DS930810のブログ

筆者は自然や自然現象に関心が相当あるので自然に関する記事(天文, 地理, 生物)を書いていきたいと思います。かつては1日2記事を適当な時間に投稿していましたが今のところは午後6時に1記事投稿する形にしています。

ワニは温帯でも生息できるか? 実はかつて日本にも生息しており...

 今回はワニの生息域について書いて行きたいと思う。

目次

1. ワニとは

1.1 ワニの種類

 ワニは現存する爬虫類の中では最も大型の動物であり、大きい種では数メートル級に達することがある。そして、一般的にワニと呼ばれている動物は「ワニ目」に分類されており、ワニ目はアリゲーター科とクロコダイル科の二科しかいないと思われがちである。

 しかし、実際にはワニ目にはアリゲーター科とクロコダイル科以外にもガビアルと呼ばれるワニもおり、ガビアル科はインドに生息しているインドガビアルただ一種だけである。ガビアルはクロコダイルに近縁なワニと考えられており、体長もかなり大きくなるが基本的には魚食性であるため、クロコダイルやアリゲーターのように襲われる心配も無く、今の所、人間がガビアルに襲われたという事例は存在しない。

 ちなみにガビアルは英語表記で書くと「Gavial」であるが実はこの名称は誤って広まったものであり、本来ならばガリアル (Garial)と言う名称が正しかったものの何故かrがvになったものが広まったとも言われている。

 このようにワニ目には三科のワニが属しているがワニの種自体は意外なほど少なく、わずか23種しかいない。

 ここまではワニの種類について書いてきたが次はワニの生物学的な位置づけについて書いて行きたいと思う。

↓ 関連記事

www.rigelultragiant.com

1.2 ワニに近縁な動物

 ワニは哺乳類と比較すると古代に生息しているような外見をしており、まるで図鑑で見るような恐竜のような姿をしている。そのため、ワニは恐竜の生き残りのようにも思えるが実際には恐竜の生き残りではない。

 では、ワニは恐竜と関係が薄いかと言うとそうでは無く、恐竜とは生物学的に見るとかなり近縁であり、よく恐竜と誤解される首長竜と比較しても近縁である。つまり、首長竜を恐竜に分類すると必然的にワニが恐竜として扱われるようになり、これは明らかにおかしいので首長竜は決して恐竜に分類されることは無い。

 そして、恐竜は6550万年前に衝突した直径10 kmの隕石によって絶滅したが現在世界中で生きている鳥類は一部の恐竜の直接的な子孫であるため、鳥類を恐竜として扱う生物学者も珍しくは無く、恐竜は絶滅していないという意見もある。

 しかし、カラスやスズメの様な鳥の外見は明らかに恐竜とは異なっており、外見だけで見ると鳥類よりもワニのほうが明らかに恐竜に近いため、個人的には「鳥類⇒恐竜」と言う考えにはそこまで納得がいくわけでは無い。更に鳥類は恐竜やワニとは違い、体温を維持できる恒温動物であるため、進化の系統的には爬虫類に分類されるが鳥類以外の爬虫類とはあらゆる点で特異であるため、ここでは鳥類を恐竜とは考えないようにする。

 そのため、恐竜は絶滅した動物として見なせる上にワニよりも恐竜に近縁な動物もことごとく絶滅したため、ワニと最も近縁な動物の中で現存している動物は鳥類ということになる。つまり、ワニはヘビや亀のような他の爬虫類よりも恒温動物である鳥類に近縁である。

↓ 関連記事

www.rigelultragiant.com

www.rigelultragiant.com

2. ワニの生息域

2.1 現存するワニの生息域

 ワニは恒温動物である鳥類と最も近縁な動物であるがワニ自体は変温動物であるため気温が低下する地域では活動が不可能である。そのため、ワニは年中気温が低い寒帯では勿論のこと冬になると極端に気温の下がる亜寒帯でも生息していくことは不可能であり、極寒のシベリアにワニを連れて行くと真冬になる前に凍死する。

 このことは他の大型爬虫類にも言え、ニシキヘビのような大蛇も温帯以上には生息しておらず、熱帯, 良くて亜熱帯が上限となる。しかし、そこまで大きくない爬虫類は意外なほど高緯度側に生息しており、冬季になると冬眠することで仮死状態になり、やり過ごすことのできる種も存在する。

 しかし、現存するワニの中では亜寒帯, 及び寒帯に生息するものはおらず、ワニは冬眠する種がいないようにも思えるが実を言うと冬眠するワニも存在する。

 そのワニとはアメリカンアリゲーターであり、アメリカンアリゲーターは現存するアリゲーターの中では最大の種である。アメリカンアリゲーターはその名の通り北アメリカ大陸に生息しているワニであり、主にフロリダやマイアミのような熱帯, または亜熱帯に生息している。しかし、生息域の北限は意外なほど高緯度であり、関東平野南部とほぼ同じ緯度であるノースカロライナ州が北限となっている。

 ノースカロライナ州は緯度だけではなく、気候も関東平野南部と非常に似通っており、降水量がやや少ない点を除けば東京と埼玉の間ぐらいの気候である。しかし、日較差、及び月較差は大陸に位置しているため、関東平野南部と比較すると大きく、一年間の平均最低気温はマイナス10 ℃を下回り、かつてはマイナス20 ℃をも下回ったこともあるほどである。

 そのため、ノースカロライナ州では場合によっては湖が凍結することもあり、この時ワニも凍結に巻き込まれることにある。しかし、ワニは冬眠をすることで乗り切ることもでき、結果として越冬することが可能となるため、ノースカロライナ州でも暮らすことが出来るがこれ以上北に行くとさすがに限界が来るため、ノースカロライナ州が上限となっている。

 また、他の種のワニを含めても生息域で最も高緯度な場所はノースカロライナ州である。先ほども書いたようにノースカロライナ州は関東平野南部と気候が似ており、熱帯でなければ亜熱帯でも無く、温帯であるため、ワニは温帯でも生息できることとなる。しかし、亜寒帯に近い寒冷な温帯ではさすがに暮らしていくことは不可能であるため、日本に当てはめるならば東北地方や北陸地方のような寒冷、または雪の多い温帯では暮らしていくことはできず、良くて関東平野の中北部が限界であると考えられる(ノースカロライナ州は関東平野南部と比較すると年較差は同じぐらいであるが日較差の関係から過酷であるため、多少は上限は伸びると考えられるため)。

↓ 関連記事

www.rigelultragiant.com

2.2 日本に生息していたワニ

 最後に日本に生息していたワニについて書いて行きたいと思う。

 日本の気候は熱帯や亜熱帯と比較すると冬になると気温が下がり、ワニが暮らしていけそうには思えないが種類によっては温帯でも暮らしていけるものもおり、北海道や東北地方, 北陸地方以外ではワニは一応生息していくことが出来る。

 しかし、今現在日本で生息しているワニはおらず、日本はワニと無縁のようにも思えるが実は30~50万年前には日本にもワニは生息していた。そのワニの名称はマチカネワニであり、漢字で書くと待兼鰐と書く。待兼とは大阪にある山(丘?)の名称であり、標高は77 mほどである。当然マチカネワニは待兼山で発見されたワニであり、その大きさは7 mにも達するほど大きく、クロコダイル科に分類されるワニである。

 先ほど書いたアメリカンアリゲーターが当然アリゲーター科のワニであり、クロコダイル科のワニはそこまで高緯度側に生息しているものはおらず、大体熱帯か亜熱帯に生息しているものばかりである。しかし、マチカネワニはクロコダイル科のワニであり、クロコダイル科でも温帯に生息できるものもいることが示唆される。

 しかし、マチカネワニは現在では絶滅しており、日本にはワニは生息していないものの意外なほど高緯度にもワニは生息することが可能であり、日本の環境にもある程度はなじめるのではないかと考えられる。けれども亜寒帯に近い温帯や亜寒帯、及び寒帯にはさすがに生息することはできないのでワニの生息域の上限は関東地方の北部を除いた地域が上限だと考えられる。

 以上、ワニの生息域についてでした。