DS930810のブログ

筆者は自然や自然現象に関心が相当あるので自然に関する記事(天文, 地理, 生物)を書いていきたいと思います。かつては1日2記事を適当な時間に投稿していましたが今のところは午後6時に1記事投稿する形にしています。

クーロン力の凄まじい力と威力

 今回はクーロン力の強さについて書いて行きたいと思う。

目次

1. 電荷とクーロン力

1.1 電荷と質量

 初めに電荷と質量の違いについて書いて行きたいと思う。

 質量は物体の動かしづらさを表す量のことであり、ほぼすべての物は質量を有していると言っても過言ではない。それに対して説明はしづらいが電荷は電気現象の元になる実態であり、電荷を持たない物体も数多くある(正確には持っているがその量が極めて小さいため、持っていないと見なすことが出来る)。

 そして、質量と電荷には共通点が多く、どちらも力の元になる量であるがその一方で異なる点も多い。質量と電荷の相違点は以下の様になっており、赤は共通点、青は異なる点を表している。

  • 両方とも力を発生させる
  • 力の大きさは両者の大きさの積であり、距離の二乗に反比例する
  • 電荷には正と負の両方があるのに対し、質量は正しかない
  • 電荷は同符号だと斥力、異符号だと引力となるが質量は同符号で引力となる
  • 単位当たりの力は電荷のほうが圧倒的に強い

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 万有引力は質量によって生じる力であり、質量が同じ符号の場合は引力として働く力である。そのため、符号が違うと斥力として働くと考えられるが質量は正しか無いため、万有引力が斥力として働くことは無い。

 その一方でクーロン力は電荷によって生じる力であり、こちらは同符号の場合は斥力、異符号の場合は引力として働く。そして、電荷は質量とは異なり両符号共にあるため引力も斥力も生じ、この点でも万有引力とは異なる。

 更に万有引力とクーロン力は単位当たりにかかる力の大きさが全く異なり、クーロン力のほうが圧倒的に大きい。質量の単位はキログラム(kg), 電荷の単位はクーロン(C)であり、1 kg, 1 Cの物体を1 m話したところに置いた場合にかかる力は以下の様になっている。

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 この時の力は万有引力が6.67408×10^-11 Nと微々たる力に対してクーロン力は8.9876×10^9 Nと凄まじい力であり、万有引力はクーロン力に対して無いに等しいと言える。

 このように万有引力とクーロン力は力のかかる方向も大きさも全く異なるものの共通点もあり、両者ともにお互いの電荷の積に比例し、距離の二乗に反比例する。

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 万有引力もクーロン力も式は同じであるが定数の大きさが全く異なっており、万有引力定数Gはクーロン定数K0の1.35×10^20倍も小さい。

 このように万有引力はクーロン力に比べると非常に小さい力であるが地球の重力はほぼ全てが万有引力によって生じている。

1.2 クーロン力と質量の関係

 ここまでは質量と電荷、及びそれによって生じる万有引力とクーロン力について書いてきたがここからはクーロン力と質量の関係について書いて行きたいと思うが初めはクーロン力と質量の関係を書く前に重力加速度について書いて行きたいと思う。

 重力加速度は万有引力によって生じる加速度のことであり、力は質量と加速度の積で表される。万有引力の式は1.1でも書いたように2物体の質量の積を距離の二乗で割ったものとなっており、これに万有引力をかけたものとなっている。

 そして、質量の軽いほうの物体にかかる力はその物体と加速度の積であり、その加速度こそが重力加速度となるため、以下の式が成り立つ。

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 質量mの物体とMの物体間の万有引力以外掛かっていないとすると質量mの物体にかかる力は上図の「かかる力」のようになる。そして、力の大きさはその物体の質量(m)に比例し、更に万有引力にもmが現れるため、打ち消すことが出来、結果として加速度の式にはその物体の質量が現れず、質量によらず一定であることが分かる。

 そして、質量Mの物体を地球だとするとaは重力加速度となり、地球の重心は中心にあるためrは地球の直径となる。このことを踏まえて計算すると重力加速度は9.8 m/s^2となり、ここから遠心力などの力が引かれたものが真の重力加速度となる。

 ここまでが重力加速度の話であるが同じことをクーロン力に当てはめていきたいと思う。クーロン力は両電荷の積に比例するがこの式には両物体の質量は一切出てこないため、クーロン力による加速度は重力加速度とは裏腹に自分側の質量に依存する。

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 クーロン力による加速度は両物体の電荷の積に依存するが相手の質量には依存せず、反対に自身の質量に依存し、自身が重ければ重いほど加速度は小さくなる。

 このようにクーロン力と万有引力では影響する質量が異なっており、万有引力の場合は相手が重ければ重いほど加速度が大きくなるがクーロン力の場合は質量に依存しないが力は質量に依存し、同じ力がかかった場合はかかる物体の質量に加速度は反比例するため、自身の質量が大きければ大きいほど加速度は小さくなる。

2. クーロン力による加速度の大きさ

2.1 クーロン力に対抗する質量

 初めにクーロン力に対抗する質量について書いて行きたいと思う。クーロン力は万有引力に対して非常に大きい値を取り、わずか1 C同士の物体が1 m離れているだけでも莫大な力がかかる。それに対して1 kg同士の物体が1 m離れていたとしても非常に小さな万有引力しか働かず、その大きさはがい(兆の1億倍, 漢字変換で出てこなかったためひらがなで表記)単位で違う。

 そこで1 Cの物体が1 m離れている時にかかるクーロン力を打ち消すにはどれほどの質量が必要なのだろうか?

 万有引力は引力しか無いため、ここでのクーロン力は斥力で考えたいと思う。ここでは両物体は8.9876×10^9 Nの力で離れようとしているため、それに対抗するだけの万有引力が必要である。

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 正(負)電荷同士のクーロン力は斥力となり、1 kg同士だとあまりにも万有引力は小さくなるため、1 kg同士で置くと当然斥力のほうが勝ち、物体はすさまじい速度で離れることとなる。

 そのため、非常に大きな質量が無いと万有引力と釣り合わなくなるがそのためには相当な質量が必要となる。例えば両者の質量が1 tあったとしても万有引力の大きさは6.67408×10^-5 Nしかかからず、これだと全く対抗できていない。

 では、どれだけ質量が必要かと言うと1160.4493億トンも必要であり、この質量でようやく8.9876×10^9 Nの万有引力が生じるようになる。つまり、両者にこれだけの質量があってようやく1 C同士のクーロン力に対抗できる程度であり、1 C同士による力の大きさがどれほど大きいかが良く分かる。

2.2 もし、地球が中心部に電荷を持っていたら

 ここからは地球規模で考えていきたいと思う。地球の質量は5.972×10^24 kgもあり、この質量が重力加速度を生じさせている。そして、現実にはあり得ないが地球の中心部に5.972×10^24 Cの電荷があると仮定し、これが質量と全く同じようにふるまうと考えてみる。

 そして、地球上にある物体の質量は計算をしやすくするために1 kgとおき、電荷は1 Cと置く。

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 この時生じる万有引力による加速度は9.8 m/s^2であるがクーロン力による加速度(ここではクーロン加速度)はどれぐらいになるのだろうか?

 両者にかかる力は1.31945×10^21 Nにも及び、地球上においてある物体の質量は1 kgであるため、加速度も1.31945×10^21 m/s^2となる。

 そのため、地表から1 m離れた所からこの物体を落とすと38.9331ピコ秒(ピコは10^-12)後に地上に激突し、衝突時に生じるエネルギーは世界最大級の地震であるチリ地震のエネルギー量をはるかに驚愕することになる。そのため、この物体を離した後、一瞬で周辺部数百キロメートルが跡形も無く破壊されることとなる。まあ、これほどの加速度がかかると地球上で13.46京トンの物体を持つのと同じことであるため、持ち上げることさえも不可能であるが...

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 更に電荷が大きいと加速度が増し、2 Cの場合だとこの倍の加速度が生じ、衝突までの時間も短くなるうえに破壊力も二倍になる。しかし、質量が大きくなると加速度が小さくなるため、2 kgで1 Cの物体を落としても破壊力は変わらない。

 このように地球の中心部に質量と同じだけ電荷があると電荷のある物体はと表に向かってすさまじい速度で落ちていくようになり、落ちた瞬間に広範囲が跡形も無く破壊されるようになる。

 以上、クーロン力の強さについてでした。