DS930810のブログ

筆者は自然や自然現象に関心が相当あるので自然に関する記事(天文, 地理, 生物)を書いていきたいと思います。かつては1日2記事を適当な時間に投稿していましたが今のところは午後6時に1記事投稿する形にしています。

全天21恒星から見た太陽の明るさ 実はそこまで明るくは見えない

 今回は全天21恒星から見た太陽の明るさについて書いて行きたいと思う。

目次

1. 全天21恒星の距離と明るさ

1.1 全天21恒星の距離

 全天21恒星とは地球から見た明るさが上位21位までの恒星のことであり、1.5等以上の明るさを有している恒星である。明るい順から行くとシリウス, カノープス, リギルケンタウルス, アルクトゥルス, ベガ, カペラ, リゲル...フォーマルハウト, デネブ, ベクルックス, レグルスの順になっており、1等星では無いがこの後にはアダーラ, カストル, ガクルックス, シャウラの順に続いている。

 そして、これらの恒星は似たような位置にあるわけでは無く地球からの距離は様々であり、最も近いリギルケンタウルスは4.37光年、最も遠いデネブは1,412光年と323倍も距離が違う。

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 地球からの距離は上グラフの通りであり、絶対等級が極めて強いリゲルとデネブは非常に遠くに位置している。そして、アンタレス, ベテルギウス, ハダル, カノープス等のリゲルやデネブほどでは無いが絶対等級の強大な恒星は地球から離れており、反対にシリウスやベガなどの絶対等級が弱い恒星は地球からの距離が近い。

 恒星に限らず光は距離が倍離れると明るさは4分の1、反対に距離が倍近づくと明るさが4倍になるように距離の2乗に反比例しているため、絶対等級が明るい恒星は遠くにいても明るく、反対に暗い恒星は近くに位置しているから明るく見え、これらの恒星の明るさには大差はない。

1.2 全天21恒星の絶対等級

 今度は全天21恒星の絶対等級について書いて行きたいと思う。絶対等級とはその恒星の本来の明るさであり、10パーセク(32.616光年)先から見た明るさを示している。

 例えば地球からの距離が8.6光年のシリウスにとっては32.616光年は遠いため、絶対等級は視等級であるマイナス1.47等から1.42等にまで下がる。反対に地球からの距離が863光年も離れているリゲルは32.616光年先から見ると今とは比較にならに程明るくなり、0.13等からマイナス6.98等にまで上昇する。

 このように遠くに位置していても明るい恒星の絶対等級はマイナスはおろかマイナス5等をも軽々と超えるようになり、可視光でマイナス5等を超えている恒星はカノープス, アンタレス, ベテルギウス, リゲル, デネブの5恒星がある。

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 全天21星の地球から見た明るさと絶対等級は上図のようになっておりシリウスは地球から見た明るさは1位だが絶対等級は17位にランクが下がり、反対にデネブは19位から2位にまでランクが上昇するようになる。

※このデータには以下の注意点がある

  1. 地球からの明るさは恒星の平均的な明るさであり、ベテルギウスなどの赤色超巨星は大幅に明るさが変わるため、これとは違う明るさのデータもある
  2. リギル・ケンタウルスやカペラは連星であるがこれは恒星系全体を示しているため、星単体で見ると地球から見た明るさはリギル・ケンタウルスよりもアルクトゥルスのほうが若干明るく、絶対等級はカペラよりもアルクトゥルスのほうが明るい
  3. 太陽との光度比は有効数値3桁

 以上が全天21星の絶対等級であったが次章ではこれらの恒星から反対に太陽を観測していきたいと思う。

2. 全天21恒星から見た太陽

2.1 暗い恒星 太陽

 これらの恒星の絶対等級は全て太陽を上回っているので当然太陽の明るさはこれらの恒星から観測した時、これらの恒星よりも暗く見える。

 そして、太陽が1等星以上の明るさとして観測できる恒星は実はリギル・ケンタウルスのみであり、リギル・ケンタウルスから太陽を観測するとカシオペア座の方向に見える0.46等星として観測できるがシリウスから見た場合はヘルクレス座の方向に見える1.93等星としてしか観測が出来ない。

 そのため、太陽は他の恒星系から見ても案外暗く、プロキオンから見た場合はもう2等星ですらなく、ベガからの場合に至っては暗い4等星にしかすぎない。地球からの距離が近いことで有名なベガからでも太陽は暗い一恒星にしかすぎず、このことより夜空に輝いている恒星の明るさ、及び距離の遠さが伺える。

 ちなみに太陽の絶対等級は4.83等であるため、太陽が見える最も遠い距離は太陽が6.5等星として観測できる距離、即ち70光年程度であり、これはアルデバランの距離よりも若干遠い程度である。つまり、太陽はアルデバランからだとギリギリ観測できる程度の明るさであり、レグルスからだともはや観測できるほどの明るさを有していないことになる。

2.2 太陽が見える恒星系

 太陽を観測することが出来る恒星系は21恒星系の中で10個あり、意外なほど多くの恒星系から太陽が観測することが可能であることが分かる。そして、これらの恒星系は当然太陽系から70光年以内に位置している恒星系であり、最も近いリギル・ケンタウルスからだと太陽は0.46等星として観測が可能である。

 では、これらの恒星系から太陽を観測した明るさについて書いて行きたいと思う。

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比較的近い恒星から見た太陽の明るさは上の表のようになっているが太陽が明るい恒星として見える恒星系はせいぜいリギル・ケンタウルスとシリウスしか無く、プロキオンやアルタイルからだとそこまで明るくは無く、ベガ以降の場合は暗い恒星としてしか観測が出来なくなる。

2.3 太陽が見えない恒星系

 ここからは太陽が見えないほど遠い恒星系について書いて行きたいと思う。太陽が見えなくなる距離は70光年ほどであるのでこれらの恒星は太陽から70光年以上も離れていることになる。

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 遠方の恒星から見た太陽の明るさは上の表のようになっており、ハダル以上遠い恒星からだと10等星よりも暗くなる。特にこの中でもとりわけ遠いリゲルとデネブからだと太陽の明るさが100倍になっても見えないほどであり、これらの恒星の遠さが伺えると同時にこれほど遠方に位置していても0等星や1等星として見えるリゲルやデネブの明るさに驚かされる。

 そして、全天で2番目に明るいカノープスは地球から見た明るさはマイナス0.72等とマイナス1等星に入っているが反対にカノープスから太陽を観測しても10等級の暗い恒星としてしか観測できず、カノープスと太陽との恒星間の格差に驚かされる。

 一応カノープスやリゲルのように極端な絶対等級を持つ恒星は極まれであり、太陽も全恒星の中ではかなり明るい部類に入っているので悲観的になる必要は特にない。

 このように太陽は夜空で最も明るい恒星から見ると思いのほか暗く、特にリゲルやデネブのように距離が非常に遠い恒星から見ると非常に暗く見え、100倍の明るさでも見えないほどである。

 以上、全天21恒星から見た太陽の明るさについてでした。