DS930810のブログ

筆者は自然や自然現象に関心が相当あるので自然に関する記事(天文, 地理, 生物)を書いていきたいと思います。かつては1日2記事を適当な時間に投稿していましたが今のところは午後6時に1記事投稿する形にしています。

中央アジアの砂漠国 トルクメニスタン

 今回はトルクメニスタンについて書いて行きたいと思う。

目次

1. トルクメニスタンとは

 トルクメニスタン(Turkmenistan)と聞くとあまりなじみのない国のように思えるが緯度的に見ると東京から北海道の南端当たりに位置しており、日本と似たような緯度に位置している国である。そして、トルクメニスタンは中央アジアに位置しており、中央アジアと聞くとあまりイメージがしずらいがアジアの中ではかなり西側に位置しており、中東(西アジア)の北東寄りに位置している。

 中央アジアにはカザフスタン, ウズベキスタン, キルギス(キルギスタン), タジキスタン, トルクメニスタンが含まれており、これらの国に共通することとしては全て語尾にスタン(-stan)が入っていることである。スタンとは「国」を意味する単語であり、トルクメニスタンはトルクメン人の国と言う意味であり、これらの国以外にはパキスタンやアフガニスタンも語尾がスタンで終わっており、これらの国も中央アジア寄りの国である。

 また、中央アジアは地理的に見ると非常に内陸に位置しているために海とは遠く、亜熱帯地域よりも北側に位置しているものの降水量が少ない乾燥帯となっており、砂漠が広がっている。例えば今回紹介するトルクメニスタンは国土の85%がカラクム砂漠(Karakum)に覆われており、非常に乾燥した地域ではあるが先ほども書いたように緯度は比較的高く、関東から北海道の南部程度であるのでアラビアやサハラのように亜熱帯高圧帯の影響を直に受けることは無く、夏場に若干影響を受ける程度に過ぎない。しかし、緯度は亜熱帯地域と比較すると高いものの暖温帯から冷温帯程度とそこまで高くは無いので夏場の気温は東京などと比較するとかなり高めとなっている。

 そして、トルクメニスタンの面積は488,100 ㎢と日本よりも広大ではあるが国土の85%がカラクム砂漠に覆われており、居住には適していないので人口は520万人程度と日本の24分の1程度と非常に少なく、人口密度は10.7人/㎢程度となっている(1)。このようにトルクメニスタンは日本と比較すると緯度的には大差はないものの海洋から非常に遠い内陸国であり、西側にカスピ海がある程度なので降水量が少なく、全体的に乾燥した地域であるので人口はかなり少ないものとなっている。

 ちなみにトルクメニスタンの国旗は下に示した通りである(2)。

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この国旗は緑の背景の上の左側にじゅうたん模様が5つも書いており、中央上にトルコの国旗と似た月と星が描かれたものとなっている。そして、このじゅうたん模様が非常に複雑なものであるため、スリランカやブータンの国旗を抑えて世界一複雑な国旗と言われているほどである。

2. 首都アシガバート

 ここまではトルクメニスタンについて書いてきたがここからは首都について書いて行きたいと思う。トルクメニスタンの首都はアシガバート(Ashgabat)であり、アシガバード(Ashgabad)と呼ばれることもある。アシガバートは北緯37度58分, 東経58度20分に位置しており、緯度的に見ると新潟市とほぼ同等である。また、アシガバートの気候は以下の雨温図のようになっている(3)。

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 アシガバートの年平均気温は16.6 ℃と緯度に対してやや高めであり、夏場の気温が東京と比較するとかなり高くなる傾向がある。特に最も気温が高い7月の平均気温は30 ℃を超え、この気温はシンガポールの気温を上回り、亜熱帯砂漠の気温に匹敵するほどである。そして、7月の最高気温は40 ℃を超えることが頻繁にあり、この理由はアシガバートがそこまで緯度が高くない砂漠に位置している上に夏場に乾燥するタイプの気候だからである。

 アシガバートは緯度的に見ると新潟市程度と決して高くは無いので夏場になると上昇してきた亜熱帯高圧帯の影響を受け、もともと内陸部に位置していることと合わせて非常に乾燥するようになるため砂漠と化す。そのため、夏場の気温は非常に高くなり、世界で最も高温な地域の一つとなるが冬場になると気温はかなり低くなる。

 最も気温が低い1月の平均気温は2.5 ℃とそこまで低くはないものの日格差は激しく、最低気温が氷点下になることは当たり前であり、過去にはマイナス20 ℃を下回ったことさえもある。以上のことよりアシガバートは砂漠特有の年較差の大きさが激しい気候であり、降水量の少なさと合わせて非常に住みずらい所ではあるがここで気候について調べていきたいと思う。

 アシガバートの降水型は夏季に降水量が少なくなる夏季少雨型であるので乾燥限界の判定は最も甘いタイプのものとなり、年平均気温を20倍したものとなる。アシガバートの年平均気温は16.6 ℃であるので乾燥限界は332 mmとなり、アシガバートの合計降水量は227 mmであるため、乾燥限界は下回ってはいるものの半分以上であるのでステップ気候(BS)となり、更に年平均気温が18 ℃を下回っているため、低温ステップ気候(BSk)となる。以上のことよりアシガバートは乾燥はしているものの乾燥限界の半分以上の降水量があるので砂漠気候(BW)ではなく、ステップ気候(BS)に分類される。

3. 地獄の門

 最後にトルクメニスタンの観光地?について書いて行きたいと思う。

 トルクメニスタンは国土の85%が砂漠に覆われているが同時に天然ガスが豊富な国であり、大量の天然ガスが埋まっている国でもある。そして、今から50年近く前の1971年に天然ガスを採掘するためにダルヴァザ(Darvaza)という村でボーリング調査が行われた(4)。ダルヴァザはカラクム砂漠の中央にある村であり、首都のアシガバートと比較するとかなり乾燥し、おそらく砂漠気候に分類されている。ダルヴァザには豊富な天然ガスが埋蔵されているのでボーリング調査を行った所、突然落盤事故が発生し、直径100メートルほどの穴が開いた。そこで、有毒ガスの発生を食い止めるために点火した所、これが仇となり、豊富な天然ガスが埋蔵されていたために穴全体が燃え上がるようになり、以後47年間も天然ガスがひたすら燃え上がる事態にまで発展し、今日まで至っている。そして、その光景はまるで地獄のようなものとなっているため、この燃え盛る穴はいつしか「地獄の門」と呼ばれるようになり、天然ガスが底を尽きるまで燃え続けると考えられる。

 もし、この豊富な天然ガスが利用できたならば莫大なエネルギーが利用可能となったが逆にこの豊富さが消えることの無い火炎と化したことは何とも皮肉な話である。

 また、この光景は非常に目を見張るものとなっているため、今日では観光地にもなっており、この話も非常に皮肉なものとなっている。今後いつ消えるか分からない火炎は今日も観光地として注目を浴びており、今から数十年、場合によっては百年以上の間、観光地として注目されるであろう。

 ある意味ではこの穴はトルクメニスタンで最も注目されているものであり、知名度を上げた要因となっているので、もしこの穴が無ければトルクメニスタンの知名度は今よりも低くなっていたと考えられる(筆者もこの穴のおかげでトルクメニスタンと言う国を知ることとなった)。

 このようにトルクメニスタンはおかしな意味で知名度があり、今回この国の記事を書いた理由もこの地獄の門(と非常に複雑な国旗)があるからである。

 以上、トルクメニスタンについてでした。

 

参考文献

1) トルクメニスタンの面積と人口

https://ja.wikipedia.org/wiki/トルクメニスタン

2)トルクメニスタンの国旗 

https://ja.wikipedia.org/wiki/トルクメニスタン#/media/File:Flag_of_Turkmenistan.svg

3)アシガバートの雨温図

https://ja.wikipedia.org/wiki/アシガバート

4)地獄の門、ダルヴァザ

https://ja.wikipedia.org/wiki/ダルヴァザ#地獄の門