DS930810のブログ

筆者は自然や自然現象に関心が相当あるので自然に関する記事(天文, 地理, 生物)を書いていきたいと思います。かつては1日2記事を適当な時間に投稿していましたが今のところは午後6時に1記事投稿する形にしています。

シベリアのパリ, イルクーツク パリと緯度はそこまで変わらないが...

 今回はシベリアの都市、イルクーツクについて書いて行きたいと思う。

目次

1. イルクーツクとは

 イルクーツク(Irkutsk)はロシア連邦内のイルクーツク州に属している都市であり、同州内の州都であると同時に州最大の都市でもある。

 そして、イルクーツクの名前は近くを流れるイルクート(Irkut)川に町を意味するスク(-sk)を合わせた名称に由来するので「イルクート川沿いにある街」と言った意味であると解釈される。

 また、この街の人口は60万人程度であるので大体鳥取県の人口と同じ程度であり、ロシアの都市の中でもかなり多いほうでもある。

 更に景観がフランスのパリと似ているのでイルクーツクは通称「シベリアのパリ」とも呼ばれており、実際にパリに似た景観を有する街であるが人口はパリと比較するとかなり少ない。

 ここで、イルクーツクはシベリアのパリと呼ばれていると書いたがこの通称より当然シベリアに属しており、シベリアと言うと冬になると極端に寒くなる極寒の地として有名である。

 当然、イルクーツクも冬場になると日本では信じられないぐらいに気温が下がり、最低気温がマイナス20 ℃になることが当たり前となり、過去にはマイナス50 ℃近くにまで気温が低下したことさえもある。

 では、ここからはイルクーツクと本物のパリとの比較、イルクーツクの周辺部について書いて行きたいと思う。

2. 極寒のイルクーツク

 イルクーツクはシベリアを代表する都市であり、シベリアの中では比較的南に位置しているがその寒さは非常に過酷なものとなっている。

 その一方でシベリアではなく本物のパリの場合はそこまで気温が低くはならず、冬場になっても関東平野の中南部程度の気温にしか低下せず、緯度の割にはかなり温暖な気候となっている。

 では、下の表にシベリアのパリと本物のパリの比較をしていきたいと思う。

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 このようにイルクーツクとパリでは気候は全く異なり、イルクーツクは冬に降水量が少なく、そして極端に気温が低くなる亜寒帯冬季少雨気候に属しているがパリの場合は冬の気温は低くはならず、降水量にも偏りが無い西岸海洋性気候となっている。そして、これほど気候が異なるにもかかわらず緯度は極端に違う訳でもなく、イルクーツクのほうが若干北寄りにある程度である。

 では、何故これほどまでに気候が異なるのだろうか?

その答えは海との位置関係の違いに由来している。パリの場合はすぐ近くに大西洋が面しており、大西洋は暖流であるメキシコ湾海流が流れているため、ヨーロッパは多くの地域で北海道よりも緯度が高いにもかかわらず冬場の気温が非常に高くなる傾向となっている。そのため、パリは緯度の割には気温が非常に高くなっており、更に偏西風の影響がヨーロッパの中では非常に大きいため、同緯度の地域の中でもそれが顕著となっている。

 その一方でイルクーツクは海との距離が極端に遠い所に位置しており、大西洋とは5,000 km以上、最も近い海との距離でさえ1,800 km程度も離れており、世界で最も内陸に位置している都市の一つである。それゆえにイルクーツクは典型的な大陸性の気候となっているため、冬場の気温が極端に低くなっており、ヨーロッパの北極圏と比較してもかなり低い。

 そして、実際に両者の気温と降水量を比較していきたいと思う。f:id:DS930810:20180803003404j:plain

 イルクーツクとパリでは夏の気温は大差が無いが冬に近づくにつれて、イルクーツクのほうは急激に気温が低下するがパリの場合は低下が緩やかである。

 また、降水量に関してはイルクーツクの場合は降水量の少ないシベリアに位置しているにもかかわらず夏場はかなり多くなっており、最も降水が多い月の7月は100 mm以上もある。しかし、冬はシベリア高気圧の影響でかなり降水量が少なくなっており、最も少ない2月ではわずか8 mm程度しか降らない(亜寒帯は冬場が極寒であるため、空気中に水分をほとんど含め無くなるため降水量が非常に少ないことが普通であるが東シベリアは高気圧の影響が非常に大きいのでそれがより顕著となっている)。

 その一方で、パリは偏西風の影響が非常に大きく、偏西風は一年中吹いているため、降水量に偏りが無く、これは中緯度以上のヨーロッパの沿岸部全体に言える気候である(低緯度のヨーロッパは夏場に亜熱帯高圧帯の影響を受けるため、夏の降水量が極端に少ない地中海性気候となる)。

 このようにパリとイルクーツクは緯度に関してはそこまで変わらないにもかかわらず内陸性、西岸海洋性と気候が全く異なるため、降水量、冬の気温が全く異なるのである。

3. イルクーツクの周辺

 最後にイルクーツクの周辺に何があるか、どのような都市があるかについて書いて行きたいと思う。

 イルクーツクはイルクーツク州に属している都市であり、イルクーツク州の面積は日本の面積の倍程度と非常に広大である。そして、イルクーツク州にはイルクーツク以外にも都市はあり、その中でもアンガルスク(Angarsk), ブラーツク(Bratsk)の2つがかなり大きな都市である。

 アンガルスクはイルクーツクのすぐ近くにある都市であり、人口は26万人程度と比較的多く、イルクーツク州の中ではイルクーツクに次いで多い。

 また、もう一つの都市であるブラーツクの人口はアンガルスクよりも若干少ない程度であり、ここにはブラーツクダムと呼ばれる巨大なダムが存在しており、大規模な水力発電がおこなわれている。

 そして、イルクーツクは以外ではあるがモンゴルの国境近くに位置している街であり、モンゴルの首都であるウランバートルとは直線距離だと東京-岡山程度しか離れていない。東京-岡山間と聞くとかなり遠いようにも見えるが広大なユーラシアから見ると非常に近く、ロシアの国土からすると目と鼻の先とは言えないもののそれに準ずるほどの近さである。

 また、距離の近さのおかげかウランバートルとイルクーツクは姉妹都市の関係となっており、距離だけではなく友好度もかなり高いものとなっている。そして、イルクーツクはウランバートルだけではなく金沢市とも姉妹都市の関係となっており、イルクーツク市内には「金沢通り」と呼ばれる通りもあり、そこには日本語の解説も書かれているほどである。

 更にイルクーツクはヨーロッパの町並みであるがバイカル湖を挟んだ対岸側に位置しているロシア連邦を構成しているブリヤート共和国(Buryat Republic)の首都ウラン・ウデ(Ulan Ude)はアジア風の街並みとなっており、イルクーツクとはかなり異なっている。

 ちなみにウランバートルはウラン・ウデとも姉妹都市の関係になっているがイルクーツクとウラン・ウデは姉妹都市との関係ではない。

 ここまではイルクーツクの周辺都市について書いてきたがイルクーツクの近辺には3つの世界一(深さ, 透明度, 古さ)を持つバイカル湖があることが最も有名であると言っても過言ではなく、バイカル湖を訪れる際はイルクーツクかウラン・ウデから行くことが一般的となっている。

↓ バイカル湖の記事

www.rigelultragiant.com

 以上、イルクーツクについてでした。

 

参考文献

Paris wikipedia 3.1 Climate (パリのデータ)

https://en.wikipedia.org/wiki/Paris

Irkutsk wikipedia 3.1 Climate (イルクーツクのデータ)

https://en.wikipedia.org/wiki/Irkutsk