DS930810のブログ

筆者は自然や自然現象に関心が相当あるので自然に関する記事(天文, 地理, 生物)を書いていきたいと思います。かつては1日2記事を適当な時間に投稿していましたが今のところは午後6時に1記事投稿する形にしています。

最も強力な恒星 アルニラム

今回はアルニラムについて書いて行きたいと思う。

アルニラム(Alnilam)はオリオン座の三ツ星の中心にある天体であり、非常に強大な恒星であるものの今まで個別記事を作成してこなかったので今回はアルニラムについての記事を作成していきたいと思う。

 

1. アルニラムとは

アルニラムはオリオン座の三ツ星の中心、つまりオリオン座の中心にある恒星であり、地球から見た明るさは29番目である。

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この明るさは2等星の中でもかなり明るい部類に入っており、2等星の中ではアダーラ, カストル, ガクルックス, シャウラ, ベラトリックス, エルナト, ミアプラキドゥスに次ぐほどである。

ここまで書くと単純に地球から見た明るさが明るいだけの恒星に見え、他に特徴が無いようにも見えるがこの恒星の特徴は地球からの距離が非常に遠く、更に絶対等級が極端に明るい所にある。

アルニラムは地球からは1,977光年も離れており、この距離は2.5等星以内の恒星の中ではアルドラ(Aludra, おおいぬ座η星)に次ぐ遠さであり、そのアルドラとも大差がないほどである(アルドラは1,988光年)。

そして、地球から見た明るさは1.70等であり、この明るさはアルドラ(2.45等)のちょうど倍の明るさである。

ここで少し話がそれるがアルドラも非常に明るい恒星であり、絶対等級は可視光だけでマイナス6.47等にも及び、リゲルほどでは無いが極端に明るい部類に入る。

けれどもアルニラムはアルドラとは比較にならないほど明るい恒星であり、絶対等級はマイナス7.22等とマイナス7等をも軽々と超えており、この明るさは太陽の66,000倍にも及ぶ。

 

また、この明るさは可視光だけの明るさであるため、アルニラムの全エネルギー量はこの明るさを軽々と上回っている。

アルニラムは非常に表面温度の高い恒星であり、その表面温度は27,000 K程度と非常に高く、太陽の5倍近くにも及ぶ。

そして、表面温度が高ければ高いほど可視光の割合は小さくなっていき、可視不可能な紫外線領域に移るのでアルニラムのように非常に表面温度の高い恒星は紫外線が中心となっているため可視光での光はほんの一部となる。

しかし、アルニラムの可視光は非常に強烈であり、地球から5,000光年以内にある恒星の中でアルニラムよりも明るい恒星は一切存在しないため、アルニラムの総合的なエネルギー量は元々計り知れないほど明るい可視光を大きく上回ることになる。

そのエネルギー量は不明ではあるが太陽の数十万倍であることを想像することは難くなく、絶対等級はマイナス9等をも上回っていると推測されている。

当然この明るさは全恒星の中ではトップクラスであり、明るいことで有名なリゲルやデネブとも比較にならないほどである。

 

しかし、リゲルやデネブとは共通点の大きい恒星であり、特にリゲルとは同じ星座にあるため、今後はリゲルと話を絡めていきたいと思う。

 

 

 

2. 白鳥座α型変光星

ここからはリゲルやデネブとの共通点について書いて行きたいと思う。

リゲルやデネブは地球から見た明るさも非常に明るく、絶対等級も極端に強いことで有名である。

リゲルはスペクトル型がB8型, つまり表面温度が12,000 K程度の恒星であり、デネブはA2型であるので表面温度は9,000 K程度である。

この表面温度は太陽と比較するとかなり高めではあるがアルニラムと比較するとかなり低く、更に可視光での絶対等級もアルニラムを下回っている。

具体的に書くとリゲルはマイナス6.98等, デネブはマイナス6.93等であり、この明るさは極端に明るいもののアルニラムの明るさを下回っており、更に表面温度も低いため、総合的なエネルギー量ともなると更に開きは大きくなる。

そのため、リゲルやデネブはアルニラムと比較すると大したことの無い天体のようにも思えるが実はこれらの恒星はアルニラムと共通点がある。

 

その共通点とは恒星自体の明るさが変わる変光のタイプが同じということであり、いずれの恒星も白鳥座α星型と呼ばれるタイプのものに属している。

白鳥座αとはデネブのことであり、デネブは白鳥座の中で最も明るい恒星であるのでこのように呼ばれている(α星は星座中で最も明るい恒星のことを指すが例外も数多くあり、例えばリゲルはオリオン座の中で最も明るい恒星であるが二番目のβ星である)。

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白鳥座α型の恒星は上図のように非常に明るい恒星ばかりで占められており、スペクトル型はB,Aタイプ(表面温度が高い順から2番目と3番目, おおよそ7,500~30,000 K)である。

また、これらの恒星に共通することであるがスペクトル型がⅠaタイプの恒星ばかりで占められており、このⅠa型とは非常に明るい超巨星であることを意味しており、白鳥座α型はいずれもこれに属している。

 

ちなみに以下の恒星は白鳥座α型であるかどうかは不明であり、あまり規則性が見られない恒星ではあるが記載しておく。

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ナオスは不明であるが他の恒星はⅠa型であるため白鳥座α型の条件に当てはまっている。

また、表面温度が非常に高いナオスはやや浮いてはいるものの他の恒星は比較的低めではあるが白鳥座α型として見ることが出来そうな表面温度である(他のデータを見るとこれらの恒星は不規則変光星に分類されていることが多く、白鳥座α型も不規則変光星と大して変わらないので実際に見分けることは容易では無いが)。

 

このようにリゲルやデネブではアルニラムとは明るさがかけ離れているが同じ変光星であるので共通性はあるもののアルニラムクラスともなると超新星後にはブラックホールと化す可能性が高い(リゲルやデネブでは足りない)。

 

 

 

3. アルニラムから他の恒星を観測すると

アルニラムは地球との距離が1,977光年も離れているので地球から見た光景とは全く異なる夜空が見えることとなる。

当然太陽は暗い恒星であるため観測不可能であるが地球から見た明るい恒星の中にはアルニラムから見ても非常に明るいものも存在する。

 

アルニラムから見て明るい恒星はオリオン座ι星, うさぎ座α星, リゲル, おおいぬ座δ星, おおいぬ座η星(アルドラ)などがあり、これらの恒星は1等星以上の恒星として観測可能である(アルドラは光度が明るくなった時に1等星として観測でき、暗くなった時は2等星となるが)。

そして、これらの恒星は言うまでも無いがいずれも非常に明るい恒星であり、可視光だけでもマイナス6.5等級以上の恒星ばかりである(アルドラは明るくなった時のみマイナス6.5等を超えるが)。

 

ちなみにオリオン座の三ツ星仲間であるアルニタクやミンタカは地球寄りであるため、そこまで明るい恒星としては観測できず、アルニラムの距離の遠さが伺える。

また、太陽の明るさは13.74等程度と非常に暗く、100倍明るくなったとしても余裕で観測できないほどである。

 

以上、アルニラムについてでした。

 

参照記事ですwww.rigelultragiant.com

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