DS930810のブログ

筆者は自然や自然現象に関心が相当あるので自然に関する記事(天文, 地理, 生物)を書いていきたいと思います。かつては1日2記事を適当な時間に投稿していましたが今のところは午後6時に1記事投稿する形にしています。

わし座の主星 アルタイル

 今回はアルタイルについて書いて行きたいと思う。

目次

1. アルタイルとは

 アルタイル(Altair)は恒星の一つであり、日本では彦星として知られている。そして、アルタイルは地球から見るとかなり明るい部類に入っており、0.77等星として観測できる。また、アルタイルは夏の大三角形の恒星の一つとしても有名であり、夏の代表的な星の一つに含まれ、夏の恒星の中ではベガに次いで明るいほどである。

 しかし、明るい星ではあるが全天21恒星(1.5等よりも明るい恒星)のなかではそこまで明るい星とは言えず、12番目の明るさである。アルタイルよりも明るい恒星はシリウス, カノープス, リギル・ケンタウルス, アルクトゥルス, ベガ, カペラ, リゲル, プロキオン, ベテルギウス, アケルナル, ハダルであり、これらの恒星の中で日本から見えるものは7個であるのでアルタイルは日本から見える中では8番目に明るい恒星である(カノープスは日本から観測できるがすれすれであるので本来の明るさでは見えず、仙台辺りまで北上すると見えなくなる)。

 そのため、アルタイルは思ったほど明るい恒星とは言えず、全天で最も明るい部類の恒星(シリウス, ベガ, リゲル等)と比較すると幾分か暗い恒星である。しかし、それでもやはり明るい恒星であることには変わらず、逆に少し暗いことがどの恒星がアルタイルであるかを分かりやすくしているとも言える。それは夏の大三角形の恒星がその構成であるかを見分けることにおいて重要であり、ベガは明るい恒星, デネブは暗い恒星, そしてアルタイルは中くらいの明るさとなっているため見間違えることが無いことである。

2. アルタイルのデータ

 先ほどまではアルタイルの地球から見た明るさについて書いてきたがここからはアルタイルの実際の明るさとデータについて書いて行きたいと思う。

 アルタイルは地球から見た明るさが0.77等と明るい部類に入っており、最も有名な星となっているが実際に明るさ、即ち絶対等級はどうなっているのだろうか?

 明るい恒星は大きく分けると2つに分類でき、シリウスやプロキオンのように距離が近いから明るいものとカノープスやリゲルのように距離が相当遠いが恒星自体が極端に明るいため明るく見えるものの2つに分けられる。前者の距離は10光年前後と非常に近距離にあり、後者はカノープスが309光年、リゲルに至っては863光年と非常に遠くに位置しており、距離を感じさせないほどの明るさがあることが分かる。

では、アルタイルはどちらの分類に入るのだろうか?

 その答えは地球からの距離が近いから明るく見えるほうに入り、アルタイルは地球からの距離がわずか16.7光年しか離れていない。16.7光年は全恒星の中では非常に近い部類に入っており、アルタイルよりも近い恒星は肉眼で観測できる恒星の中ではリギル・ケンタウルス, シリウス, エリダヌス座ε星, プロキオン, 白鳥座61番星, インディアン座ε星, くじら座τ星, エリダヌス座ο2星, へびつかい座70番星しか無く、これ以外の恒星は全てアルタイルよりも遠くに位置している。

 そのため、アルタイルは実際の明るさは大して明るくないが距離が近いから明るく見えるだけであり、全天21恒星の中ではリギル・ケンタウルス, プロキオンに次いで絶対等級が弱く、その明るさは太陽の10.7倍程度である。10.7倍と聞くとかなり明るいようにも見えるが肉眼で観測できる恒星は非常に明るいものが多く、例えば北極星は太陽の2,400倍程度、カノープスは15,000倍程度、リゲルに至っては53,000倍も明るくこれらの恒星と比較すると非常に暗い。

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アルタイルは地球からの距離が16.7光年と近いため、全天でもかなり目立つ星として観測できる。しかし、カノープスやリゲルは地球からの距離が非常に離れているにもかかわらず、アルタイルよりも余裕で明るく、これらの恒星は先ほども書いたように極端に絶対等級が強い。仮にカノープスやリゲルをアルタイルの位置に置くと金星の明るさを余裕で超えるほどとなり、反対にアルタイルをこれらの恒星の位置に置いたら肉眼では観測できないほど暗くなる。

 また、アルタイルは自転速度が242 km/sと太陽の100倍以上も速く、そのためアルタイルの赤道部分は極部分と比較すると膨らんでおり、アルタイルは楕円状となっている。楕円状となっている恒星は自転の早い恒星に見られ、アルタイル以外にはベガやレグルスなどが有名であり、これらの恒星はアルタイル以上に自転速度が速い。

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太陽はほぼ球状に対してアルタイルは楕円形をしており、縦方向の直径は横方向と比較するとかなり小さくなっている。また、アルタイルは太陽と比較するとかなり直径が大きく、体積だけで見るとシリウスを上回っているが絶対等級はシリウスの半分を若干下回る程度しか無く、ベガと比較すると4分の1にも満たない。

 そして、アルタイルは太陽と比較すると表面温度が高く、スペクトル型がA7型の主系列星(太陽のように中心核で水素の核融合を行うことで輝く若い恒星)であるため、表面温度は8,000 K程度と高温で青白い恒星として観測できる。

 ちなみにアルタイルを太陽の位置に置いたら地球は灼熱地獄となり、火星も非常に高温となるが木星の位置ではエネルギー量が足りず、大体小惑星帯よりも少し外側がちょうどよい環境となる。

3. アルタイルの明るさ

 ここからは余談となるがアルタイルと他の恒星を比較していきたいと思う。

 アルタイルは先ほども書いたように肉眼で明るく見える恒星の中では非常に暗い部類に入り、1等星以上の恒星の中ではリギル・ケンタウルスとプロキオンに次いで暗いほどである。また、実はアルタイルよりも暗い2等星は存在せず、最も暗い2等星であるデネボラでさえアルタイルよりも明るく、絶対等級は1.93等ほどとアルタイルの1.3倍ほどもある。そのため、アルタイルは肉眼で見ると比較的明るい恒星(2等星以上)の中でも3番目に暗く、「アルタイル=暗い恒星」であることは変わりないがこれは肉眼で見える恒星に限った話であり、アルタイルレベルの恒星は上位1%以上に入っていると言われているほどである。

 つまり、アルタイルは暗い恒星ではなく、肉眼で観測できる恒星が明るすぎるだけであり、アルタイルも全恒星の中では非常に明るい部類に入ることとなる(逆に言うと2等星以上の恒星は全てが上位1%以上に入っていることとなる)。

 以上、アルタイルについてでした。