DS930810のブログ

筆者は自然や自然現象に関心が相当あるので自然に関する記事(天文, 地理, 生物)を書いていきたいと思います。かつては1日2記事を適当な時間に投稿していましたが今のところは午後6時に1記事投稿する形にしています。

シベリアに近い中国の気候

 今回は中国で最も寒い地域について書いて行きたいと思う。

目次

1. 広大な中国の気候

 中国はアジア最大の国であり、面積, 人口共にアジア最大である。特に人口に至っては世界で最も多く、同時に方言などの違いはあるものの中国語は最も話者の多い言語である。そして、中国は非常に広大である上に緯度も低緯度から高緯度にかけて広がっており、更に地形も非常に多様であるため、熱帯, 乾燥帯, 温帯, 亜寒帯, 寒帯の全ての気候が中国国内にある。

 ここで、この5つの気候の特徴について簡潔に書いて行きたいと思う。

  • 熱帯(A): 寒い時期が無い
  • 乾燥帯(B): 降水量が少なく、森林が形成されない
  • 温帯(C): 暑い夏とそこそこ寒い冬がある
  • 亜寒帯(D): 夏はそこそこ暑いが冬が非常に冷え込む
  • 寒帯(E): 暑い時期が無い 

ここでのアルファベットは赤道から近い順に分布していることを意味しているがこれは全てがその通りになっているわけでは無く以下のような例外もある。

  • 赤道付近でも標高が高いと寒帯になる(アンデス山脈上の都市)
  • 緯度が高くても冬季乾燥型だと乾燥限界が大きくなり、乾燥限界を下回り乾燥帯になる(ウランバートルやウランウデ等のシベリア、またはシベリア付近の都市)
  • 高緯度側の海洋性気候だと冬場の気温があまり下がらないが夏場の気温も上がらなく、年較差の小さい温帯になる(レイキャビク、ウシュアイア)

このような例外もあり、極寒の乾燥帯や赤道付近の寒帯もある。しかし、緯度が高くなると太陽の放射量が下がるため、熱帯は高緯度側には広がらず、亜寒帯は年較差が必要なので赤道付近には決して現れることは無い。

 以上のように緯度だけではなく海洋性、内陸性等の地形の問題もあるため、一概に気候は緯度だけでは決まらず、様々な地形を有する中国には全ての気候が存在する。

 例えば中国内で最も南に位置している海南島は沖ノ鳥島よりも緯度が低く、北部は亜熱帯、そして南部は熱帯気候である。中国で熱帯に属している場所はかなり限定的で、海南島以外に熱帯に属している場所はほぼ無いと言える。

 そして、中国南東部の太平洋に接している地域は温帯ではあるが緯度が低めであるので亜熱帯的な気候をしており、福州市などが亜熱帯気候である。福州市は那覇市と同じぐらいの緯度であるが気温は那覇市と比較すると低く、冬になると意外なほど冷え込む、しかし、それでも最寒月の平均気温は10 ℃を超えており、日本の冬と比較するとかなり高めである。

 更に高緯度側に行くと上海があり、上海も緯度は30度程度と日本の大半の場所よりも低いが冬の気温は意外なほど低く、さいたま市と同等程度にまで冷え込む。上海は中国で最も関東平野に近い気候と言え、年平均気温は若干高い程度である。

 ここまでは中国の海岸沿いについて書いてきたが中国は非常に広大であり、内陸部は世界で最も海から遠い到達不能極があるほどである。中国で最も内陸に位置している所はウイグル自治区であり、ここは海からの水が非常に届きづらく、タクラマカン砂漠は降水がほとんどない。タクラマカン砂漠周辺部は乾燥帯に属しており、アラビア等の亜熱帯高圧帯の及ぶ地域と比較すると緯度が高く、冬の気温がかなり低下する亜寒帯的な気候をしている。

 そして、中国内で最も標高の高いチベット高原は標高が富士山頂以上もあるため、夏の気温も低く、寒帯気候に属している。しかし、これは高緯度の寒帯とは異なり標高が高い結果、気温が低くなっているので寒帯ではなく高山気候に分類されることもある。

 以上が中国の多様な気候であるがまだ中国で最も寒冷な亜寒帯気候については書いていないのでこれは次章で詳しく書いて行きたいと思う。

2. シベリア級の寒冷地

2.1 中国内で極寒の地域

 中国で最も寒い地域はかつて満州国があった地域であり、その地域はシベリア並に気温が低く、実際にシベリアに接している。

 満州国はかつて中国の北東に位置していており、中国国内で最も冷え込む地域である。その気温は氷点下10 ℃を軽々と下回るほどであり、満州内で最も大きな都市であるハルビン(Harbin)の最寒月の平均気温はシベリアの都市であるイルクーツク(Irkutsk)を若干下回るほどである。

 では、ここからはハルビン、及び更に寒い地域について書いて行きたいと思う。

2.2 極寒の大都市、ハルビン

 ハルビンは中国の北東部に位置している大都市であり、人口は1,000万人を超えている。ハルビンは人口が1,000万人を超えている大都市の中では最も気温が低く、ヨーロッパ最大の都市であるモスクワ(Moscow)よりも気温が低い。しかし、ハルビンはモスクワよりもはるかに緯度は低く、旭川よりも若干高い程度であり、パリやロンドンよりかは低い。

 それにもかかわらず気温が圧倒的に低い理由はハルビンが内陸部に位置しているからであり、意外ではあるが夏場の気温は相当上がる。

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ハルビンは冬場の気温は1000万都市とは思えないほど冬場の気温は冷え込むが最暖月の平均気温は22 ℃を超えるので亜寒帯の中でも最も気温の高いDa気候に属している。しかし、これは最暖月の平均気温が高い場合に分類されるため、最寒月の平均気温がマイナス38 ℃を下回りさえしなければこの気候に分類される(マイナス38 ℃を下回れば最寒のDd気候に分類されるが最暖月の平均気温が22 ℃以上のDd気候は無い)。そのため、必ずしもDa気候が暖かいわけでは無く、現にDb気候であるモスクワよりもハルビンのほうが年平均気温は低い。

 また、ハルビンは冬季に乾燥する冬季乾燥型なので気候区はDwaに分類され、冬季に乾燥する型はシベリア東部、及びそれに準ずる気候であるため、ハルビンはシベリア的な気候であると言える。

 このようにハルビンは非常に低い気温であるが中国内には更に気温の低い地域が存在している。

2.3 中国で最北、そして最寒の漠河

 中国で最も北に位置している場所は漠河(ばくが, Mohe)市であり、ロシアの国境と接している。そして、漠河は北緯53度に位置しており、確かに緯度は高いものの極端に高いわけでは無く、ヨーロッパで言うとアイルランドの首都であるダブリンと同じぐらいである。しかし、気温は緯度の割には信じられないほど低く、シベリアと比較してもかなり寒い地域と同じぐらいである。

 漠河の年平均気温はマイナス4.3 ℃とカナダの中でも寒いほうであるイエローナイフと同じぐらいであるが年較差はこちらのほうが大きく、最寒月の平均気温はマイナス30 ℃近くまで下がり、最低気温に至っては平均でもマイナス36 ℃程度にまで下がる。

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漠河の気温は冬に近づくにつれて急激に下がり、これは亜寒帯の中でも特に寒い地域に見られる特徴である。そして、驚くべきことは漠河の緯度がシベリアの主要都市の大半よりも低いことであり、それらの都市は非常に寒いものの漠河と比較するとかなり暖かいほどである。

 そして、漠河の降水量は冬季少雨型であり、これは先ほども書いたようにシベリア高気圧の影響によるものなので漠河の気候はシベリアの気候そのものと言っても過言ではない。

 このように中国国内はかなり広いため、内陸に位置している上に緯度も高い漠河は典型的な内陸性の気候をしており、更に世界最大のユーラシア大陸の東側に位置しているので同緯度の中では最も気温の低い地域となっている。

 以上、中国の極寒地についてでした。

 

参考文献

Harbin Wikipedia 2.1 Climate (ハルビンの雨温図)

https://en.wikipedia.org/wiki/Harbin

Mohe Wikipedia 

https://en.wikipedia.org/wiki/Mohe,_Heilongjiang