DS930810のブログ

筆者は自然や自然現象に関心が相当あるので自然に関する記事(天文, 地理, 生物)を書いていきたいと思います。かつては1日2記事を適当な時間に投稿していましたが今のところは午後6時に1記事投稿する形にしています。

重力が影響する圧力

  今回は重力が影響する圧力について書いて行きたいと思う。

目次

1. 圧力とは

 圧力とは単位面積当たりにかかる力の大きさであり、ここでは多くの物理量が登場し、以下の物理量が登場する。

  • 質量 (m): 物体の動かしづらさを表す物理量 単位: kg
  • 速度 (v): 単位時間(/s)当たりに進む距離 単位: m/s
  • 加速度 (a): 単位時間(/s)当たりの速度の変化量 単位: m/s^2
  • 力 (F): 質量を有する物体を加速させる物理量 単位: N
  • 圧力 (P): 単位面積にかかる力の大きさ 単位: Pa

これらが圧力に関係する物理量であり、力の単位であるニュートン(N)と圧力の単位であるパスカル(P)は以下のように表わすこともできる。

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 ここでは質量mの物体が面積Sの緑色の面全体に均等に力がかかっている状態であり、質量と加速度の積が力であるためニュートン (N)は上図の式のように表わされ、更にパスカル (Pa)は力を面積で割った値なのでニュートンからメートルの二乗を割った値となる。

 ここで、実際に数値を当てはめて考えたいと思う。質量が3 kgの物体が2 ㎡のゆかにかかる力を求めていきたいと思うが加速度は重力加速度を用いるため、9.8 m/s^2である。この式から床にかかる力を計算すると[3 kg×9.8 m/s^2 = 29.4 N]となる。そして、床の面積は2 ㎡より床にかかる圧力の大きさは[29.4 N ÷ 2 ㎡ = 14.7 Pa]となる。

 これが圧力の求め方であるが1 Paは1 ㎡当たりに1 Nの力がかかる大きさであり、地球上では1 Nは102 gの物体が下方向にかける力と大体等しく、これが1 ㎡というかなり広い面積にかかっているため、1 Paの大きさはかなり小さいことが伺える。

 しかし、この大きさが大きくなると当然圧力の大きさも増えていき、1気圧の大きさは相当なものとなる。このことについては次章で詳しく話していきたいと思う。

2. 重力に影響する圧力

2.1 大気圧

 初めに大気圧について書いて行きたいと思う。大気圧は地表にかかっている大気が及ぼす圧力のことであり、大体1013 hPaである。hPaのhは100倍を表すヘクト(hecto)のことであり、hPaとはPaの100倍を示している。つまり、大気圧の大きさは10.13万Paとかなり大きく、これは大気の質量と重力加速度の大きさの積によって定まっている。

 しかし、重力加速度の大きさは地球の重心との距離によって決まるため、地球の重心、即ち地球の中心(厳密には少し異なるが)と離れれば離れるほどその大きさは小さくなる。けれども大気は地球の表面付近に大半があるので実質表面重力の大きさと等しく、9.8 m/s^2の加速度が大気全体にかかっていると見なすことが出来る。

 では、ここからは地球の大気圧について考えていきたいと思う。地表の大気圧は1.013×10^5 Paであるため、単位面積(1 ㎡)あたりに1.013×10^5 Nもの力がかかっている。地球の重力加速度は9.8 m/s^2であるので単位面積にある大気の質量はこの力を重力加速度で割った値となるので大体10.34 tと非常に大きな値となる。

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1 ㎡当たりだと大きさが大きいのでここでは手のひらサイズで考えていきたいと思う。手のひらの面積はおよそ150 ㎠であり、これを㎡に換算すると0.015 ㎡となるので手のひらにかかる力の大きさは1.013×10^5 N/㎡ × 0.015 ㎡ = 1519.5 Nとなる。そして、この値を重力加速度で割ると手のひらにかかる大気の質量が算出され、その値はおよそ155 kgとなる。つまり、大気圧の大きさは手のひらにドラえもんを乗せた力よりも大きく、相当な大きさであることが分かる。

 このように大気圧は感覚的には感じていないようにも見えるが実際には非常に大きな力がかかっており、2気圧を体験したいならば手のひらにドラえもんの体重以上のものを加える必要があり、気圧の大きさを実感することが出来る。

 ここまでは地球上での大気圧の大きさについて書いてきたが他の惑星の場合はどの様になるかについて簡単に書いて行きたいと思う。大気圧は大気の質量と重力加速度に影響し、当然ではあるが重力加速度が小さければ大気の質量が同じでも大気圧は小さくなる。例えば火星は地球の38%の重力しか無いので地球と同じ大気量でも大気圧は38%となり、これはエベレストの山頂を若干上回る程度しかない。そのため、火星で地球と同じ大気圧にする場合は地球の2.63倍もの大気の量が必要となり、火星に移住する大きな課題の一つとなっている。

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このように火星で1気圧を再現するには非常に多くの大気が必要となる。

2.2 水圧

 次に水圧について書いて行きたいと思う。水圧は水中にかかる圧力のことであり、上部にある水の質量が圧力の原因となるので深く潜れば潜るほど水圧は大きくなる。そのため、地球の深海の水圧は非常に大きくなっている。そして、この水圧の大きさについて図を書いて説明していきたいと思う。

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水圧の大きさは最終的に面積で割るため、式に面積が出てくることは無く、液体の密度と水面からの高さ、及び重力加速度の積となる。つまり、水圧の大きさは以下のように言える。

  • 密度が大きいほど強い
  • 深いほど強い
  • 重力加速度が大きいほど強い

 そのため、密度の小さい淡水よりも密度の大きい海水のほうが同じ深さでも水圧は大きく、淡水であるバイカル湖の水圧よりも海水の水圧のほうが同じ深さでも大きい。

 また、重力加速度の小さい惑星の場合は当然地球と同じ深さでも水圧の大きさは小さくなり、火星の場合は大気圧と同じく2.63倍の深さでようやく地球の水圧と等しくなる。

 ちなみに水の質量は大気の質量と比較すると非常に大きく、海水の密度は1.03 g/㎤と言われているのでここから1気圧分の水圧がかかる深さを求めていくと地球の重力加速度が9.8 m/s^2であるため、10 mを若干超える程度になる。

 更に常温で最も密度の高い水銀について求めていきたいと思う。水銀の密度は13.6 g/㎤とかなり大きいので大気圧と同じになる高さも76 cmとかなり低くなる。そしてこの単位は圧力の単位にも用いられており、76 cm、即ち760 mmは1気圧に等しく、水銀1 mmの高さを単位としたmmHgはこの値の760分の1であるので「1気圧=760 mmHg」として換算されている。

 以上が重力の影響する圧力であり、火星は重力が小さいので同じ圧力でもより多くの質量が必要となる。