DS930810のブログ

筆者は自然や自然現象に関心が相当あるので自然に関する記事(天文, 地理, 生物)を書いていきたいと思います。かつては1日2記事を適当な時間に投稿していましたが今のところは午後6時に1記事投稿する形にしています。

電気分解とイオン化傾向の関係

今回は電気分解について書いて行きたいと思う。

 

1. 電気分解とは

電気分解は化合物に電圧をかけることで、陰極で還元反応(電子を受け取る反応)、陽極で酸化反応(電子を手放す反応)が起こることで化合物を分解する方法である。

例えば水の電気分解では以下のような反応が起こっている。

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水の電気分解では正極側で電子を手放す酸化反応が起き、水が酸素と水素イオンに分解され、負極側では電子を受け取る還元反応が起き、水が水素と水酸化物イオンに分解される反応が起きている。

そして、これらの反応を合計した全反応では水分子が酸素分子と水素分子に分解される反応が起きており、このことから電気分解と呼ばれている。

 

電気分解は電子の受け取りにより起こる酸化還元反応により生じるものであり、イオン化傾向が大きく関係している。

イオン化傾向とはイオンになりやすさを表す指標であり、例えば銅は銀よりもイオン化し易く、銀イオンを含む水溶液に銅金属を入れると銅がイオンとなることで溶解し、代わりに銀が銅金属の周りに析出するようになる。

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銅は銀と比較するとイオンになりやすい傾向があるため、銀イオンを含む水溶液に銅金属を入れると銀は銅から電子を受け取り金属化し、逆に銅は銀に電子を受け渡すことでイオンとなる。

このイオン化傾向が電気分解には大きくかかわっており、次章ではこのイオン化傾向と電気分解の関係性について書いて行きたいと思う。

 

 

 

2. イオン化傾向の影響とハロゲンの有無

イオン化傾向はイオンのなりやすさの指標であり、なりやすい順から

Li K > Ca  Na  Mg > Al > Zn > Fe > Ni > Sn >Pb > H > Cu > Hg > Ag > Pt > Au

の順になっている。

ここで重要なのは水素(H)よりもなりやすいかなりづらいかであり、水素よりもなりづらいものとしては銅(Cu), 水銀(Hg), 銀(Ag), 白金(Pt), 金(Au)があり、これらのイオンを水溶液中に含む場合はこれらのイオンが電子を受け取ることで陰極に析出するようになる。

 

また、ハロゲン原子(フッ素, 塩素, 臭素, ヨウ素)の陰イオンを含む場合はこれらのイオンが酸化されることによりハロゲン分子が陽極から発生するようになる。

例えば塩化銅を電気分解すると以下のような反応が起こる。

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塩化銅は塩化物イオンと銅イオンから成るイオン化合物であり、銅は水素よりもイオンになりづらいため水溶液中の水が分解され水素になるのではなく銅イオンが銅金属となり、正極では塩化物イオンの電子が失われ塩素となる。

 

また、塩化マグネシウムの場合だとマグネシウムは水素よりもイオン化し易いため水素が優先的に発生し、マグネシウムは析出しないが正極では塩素が発生するようになる。

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この反応では正極からは塩素が発生するが負極からは水素が発生し、負極からは水酸化物イオンも発生するのでこれがマグネシウムと結合して水酸化マグネシウムが生成することとなる。

※全反応はマグネシウムイオンも含めて2H2O + 2MgCl → H2 + Cl2 + 2Mg(OH)2と書かれる

 

そして、硝酸銅の電気分解では正極では陰イオンである硝酸イオンは反応しないので水が反応することで酸素が発生し、陰極では銅イオンが存在するので銅が還元されることで銅が析出することとなる。

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この反応では正極で酸素、負極で銅が析出し、水素イオンも生じるため反応に関わりの無かった硝酸イオンを含めると硝酸が生じることとなり、酸性が強くなっていく。

※全反応は硝酸イオンも含めて2H2O + 2Cu(NO3)2 → O2 + 2Cu + 4HNO3と書かれる

 

 

 

3. 陽極が溶解する電気分解

最後に陽極が分解する電気分解について書いて行きたいと思う。

電気分解は電子移動反応により起こる化学反応であるが中には陽極が溶解する反応がある。

陽極が溶解する電気分解は陽極に銀を含めた銀よりもイオン化傾向が大きな金属、つまり白金と金以外の電極、及び炭素以外の電極を用いた場合である。

例えば陽極と陰極に銅を用いた電気分解を行った場合などの時であり、ここでは硫酸銅水溶液の電気分解について書いて行きたいと思う。

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硫酸銅の電気分解を銅極を用いて行うと正極側では銅が溶解し負極側では析出することとなる。

この反応は陽極と陰極の銅の移動に関しての反応であり、反応を続けていくと陽極の銅はやがて全てが銅イオンとなり水溶液中に分散し、陰極の銅はどんどん析出していくこととなる。

 

当然ではあるがこの反応は銀以上にイオン化傾向が小さな金属を用いた時に起こるので例えば銀極を用い、溶液に硝酸銀を用いた場合は陽極の銀が溶解し、負極に銀が析出するようになる。

しかし、ナトリウム以上にイオン化傾向が大きな場合は金属自体が溶解することとなるのでこの電気分解を行うことは不可能である。

 

 

 

以上が電気分解となるが電気分解は金属のイオン化傾向が大きくかかわっており、イオン化傾向が小さな金属の場合だと陰極に金属の単体を析出させることが可能となり、ハロゲンイオンを含む場合は陽極にハロゲンの単体を析出させることも可能となる。

 

以上、電気分解についてでした。