DS930810のブログ

筆者は自然や自然現象に関心が相当あるので自然に関する記事(天文, 地理, 生物)を書いていきたいと思います。かつては1日2記事を適当な時間に投稿していましたが今のところは午後6時に1記事投稿する形にしています。

原子番号5番ホウ素 実はアルミニウムとは近縁である

 今回はホウ素について書いて行きたいと思う。

目次

1. ホウ素

1.1 ホウ素とは

 ホウ素は原子番号が5番の元素のことであり、原子記号はBである。このBとはホウ素のドイツ語名である「Bor」に由来しており、ホウ素は英語でも「Boron」とBから始まり、ラテン語名でも「Borium」とBから始まっている。

 そして、ホウ素は原子番号が非常に小さく、原子番号がホウ素よりも小さいものは水素(H)、ヘリウム(He)、リチウム(Li)、ベリリウム(Be)の4つだけである。

 このようにホウ素は原子番号が小さいために固体の密度は2.08 g/㎤とかなり小さい。しかし、融点や沸点は高めであり、融点は2,000 ℃を超えており鉄よりも高く、沸点は3,000 ℃を超えているほどである。

 また、周期表ではホウ素は2周期13族に位置している。

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 原子番号5番のホウ素と原子番号4番のベリリウムの間には空白があるがこれは電子の配列上生じるものであり、この空白に元素が入ることは決してない。反対にランタニドやアクチニドはこの周期表内には収まらないため別枠で書かれているだけであり、本来ならばランタン(La)はバリウムの次に書かれるがこのようにすると空白が余計に広がるため、便宜上別枠に書かれているだけである。

1.2 13族

 ホウ素は13族の2周期に属している元素であり、ホウ素は半金属的な性質を持っている。そのため、ホウ素はレアメタルに分類されることもあり、半金属的な性質を持っている元素の中では最も原子番号が小さい。

 また、ホウ素と同じ13族に属している元素にはアルミニウム, ガリウム, インジウム, タリウム, ニホニウムがあり、この内ニホニウム以外には安定同意帝が存在している。

 そして、アルミニウムはホウ素の次に原子番号が小さい元素であるがアルミニウムはご存知の通り完全な金属であるため、アルミニウム以降は全てが金属元素となっており、族が小さいほど若い周期で金属的な性質を示すようになる。

 例えば14族の場合は50番の錫(Sn)で完全な金属となり、15族の場合は83番のビスマス(Bi)で完全な金属となる。

↓ アルミニウムの記事

www.rigelultragiant.com

1.3 ホウ素の同位体

 ホウ素は原子番号が5番と小さく、原子量も10.8程度である。そして、ホウ素原子には2つの安定同位体があり、ホウ素10と11が安定同位体である。

 同位体とは原子番号(陽子数)は同じであるが中性子数が異なる原子のことであり、質量数が異なっても化学的性質はほとんど変わらないものの水素の場合は原子核の質量が2倍も異なるため、化学的にも影響が出る。

 水素の安定同位体には水素1(軽水素)と水素2(重水素)の2種類があるがこの2つは質量が倍も違うため、化学的な性質にも影響が出てしまう。生物は重水素だけの水を飲むと大変危険であり、魚を重水素だけの水に放流すると確実に生きていくことはできない。

↓ 水の同位体の記事

www.rigelultragiant.com

 このように同位体でも水素ほど原子番号が小さいと影響は出るものの原子番号が大きくなると影響は小さくなっていき、ホウ素10とホウ素11ではそこまで大きな差が出ることは無い。

 ちなみに安定同位体とは放射性ではない同位体のことであり、原子核が半永久的に変化しない同位体のことである。放射性の場合は一定期間を経た後、ヘリウム原子核(α線)、電子(β線)を放出して別の原子に変わる、またはγ線を放出してエネルギー順位が低い安定な状態になろうとする性質を持っている。

 以上が安定同位体についての説明であったがホウ素は先ほども書いたように中性子数が5のホウ素10と中性子数が6のホウ素11の2種類があり、原子番号は原子核に含まれる陽子の数であるため、これらの原子核の陽子数はいずれも5個である。

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 ホウ素10と11の違いは中性子数だけであり、陽子数と電子数は同じである。そして、天然存在比はほぼ1:4なので質量数は10.8程度となる。

 このようにホウ素には安定同位体が2種類あり、これ以外にも同位体があるものの全て放射性元素であるため、放射線を放出した後別の原子に変わる。

2. ホウ素の化合物

2.1 ホウ素の結合

 ホウ素は原子番号が5番であるため、電子の数は5つある。そして、その中の2つの原子はK殻にあり、安定な状態となっているため反応には関与しない。つまり、反応に関与するのは外側(L殻)の3つの電子である。

 この電子たちが他の原子と電子を共有する、つまり共有結合することができ、電子一つにつき1つの結合ができるため、ホウ素は3カ所で共有結合することができる。

 例えば水素と結合する場合は3カ所で水素と結合することが出来るため、水素との化合物はBH3と表すことができ、この化合物はボラン(Borane)と呼ばれている。

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 ボランは正三角形型をしており、中心のホウ素原子に水素が3つ結合したタイプとなっている。また、ボランはこれだけだと不安定であるため、もう一つのボラン原子と結合(完全な結合では無いが)することでジボラン(ジとは2の意味)の形態を取っており、ボラン分子単体の状態はモノボラン(モノとは1の意味)と呼ばれている。

 また、ホウ素は3つの結合の手を取っており、窒素も3つの手を持っているが窒素の場合は反応に関与する電子が5つあり、その内2つが非共有電子対の形を取っているため、この非共有電子対の部分とホウ素原子の空の軌道が結合することで化合物が形成されることもある。

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 アンモニアボランはアンモニア窒素の非共有電子対がボランホウ素の空の軌道と結合している形態を取っており、ボランが電子を借りている状態となっている。そのため、ホウ素は電子を借りている分、負電荷を帯びており、反対に窒素は貸している状態であるため正電荷となっている。

 このようにホウ素は電子が空の軌道をもっているため、非共有電子対を持つ分子と結合が可能となっている。

 また、ホウ素はケイ素のような14族の元素と比較すると電子が1つ足りないため、これらの元素に混ぜると電子が不足し、この不足した箇所を電子が移動することで半導体としての性質を示すため、ホウ素は半導体として用いられることが多い。

2.2 ホウ酸

 ホウ素と聞くとゴキブリ退治用のホウ酸を思い浮かべる方も多いと思われるがホウ酸にも名前の通り、ホウ素が含まれている。

 ホウ酸はホウ素原子に3つのヒドロキシ基(-OH)が結合した形態を取っており、化学式で書くとH3BO3、またはB(OH)3で書かれる。

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 ホウ酸はオキソ酸の一種であり、オキソ酸とはヒドロキシ基(-OH)とオキソ基(=O)を含む酸(ヒドロキシ基の水素原子由来)のことであり、ホウ酸以外には炭酸(C), 硝酸(N), リン酸(P), 硫酸(S)などがある(ホウ酸はオキソ基を含んでいないがヒドロキシ基だけでも良い)。 そして、オキソ酸には硝酸や硫酸のように強酸もあるがホウ酸は弱酸であり、そこまで電離度は高くは無い。

 また、ホウ酸は温度が低いと水に溶解しずらいが高くすると多くの量が溶解するようになり、10 ℃の時と100 ℃の時では溶解量は10倍以上も違う。

 しかし、ホウ酸は固体の状態であるが温度を上げすぎると液体になる前に169 ℃で分解するようになる。

 このようにホウ素には様々な化合物があり、ホウ酸が最も知名度があるがそれ以外にも半導体に用いられる等様々な分野で活躍をしている。

 以上、ホウ素についてでした。