DS930810のブログ

筆者は自然や自然現象に関心が相当あるので自然に関する記事(天文, 地理, 生物)を書いていきたいと思います。かつては1日2記事を適当な時間に投稿していましたが今のところは午後6時に1記事投稿する形にしています。

北陸に雪が多い理由 理由は海が暖かいから!?

今回は北陸地方で雪が多い理由について書いて行きたいと思う。

 

1. 北陸地方の気候

 北陸地方とは中部地方の中で日本海側に面している地域のことであり、新潟県, 富山県, 石川県, 福井県のことを一般的には指す。そして、北陸地方は冬になると降雪量が極めて大きくなることで有名であり、意外かもしれないが世界有数の豪雪地帯となっている。そのため、北陸地方は夏場に特に降水量が少ないわけでは無いが冬場になると極めて降水量が大きくなり、特に上越市では最も降水量が多い月の降水量が夏場の少ない月の3倍以上もあるので一見すると夏場に降水量が少ない地中海性気候に分類されるようにも見える。しかし、地中海性気候は夏場になると亜熱帯高圧帯の影響で降水量が極めて少なくなる気候であり、冬場に降水量が多くなる気候では無いので上越市の気候とは異なる。そのため上越市は夏場に降水が少ないs型(夏季少雨型)ではなくf型(年中湿潤型)に分類され、地中海性気候の最小降水月の降水量が30 mm以下という条件は北陸地方があるからこその条件とも言える(言うまでも無いが上越市の最小降水月は30 mmを優に超えている)。

 

 ここまでは降水量について書いてきたがここからは気温について書いて行きたいと思う。北陸地方は豪雪地帯と言われるほどなので気温も非常に低く、一見寒冷地(寒帯, 及び亜寒帯のこと)のようにも見える。確かに北陸地方の冬は雪が多く積もっており、この景色はシベリアやカナダのような亜寒帯地方の光景と非常によく似ているため、北陸地方は亜寒帯気候のようにも思える。しかし、実際には北陸地方は亜寒帯気候ではなく、温帯気候に分類されており、その上大半の地域は亜寒帯とはとても言えないほど冬場の気温が高い。例えば新潟市の最寒月の平均気温は2.8 ℃、富山市は2.5 ℃、金沢市は3.8 ℃、そして福井市は3.1 ℃といずれの場合においても亜寒帯の上限であるマイナス3 ℃を軽々と上回っており、亜寒帯に近いとさえ言えないほどである。その上夏場になると気温が熱帯並みに上昇するので正直な所若干冬場の気温が低い東京都としか言えないほどである。

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 新潟市の気温はグラフにしてみると分かるように冬場の気温が若干横浜よりも低い程度であり、札幌市(亜寒帯)と比較するとかなり高いことが分かる。しかも札幌市は亜寒帯の中では最も気温が高いほうであるため、シベリアに置き換えると若干寒い春や秋程度の気温にしかすぎない。

 

 次に新潟市の降水量について書いて行きたいと思う。新潟市は降水量が冬場になると非常に多くなることで有名だが実際に冬場の降水量が関東平野と比較すると3倍程度も多く、年中湿潤な気候である。

 ここで亜寒帯気候の例を出していきたいと思う。亜寒帯気候の代表としてはカナダにあるイエローナイフ(Yellowknife)をここでは取り上げていく。イエローナイフはカナダの北緯62.17度に位置している内陸都市であり、冬場になるとマイナス30 ℃は当たり前になるほどの極寒の地域である。また、イエローナイフは亜寒帯特有のタイガ(針葉樹林)地域であり、冬にはタイガに雪が積もっている光景が見られる。このように見てみるとイエローナイフも冬場に降水量が多いから雪が降り積もっているようにも見えるが実際には違う。

 では、ここから新潟市とイエローナイフの降水量を記載していく。

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新潟とイエローナイフでは上のグラフのように降水量が全くと言っても良いほど異なり、イエローナイフの降水量がかなり小さいことが分かる。その理由はイエローナイフがあまりにも寒すぎるからであり、水蒸気は寒くなればなるほど空気中に含まれる量が劇的に少なくなるので結果として降水量は少なくなる。そのため、極寒の地は豪雪地帯となることは無く、豪雪地帯となる地域は気温の比較的高い亜寒帯かある程度気温の低い温帯のみに限る。

 

 では、何故イエローナイフやヤクーツクのような極寒の亜寒帯地域の景色には雪が多いのだろうか?その理由は雪が多く降るからではなく雪が解けないからであり、実際にこれらの地域の気温は氷点下30~50 ℃程度と水の融点を大きく下回っている。そのため、降雪は少なくても解けることが無いので降り積もる一方となり、雪が解け始める春まで待たなければ雪景色が無くなることが無い。

 その一方で新潟の場合は雪が解けるような気温であっても降雪量が極めて大きいのでどんどん降り積もっていくようになり、亜寒帯と似たような景色となる。

 つまり、極寒の地域では降る量は少ないが消えることが無く、北陸では消えるぐらいの温度であってもどんどん供給され続けるので最終的な景色は似てくるのである。

 

 

 

2. 北陸地方で雪が多い理由

 ここまでは北陸地方(新潟市)の気温と降水量について書いてきたがここからは雪が多い理由について書いて行きたいと思う。

 北陸地方で雪が多い理由は日本海から湿った空気が入ってくるからであり、この空気は日本海側で大雪を降らせた後、山を越えて関東平野に入ってくる。この時、関東平野に入ってくる風は非常に乾燥しており、関東平野の冬の降水量は少なくなるがごく一部を除いて乾季と言えるほど降水量が少なくなるわけでは無いので関東平野も年中湿潤型に分類される(高崎市は冬季の降水量が夏季の10分の1以下になるので乾季と言え、気候は冬季少雨型Cwaに分類される)。

 そして、日本海側から湿った空気が入ってくるとここでは書いたがこの湿った空気はどこから来るのだろうか?

 答えはシベリアの内陸部から来るものであり、そこでは高気圧が発達している。高気圧はバイカル湖あたりを中心としたものであり、シベリア高気圧と呼ばれている。シベリア高気圧は極めて寒冷であるため、空気が重くなり、そのことで気圧が高くなることで発生し、この高気圧からの風が大陸を超え、日本に入ってくる。そのため、日本の冬は同緯度の大陸西岸部と比較するとかなり寒くなっており、地中海沿岸の北緯35度の地域では冬場の平均気温が10 ℃を下回らない亜熱帯地域となっているが東京では普通に10 ℃を下回っている。

 

 シベリア高気圧は大陸側から日本にやってくるがその間には日本海を通らなければならず、大陸と日本列島の間には暖流である対馬海流が流れており、このことで空気が暖められ、日本海から大量の水が空気中に含まれるようになる。そのため、この水分を多量に含んだ空気が北陸地方に入ることで大雪がもたらされるようになる。

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なので北陸地方が大雪な理由は寒い空ではなくむしろ暖かいからであり、気温が数度上がるだけでこの大雪が大雨に代わってしまうほどである。つまり、地球温暖化が進むと北陸地方の大雪は大雨となることを意味しており、これはこれで大災害になると思われる。

 

 ちなみにユーラシア側は北陸地方とは裏腹に冬場になると非常に降水量が少ない地域であり、その降水量は関東地方の冬場の降水量と比較してもかなり小さい。更にシベリア高気圧からの寒冷の風をもろに受ける地域であるので非常に寒くなるため日本海を超えたユーラシア大陸の気候は亜寒帯となっており、降水量の少なさと合わせて亜寒帯冬季州気候(Dw)となっている。そのため、大陸側の朝鮮半島は緯度の割には極めて寒冷となっており、北朝鮮の首都である平壌(Pyongyang)では最低気温がマイナス10 ℃を下回ることが当たり前となっており、緯度が25度ほど高いレイキャビク(Reykjavik)よりも冬場の気温が低くなっている。

 そして、更に北側にあるロシアのウラジオストク(Vladivostok)では冬場の平均気温が日本のどの地域よりも低くなっており、同緯度の札幌と比較しても非常に低い。

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ウラジオストクは夏場の降水量は亜寒帯の割にはかなり多いが冬場になるとシベリア高気圧の影響で非常に少なくなる。また、気温は同緯度の札幌と比較すると夏場は若干低く、冬場になるとシベリア高気圧の影響で非常に寒冷となり、日本では考えられないような気候となる。そのため、ウラジオストクは

  • 冬場に乾燥する(最小降水月の降水量が最大降水月の10分の1以下である)
  • 最暖月の平均気温が10~22 ℃であり、10 ℃以上の月が4カ月以上ある
  • 最寒月の平均気温がマイナス3 ℃を切っている
  • 乾燥限界を上回っている(年降水量が378 mm以上)

の条件を満たしているので気候はDwbに分類される。

 

 このように新潟県が豪雪地帯となる理由はシベリアからの乾燥した極寒の風が日本海の暖流によって暖められることで水分を多く含んだ風となるからである。そのため、北陸地方は亜寒帯のように雪が多く積もった風景となるがもし、日本海に暖流ではなく寒流が流れていたら降雪量は今よりも格段に少なくなり、更に本当の亜寒帯となっているのではないかと考えられる。

 

 以上、北陸に雪が多い理由についてでした。

 

 

 

 

参照記事

横浜市 気温

https://ja.wikipedia.org/wiki/横浜市#気候

 新潟市 気温 降水量

https://ja.wikipedia.org/wiki/新潟市

札幌市 気温

https://ja.wikipedia.org/wiki/札幌市

イエローナイフ 降水量

https://ja.wikipedia.org/wiki/イエローナイフ

ウラジオストク 雨温図

https://ja.wikipedia.org/wiki/ウラジオストク#気候