DS930810のブログ

筆者は自然や自然現象に関心が相当あるので自然に関する記事(天文, 地理, 生物)を書いていきたいと思います。かつては1日2記事を適当な時間に投稿していましたが今のところは午後6時に1記事投稿する形にしています。

グリーンランドに次ぐ極寒の島 バフィン島

 今日はグリーンランドに次ぐ北極圏の島であるバフィン島について書いてきたいと思う。

目次

1. バフィン島

1.1 バフィン島とは

 バフィン島(Baffin Island)はカナダに位置している広大な面積を誇る島であり、世界中の島の中でも5番目に面積が広い。世界で最も面積の広い島はグリーンランドであり、その面積は世界で最も面積の小さいオーストラリアの29 %程度であり、日本国土の6倍近くにも及ぶ。

 そして、グリーンランドは北極圏にあるため極寒の島であるが次に面積の広い島であるニューギニア島や三番目のボルネオ島、四番目のマダガスカル島はいずれも低緯度に位置している熱帯の島であり、年中を通して気温が高い。

 しかし、今回紹介する五番目に広いバフィン島はグリーンランドのすぐそばに位置しており、面積の半分以上が北極圏に含まれている。そのため、バフィン島は非常に寒冷な気候をしており、夏の気温も低く、冬になるとサハ共和国ほどでは無いが非常に冷え込みが強くなる。

 また、バフィン島は先ほども書いたように非常に広大な面積を有しており、トルクメニスタンの国土面積よりも広い50万 ㎢ほどもある。この面積は当然日本の国土面積よりも広く、本州の二倍以上もある。

1.2 バフィン島の気候

 バフィン島はカナダの北東部に位置しているため非常に寒く、北極圏に達していない場所でも寒帯に属している。寒帯は最暖月の平均気温が10 ℃を下回る気候のことであり、バフィン島は全域がこの寒帯に属している。

 ここで話を世界で最も低い最低気温を観測した居住地であるオイミャコンのほうに持っていきたいと思う。オイミャコンの年平均気温はマイナス15.5 ℃と極めて寒冷であるが実は寒帯ではなく一つ下の亜寒帯(冷帯)に属している。その理由は夏場の気温が上がるからであり、オイミャコンの最暖月の平均気温は14.9 ℃と10 ℃を余裕で上回っている。そのため、南極を除いて世界で最も極寒なオイミャコンは寒帯ではなく冷帯に属しており、実を言うとシベリアは北極圏を除いてほぼ全てが亜寒帯に属している。その理由はシベリアは内陸に位置しており、年較差が大きくなる傾向があるからであり、年較差が大きいと冬場は極寒となるが夏場になると意外なほど気温が上昇し、結果として夏場に気温の上がる亜寒帯となるからである。

 しかし、バフィン島は先ほども書いたように島であり、更に近くには寒流であるラブラドル海流(Labrador Current)が流れている影響で気温が下がり、結果として夏の気温が抑えられることで寒帯となるのである。

 海流の影響は気候に大きな影響を及ぼし、暖流の場合は日本海側に大雪をもたらす、ヨーロッパの気温を上昇させるなどの影響があり、反対に寒流は海岸沿いを砂漠化させる等の影響がある。

 このことでバフィン島は同緯度の地域と比較すると夏が冷涼となり、バフィン島の真夏の気温が東京の真冬の気温と同程度になるほどである。

2. バフィン島の町

2.1 バフィン島の町の気候

 ここからはバフィン島の町の気候について書いてきたいと思う。バフィン島は極寒の島であり、木が一本も生えていないような気候であるため、その広大な面積に反して人口は非常に少ない。バフィン島の人口は1万人を若干超える程度であり、この人口は日本の人口の1万分の1も無いほどである。つまり、バフィン島の人口密度は日本の1万分の1を下回っており、その人口密度は0.02 人/㎢にしかすぎない。

 しかし、バフィン島には少なからず町は存在しており、最も人口の多い街であるイカルイト(Iqaluit)の人口は8,000人近くに達している。この人口は都市とは言えるほど多くは無いが村とも言えるほど少ないわけでは無く、比較的人口の多い居住地とも言える。

 そして、他にも町は存在しており、どの町も非常に寒冷な気候をしている。

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 バフィン島の町は上表のようなものがあり、どの町も最暖月の平均気温が10 ℃を下回る寒帯に属しているが0 ℃を上回っているため、寒帯の中でも温暖なツンドラ気候(ET)に属している。ツンドラ気候は夏の気温も低く、居住には明らかに向いてはいないものの一応最暖月の平均気温が0 ℃を超えているため、町は存在している。

 そして、これらの町は夏場の気温が低いことは当然ながら冬場の気温は極めて低く、年平均気温もマイナス10 ℃を下回るものが多い。例えばイカルイトの場合は最寒月の平均気温がマイナス27.5 ℃と同じカナダの内陸部に位置しており、緯度も似ているイエローナイフよりも若干下回っているほどだが年平均気温はマイナス9.3 ℃とイエローナイフよりも5 ℃も低く、世界最寒の都市として知られるヤクーツクよりも若干低いほどである。

 更にポンド・インレット(Pond Inlet)やアークティック・ベイ(Arctic Bay)、及びナニシヴィック(Nanisivik)の年平均気温は世界の寒極の一つとして知られるヴェルホヤンスクのものを若干下回っており、非常に寒冷な地であることが分かる(ヴェルホヤンスクの年平均気温はマイナス14.5 ℃)。しかし、これらの地の年平均気温はヴェルホヤンスクを下回っているのは確かであるがもう一つの寒極であるオイミャコンよりかは若干高く、年平均気温だけ見るとシベリアの寒極と同等程度であることが分かる。

 しかし、これらの地域の年較差は確かに大きいことは大きいもののシベリア北東部と比較すると小さく、実際に最寒月の平均気温は最も低いポンド・インレットでさえマイナス33.7 ℃とオイミャコンはおろかヤクーツクよりも高い。これはシベリア北東部の気候は内陸性が極めて強く、更に緯度が非常に高いため年較差が極端に大きくなるがこれらの地域は巨大であっても島であるため年較差がシベリア北東部ほどは大きくならないからである(実を言うとシベリア南部よりかは年較差は大きい)。

 そのため、これらの地域の冬はシベリア北東部と比較すると幾分かは穏やかであり、実を言うとツンドラ気候の中で最寒月の平均気温がヤクーツクを下回る地域は存在しない。

2.2 サハ vs バフィン

 最後にサハ共和国とバフィン島の比較を行いたいと思う。サハ共和国もバフィン島も非常に寒冷な地であり、年平均気温もほぼ同じであるがサハ共和国のほうが年較差は大きく、暑い時は暑く、寒い時は寒い気候となっている。

 ここで、サハ共和国とバフィン島の居住地の気温を実際に比較していきたいと思うが両者とも最も人口の多い居住地と最も気温の低い居住地で比較していきたいと思う。サハ共和国で最も人口の多い所はヤクーツク、最も寒い所はオイミャコンであり、バフィン島はイカルイト、及びアークティック・ベイであるため、これらを比較していきたいと思う。

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 これらの町(ヤクーツクは都市だが)を比較するとサハ共和国の年較差の大きさがかなり大きいことが分かり、最も寒い月の平均気温はマイナス38 ℃ (青い線)を下回っているが最も暑い月の平均気温は10 ℃を上回っているDd気候である。その一方でバフィン島の場合は年較差は大きいもののサハ共和国と比較すると小さめであり、最も暑い月の平均気温は10 ℃を下回っている寒帯であるが最も寒い月の平均気温はマイナス38 ℃を上回っている。

 このようにバフィン島は寒く、年較差の大きな島であるがサハ共和国と比較するとまだ年較差は小さめであり、冬の気温もそこまで下がるほどでは無い(それでも極寒であるが)。しかし、夏の気温は低いため、サハ共和国とは違い、木が一本も生えていないような気候となっている。

 以上、バフィン島についてでした。

 

参考文献

Politics Communities by population (バフィン島の居住地の気候)

https://en.wikipedia.org/wiki/Baffin_Island

Iqaluit Wikipedia Climate (イカルイトの気温)

https://en.wikipedia.org/wiki/Iqaluit

Arctic Bay Wikipedia Climate (アークティック・ベイの気温)

https://en.wikipedia.org/wiki/Arctic_Bay

Yakutsk Wikipedia 2.Climate (ヤクーツクの気温)

https://en.wikipedia.org/wiki/Yakutsk

Oymyakon Wikipedia 4.Climate (オイミャコンの気温)

https://en.wikipedia.org/wiki/Oymyakon