DS930810のブログ

筆者は自然や自然現象に関心が相当あるので自然に関する記事(天文, 地理, 生物)を書いていきたいと思います。かつては1日2記事を適当な時間に投稿していましたが今のところは午後6時に1記事投稿する形にしています。

110年前の隕石爆発 ツングースカ

久しぶりではありますが記事を書いて行きたいと思います。

今回は今から110年前に起きた隕石の衝突であるツングースカ隕石について書いて行きたいと思います。

 

1. ツングースカ爆発

1908年6月30日、シベリアのエヴェンキ(Evenki)自治区、現クラスノヤルスク(Krasnoyarsk)地方の奥地で隕石と見られる大爆発が発生した。

この際、爆心地から30 km四方のタイガ(Taiga, 亜寒帯地方の針葉樹)が放射状になぎ倒され、焼け焦げる事態が発生し、東京都に匹敵する面積が焼け焦げる事態となった。

もし、この爆発が東京都の上空で発生したならば東京都は壊滅し、日本の歴史は悪いほうに偏っていったことは想像するのに難くなく、ヨーロッパに落ちたならば更に世界が混乱することとなったが幸いにも死者は報告されなかった。

それもそのはずであり、爆心地は北緯60度55分, 東経101度75分と中央シベリアの中央部の無人地帯に位置しており、この位置と最も近い居住地は65 kmほど南にあるヴァナヴァラ(Vanavara)という村であり、人口が無い地域であったからである。

そのおかげで被害はそこまで大きくなることは無かったが爆発の威力はすさまじく、現に爆心地から30 km以内のタイガはなぎ倒されることとなった。

 

では、その爆発の原因となった隕石の大きさはどれほどであり、威力はどのぐらいすさまじかったのだろうか?

隕石の大きさは直径50 mほどと推測されており、この大きさは都市圏を壊滅させるには十分なほどの大きさである。

そして、これほどの大きさの隕石が音速の数十倍の速度で衝突するため、エネルギーは凄まじいこととなり、一説には広島型原子爆弾の2,000 倍の大きさに及んだと考えられている。

エネルギーは質量に比例し、速度の二乗に比例するため、隕石の速度が速いほど威力は二次関数的に増えるようになり、小さな隕石でさえ非常に強力なエネルギーとなることが分かる。

例えば質量が1 gの隕石が秒速20 km/sで降ってきた場合のエネルギー量は20万ジュールにも及び、このエネルギーは1.5トンの自動車が秒速16.33 m/s(時速59 km)で衝突した際のエネルギーに匹敵する。

更に隕石の大きさは小さいので単位面積当たりにかかるエネルギー量は非常に強く、もしこれ程度の隕石が当たると軽々と人体を貫通することとなる。

 

そして、ツングースカ隕石は直径が50 mもあるので質量も非常に大きく、更に速度も非常に速いためエネルギー量は先ほども書いたように広島型原子爆弾の2,000倍となり、エネルギーは1.1×10^17 Jにも及ぶ。

このエネルギーはマグニチュードに換算すると8.16にも及び、東日本大震災(9.0)と比較すると小さいものの阪神淡路大震災(7.3)と比較するとかなり大きく、隕石によるエネルギーの大きさがうかがえる。

 

また、近年同じシベリアのチェリャビンスク(Chelyabinsk)で隕石が空中爆発を起こし、負傷者が多数出たがこちらの隕石は直径が17 m程度とツングースカのものと比較すると小さかったものの威力はすさまじく、ガラスが衝撃波により破損する事態となった。

そして、幸いにも死者は出なかったものの、もし隕石の大きさがツングースカのものと同等であったならば多くの犠牲者が出ることとなり、隕石による犠牲者が数多く出る大惨事になっていたであろう。

チェリャビンスクの場合は隕石の大きさは小さかったものの都市で発生したという点は大きく、隕石が都市に被害をもたらした例としては唯一とも言え、しかもこれが2013年と非常に最近に発生したことであるので隕石の被害は決して空想の話では無いことが伺える。

まあ、これほどの隕石は100年に1度程度であるため今後100年は起きる可能性は低いものの地球の歴史から見ると決して低いものではないので安心はできない。

 

 

 

2. ツングースカ爆心地付近の気候

ここまではツングースカ隕石の威力について書いてきたがここからは爆心地付近の気候について書いて行きたいと思う。

ツングースカ爆発が起きた場所は村ではなく、僻地であったので犠牲者は出たという報告は無かったものの65 km離れた所にはヴァナヴァラと言う村がある。

この村の人口は2010年の時点で3,153人と非常に少ないもののシベリアの村としてはそこそこ多く、最も寒いことで知られるサハ共和国のオイミャコン(Oymyakon)と比較すると3倍以上も居住している。

そして、当然ではあるがシベリアの高緯度地域の内陸部に位置しているので気温は非常に低く、最も冷え込みが強い1月には日平均気温がマイナス30℃近くにまで下がり、最低気温に至っては平均でマイナス35℃程となる。

f:id:DS930810:20180630161323j:plain

ヴァナヴァラは亜寒帯気候であるため、夏場になると気温がそこそこ上がり、隕石が落ちた時は夏であったので気温は比較的高めではあったものの冬場になると先ほども書いたように極寒地獄と化し、氷点下の日が半年以上も続くこととなる。

このような気候はシベリア全体に広がっており、シベリアでは北東部に行けば行くほど寒くなる傾向があるため、最寒月の平均気温はほぼ同緯度で東側に位置しているヤクーツク(Yakutsk)ではより気温が低く(マイナス39.5℃)、西側に位置しているサンクトペテルブルク(Sankt-Peterburg)では、マイナス5.5℃と非常に高くなっている。

そして、亜寒帯地域ではタイガと呼ばれる針葉樹林が広がっており、ツングースカ爆心地もタイガの森林地帯となっており、隕石の爆発により半径30 km程度の被害が発生した。

 

このようにツングースカ爆心地は冬場になると極寒の地となるが夏場になると気温が比較的上昇するようになるため南極のような殺風景な地域となることは無く、広大なタイガが広がる森林地帯となるのである。

その分被害も大きくなったが...

 

 

 

結論を言うとツングースカ爆発によりタイガに対しては多大な被害が発生したが人工が無い所であったため、都市壊滅のような状況にはならず、チェリャビンスクの場合は都市で爆発が発生したものの隕石の大きさがそこまで大きくなかったので死者が出ることは無かったため被害は最小限に抑えられたものの巨大な隕石が都市圏で爆発, または衝突したら多数の死者により都市壊滅の危険性も起こりゆるので隕石の対策は行わなければならず、最近では核爆弾による対策も考えられているほどである。

以上、ツングースカ爆発の威力と爆心地の気候についてでした。

 

 

 

参照文献

ヴァナヴァラの雨温図と人口

https://en.wikipedia.org/wiki/Vanavara_(rural_locality)