の2大陸にしか無い。

 冷帯の森林は針葉樹林が主となっており、この針葉樹林はタイガと呼ばれており、熱帯雨林と同様に世界の主要な大森林となっている。そして、タイガは本格的な冷帯に多く分布しており、本格的な冷帯とは冬の期間が長く、そして冬の気温がとてつもなく下がる気候のことである。

 そのため、タイガは冬の極寒の耐えきることが出来る植物に限定されており、エゾマツ, トドマツなどがこれに該当している。これらの植物はマイナス数十度の極寒に耐えきれる数少ない植物であるため、タイガの種類は非常に少なく、場合によっては一種類のみしかない場合もある。

 そして、タイガがどれほどの気温まで耐えられるかはわからないが北半球で最も冬が過酷なオイミャコンにもタイガは生育しているため、少なくとも最寒月の平均気温がマイナス46.4 ℃(オイミャコンの記録)までは耐えられることが分かる。

 このように冬になると極端に気温の下がることが出来る地域でもタイガが耐えられる理由は寒さに耐性があるだけではなく、冷帯は夏場になると気温がある程度は上がることが最大の理由になっており、この気温の上がる夏場に活動をしているからである。

 そのため、夏でも気温の下がる寒帯では森林が発達することは無く、その境界は最暖月の平均気温が10 ℃以上か否かと言われている。

2.4 乾燥帯

2.4.1 ステップ

 ステップ気候とは森林が発達することが出来ないほど降水量は少ないものの草原程度なら生えることが出来るほどの降水量の地域である。

 そのため、ステップ気候の地域はステップ(Steppe)と呼ばれる一面の草原地帯となっていることもあり、砂漠とは異なり殺風景と言う訳ではない。

 そして、ステップ気候は熱帯に近い所もあれば降水量の少ない寒冷地にもあり、前者は熱帯と砂漠に挟まれており、後者は砂漠と冷帯に挟まれている。

 代表的な場所としてはモンゴルの大草原が挙げられ、モンゴルは寒冷地であるため、南にはゴビ砂漠、北にはタイガが隣接している状態である。

2.4.2 砂漠

 砂漠気候は最も乾燥した気候のことであり、森林は勿論のこと草原さえ生えていない地域のことである。そのため、砂漠は岩石や砂に覆われており、植物とは無縁のようにも思えるがサボテンなど乾燥に強い植物がまばらに生えていることもあり、これらの植物はわずかな降水でも生育することが出来る。

 また、ペルーの首都リマのように寒流により乾燥している地域は降水こそないものの霧が多く発生しており、この霧から水分を補給するタイプの植物もある

2.5 寒帯

 寒帯は世界で最も気温の低い気候タイのことであり、年中気温が低い。そのため、森林が生育することは無く、理由こそ違うものの乾燥帯と並んで森林が生育しない気候である。

 しかし、最暖月の平均気温が氷点下ではないツンドラ気候はコケ類などは生育することは可能となっており、このコケ類はツンドラ(Tundra)と呼ばれている。

 そのため、一応ではあるが植物が生育することは可能となっており、植物が生育できる中では最寒である。

 けれども最暖月の平均気温でさえ氷点下となるともはやどの植物も生育することが不可能となり、この気候は氷雪気候と呼ばれている。氷雪気候は南極大陸のほぼすべての領域とグリーンランドの内陸部、カナダのクイーンエリザベス諸島の北端当たりに見られる気候であり、いずれの緯度も非常に高くなっている。

 以上が植物の植生であり、降水量と気温が重要であることが分かる。