DS930810のブログ

筆者は自然や自然現象に関心が相当あるので自然に関する記事(天文, 地理, 生物)を書いていきたいと思います。かつては1日2記事を適当な時間に投稿していましたが今のところは午後6時に1記事投稿する形にしています。

液体が気体になった時の影響

 今回は液体が気体になった時の影響について書いて行きたいと思う。

目次

1. 液体と気体

 液体は一定の体積は持っているが形状が定まっていない状態のことであり、一般的に温度を下げると固体に、反対に上げると気体となる。また、温度だけではなく圧力も関係しており、圧力が大気圧の時に液体にならない物質も存在する。

 そのような物質として有名なものに二酸化炭素があり、二酸化炭素はマイナス78.2 ℃よりも低温になると固体、即ちドライアイスとなるがマイナス78.2 ℃を超えると液体ではなくいきなり気体となり、この変化のことを昇華と呼ぶ。しかし、二酸化炭素の液体が無いかというとそうでは無く、圧力を上げた時は二酸化炭素も液体となり、密閉した容器にドライアイスを入れ、放置すると液体の状態の二酸化炭素を見ることが出来る。

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 上図が二酸化炭素の状態図であり、状態図とは圧力と温度によって物体がどのような状態になっているかを示す図である。二酸化炭素は1 atm (atmとは大気圧を表す単位であり、1 atm = 1.013×10^5 Paである)の状態ではマイナス78.2 ℃を境に固体が気体、またはその逆になるだけであり、液体になることは決して無い。

 しかし、5.2 atm以上の場合だと液体になることができ、5.2 atmの状態であるとマイナス56.6 ℃で二酸化炭素は液体と化し、温度を上昇させるとやがて気体となる。

 このように液体は圧力によっては取らない状態も出てくるようになり、水も圧力をかなり下げると液体になることは無く、その圧力は大気圧の165分の1程度とかなり小さいものである。

 また、気体は液体とは違い、容器で閉じ込めない限り体積を持つことは無く、その理由は気体が自由自在に運動をしているからである。気体は思った以上に高速で跳びまわっており、気体を容器で閉じ込めると気体は外に逃れられなくなるため体積を有することになる。

 気体を容器に閉じ込めると気体が容器の壁に衝突するようになり、1分子の気体だと威力は無いに等しいものの気体の量は非常に多く、また速度も非常に速いため1秒間に信じられないほどの数の気体が相当な回数衝突するようになるため感じられるほどの圧力が生じることとなる。

 そして、気体は温度を上げれば上げるほど速度が速くなるため高温だとエネルギー量が増えるため、同じ圧力下であると体積が増え、同じ体積下だと圧力が増えるようになる。

 ここまでは液体、及び気体について簡単に説明してきたがここからは液体が気体になった際の影響について書いて行きたいと思う。

 

2. 液体が気体になった時

2.1 液体が気体になった時の体積の膨張

 ここからは液体が気体と化した場合について書いて行きたいと思う。液体は体積を持っているが形状は定まっておらず、気体の場合は体積と言う概念すらない。

 しかし、気体は容器に閉じ込めている時は体積を持つようになり、液体を形状を変えられる容器 (風船など, まあ容器と言えるかどうかは分からないがここでは容器として扱う)に入れ、気体にすると大気圧と同じ圧力で膨らむようになる。

 では、ある一定の量の水を入れた風船を熱で風船が破れないと仮定し、全て水蒸気にした場合はどうなるのだろうか?

ここでの条件は水は18 g (1 mol)、温度は100 ℃、膨らました時の圧力を1気圧と置く。そして、気体は理想気体 (気体の体積がゼロ、気体どうしに分子間力が働かない状態)と仮定すると以下のような法則が成り立つ。

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これは気体の状態方程式と呼ばれ、物質量のmolとはその分子が6.02×10^23 個ある状態のことであり、絶対温度はセルシウス(℃)に273.15を足した値となり、絶対零度を0 Kとしている。

 では、この式に先ほどの条件を当てはめていきたいと思う。水の分子量は18であり、ここでの水の質量は18 gであるのでn = 1 mol, 圧力は大気圧と等しいためP = 1.013×10^5 Pa, 温度は水の沸点なのでT = 373.15 Kとなる。そして、ここから体積を求めると0.030627252 ㎥、およそ30.6 Lとなるが当然風船の限界体積はこれよりもずっと小さいのでたがたが18 gの水程度でも全てが気体となると風船は間違いなく破裂する。

 つまり、液体が大気圧下で気体となるとかなり少ない量でも非常に大きな体積を占めるようになり、かなり少ない量でも風船を破裂させるに至るようになる。そして、この体積を小さくするには状態方程式から

  • 圧力を大きくする
  • 温度を低くする

様にすればよく、例えば圧力が大きな金星 (92気圧)で水18 gを全て液体にしたとしても金星の表面温度の高さを打ち消すほどに体積は小さくなる。その大きさはどれほどかというと0.657 L程度であり、これだと風船が破裂することはまずありえない (金星の過酷な環境に耐えられそうには無いが...)。

 反対に圧力が小さい火星の場合は抑える圧力が無くなるため、反対に体積はかなり大きくなる。

 また、内部の圧力が外部の圧力に等しくなる理由は以下の図のようになるからである

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外部の圧力が1気圧の場合は内部からも1気圧で外側に押さなければならず、内部からの圧力が小さいと外気圧に潰され、反対に内部からの圧力が大きいと破裂する。このことは蓋を閉めたペットボトルにも言え、1気圧の場合は形状が保てるが水圧のかかる海に沈めると外部からの圧力が高くなり、ペットボトルは潰されるようになる。

 しかし、形状が変わらないぐらい硬い箱の場合は内部の圧力は外部の圧力が強くなっても一定であるため、深海に沈めると当然外部から強力な力がかかるようになる。この例としては潜水艇があり、潜水艇の場合は内部の圧力を1気圧にしないと乗組員が潰されるようになるため、内部の圧力は1気圧にしなければならない。例えばしんかい6500の場合は6500 mの深海の圧力まで耐えられるため、数百気圧にも耐えることができ、大変頑丈であることが伺える。

 このように形状が変化する容器の場合は内部の圧力は外気圧に影響し、圧力が大きければ大きいほど体積は小さくなる。

2.2 液体が気体になった時の温度変化

 最後に液体が気体になった時の温度の変化について書いて行きたいと思う。水が水蒸気になる時、イメージから周りの温度が高くなるようにも思えるがそれは水を水蒸気にする際の熱源によるものであり、実を言うと液体が気体になる時は周りの温度は下がる。その理由は液体が気体になるためにはエネルギーが必要であり、同じ温度の水と水蒸気でも持っているエネルギーの量は異なり、エネルギー順に並べると「気体>液体>固体」の順になる。

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固体から液体、液体から気体になるにはエネルギーが必要であり、周辺部はその分のエネルギーを失うため温度は下がるようになる。

 このことを応用した例としては打ち水があり、打ち水をすると液体(水)が気体(水蒸気)となり、このことで周辺部のエネルギーが水を気化するために用いられるために温度が下がるようになる。

 このように液体が気体になる時には体積が大きく膨張し、更に周辺部からエネルギーを吸収するようになるため周辺部の温度が下がるようになる。

 以上、液体が気体になった時の変化についてでした。