DS930810のブログ

筆者は自然や自然現象に関心が相当あるので自然に関する記事(天文, 地理, 生物)を書いていきたいと思います。かつては1日2記事を適当な時間に投稿していましたが今のところは午後6時に1記事投稿する形にしています。

地平線のまでの距離はどれほど離れているのだろうか?

 今回は地平線までの距離について書いて行きたいと思う。

目次

1. 地平線

1.1 地平線とは

 地平線とは地面と空の境界をなす線のことであり、地平線よりも先を見ることは不可能である。そして、現在では地平線を見ることは難しくなったものの海では比較的簡単に地平線を見ることができ、かなり遠くまで見えるようにも感じるが実際に地平線までの距離はどれほどあるのだろうか?

1.2 地平線までの距離の算出

 ここからは地平線までの距離について求めていきたいと思う。地平線と観測者と地球との関係は下図のようになっており、地平線とは観測者の目線と地球との

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 上図のO点は地球の中心であり、地表であるA点とは地球の半径rと同じだけ離れている。そして、観測者の高さをhと置くと観測者の目線はB点、地平線はH点に相当する。そのため、地平線までの距離はBHとなり、辺BHは地球との接線であるため、角OHBは直角となる。このことより三角形BOHは直角三角形となるため三平方の定理から辺BH、即ち地平線までの距離を求めることが出来る。

 三角形BOHの辺の長さはOH=r、OB=h+rであるため、辺BHの長さは上図の右式のように求めることができ、その長さは(h^2+2hr)の平方根となる。このことより、地平線までの距離は地表からの高さと地球の半径によって求まることが分かる。

 では、次章では実際に高さを変えるなどして地平線までの距離を求めていきたいと思う。

2. 地平線までの距離

2.1 地球での距離

 初めに地球での地平線までの距離について算出していきたいと思う。地球の半径は6,378 kmであるため、1章で算出したrの値は6,378 kmになる。また、地球は平坦ではなく凹凸があるため、正確にはこの値にはならないがここでは凹凸による影響はないものとする。

 初めに高さが1 m視点で求めていくとh = 0.001 kmであるため、地平線までの距離は{0.001^2+2×0.001×6378}^0.5 ≒ 3.57 kmとなり、地平線までの距離は3.57 kmであることが分かる。この距離は意外なほど長く、上り坂などが無い場合は歩いて行くと45分程の距離である。

 次に高さを少し上げ、目線の高さである1.6 m視点から見ていきたいと思う。1.6 mの場合はh = 1.6 mとなるため、地平線までの距離は4.52 kmほどとなり、この長さは海から見た地平線までの距離とほぼ等しい距離である(海の海抜は0 mであるため)。

 以上が標高が0 m視点で眺めた距離についてでの話であったがここからは高台や高層ビル視点で眺めていきたいと思う。

 初めに高さ100 mの高台から眺めた地平線までの距離を求めていきたいと思う。高さが100 mの場合はh = 0.1 kmとなるため、地平線までの距離は35.7 kmと先ほどの場合と比較してもかなり遠くなり、地平線までの距離は地表からの高さが高くなれば格段に遠くなることが分かる。

 更に地表から200 mの高さの超高層ビルから眺めた時の地平線の距離は50.5 kmとなり、この長さは東京-熱海間のほぼ半分の長さとなる。

 このように地平線までの距離は地表からの高さによって大きく変わり、以下の表のように変化する。

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この表は地表から1,000 mまでの地平線までの距離を示しており、距離が遠くなればなるほど地平線までの距離の変化量は小さくなるが1,000 mの高さから地平線を見ると地平線までの距離は113 kmほどとなる。この長さは東京-熱海間よりも遠く、東京都で地表からの高さが1,000 mの建築物があったならば熱海まで見渡すことが可能であることを意味している(ここで言う高さは標高+建築物の高さのことであるため、建築物の高さが1,000 m無くても良いが東京23区内で地表からの高さが1,000 mの建築物は無い)。

 ちなみに富士山頂から眺めた場合は220 kmほど先まで見渡すことができるもののこの距離は東京-名古屋間よりも短いので思いのほか遠くを見ることは不可能である。

2.2 地球以外の惑星の場合

 ここまでは地球上での地平線の話をしてきたがここからは地球以外の惑星での話をしていきたいと思う。地球以外の惑星は地球と直径が異なるので当然地平線までの距離も地球のものとは異なるが凹凸などの問題もあり、更に赤道方向と極方向で長さが異なる惑星もあるため、以下のような条件で仮定する。

  • 惑星は完全な球体とし、半径は赤道方向で計算する
  • 凹凸は無いものとする

 今回扱う惑星は水星, 金星, 火星 ,木星, 天王星であり、これらの惑星の赤道半径は以下の様になっている。

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 惑星の半径から水星上での地平線までの距離は小さく、木星上では大きくなることが想像できるがどれほど違うのだろうか?

 初めに地表1 mから見た場合について書いて行きたいと思う。地表1 mから見た場合の地平線までの距離は水星の場合は2.2 km、木星の場合は12 km程度と6倍近くも違うことが分かる。この値は両惑星の半径の比の平方根に相当し、これは直径の大きさが地表からの高さと比較すると比べ物にならないほど大きいためであり、地平線までの距離の式(h^2+2hr)^0.5のh^2の項がほぼ無視できるからである。

 しかし、hの値が大きくなるとその限りでは無く、hの影響も出てくるため、段々とhの大きさに比例するようになっていく。

 

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 太陽系の惑星の地平線までの距離は上図のようになっており、段々と変化量は小さくなっているが地表からの高さが大きくなるにつれて地表からの高さの影響が大きくなり、仮に地表からの高さが1億キロメートルの場合は地平線までの距離は大体どの惑星でも1億キロメートル強となる(この場合はもはや地平線とは言えないため、極論となるが)。

 このように地平線までの距離は地表からの距離が短いほど変化量が大きくなるため、日常的に地平線を見る場合は少し高くなるだけで遠くまで見渡すことが可能となる。

 以上、地平線までの距離についてでした。