DS930810のブログ

筆者は自然や自然現象に関心が相当あるので自然に関する記事(天文, 地理, 生物)を書いていきたいと思います。かつては1日2記事を適当な時間に投稿していましたが今のところは午後6時に1記事投稿する形にしています。

オーロラが最も見える都市 イエローナイフ

 今回はオーロラが非常に観測しやすいイエローナイフについて書いて行きたいと思う。

目次

1. イエローナイフとは

 イエローナイフ(Yellow Knife)はカナダ中央北部の人口が20,000人程度の都市であり、北緯62度27分とかなり緯度は高いものの北極圏よりかは南に位置している。そして、イエローナイフは世界で最もオーロラが観測しやすい都市として有名であり、その理由は磁北極(磁石のN極が向く方向)からちょうどよい位置にあるためであり、その位置はオーロラベルトと呼ばれている。オーロラベルトはイエローナイフ以外にはアイスランドのレイキャビクも属しており、レイキャビクはイエローナイフよりも緯度が若干高いものの暖流の影響から最寒月が非常に暖かい(当然東京よりかは寒いが札幌よりかは暖かい)ので寒さが苦手な場合はこちらのほうがお勧めできます。

 ここまでは北半球のオーロラベルトについて書いてきたが当然南半球にもオーロラベルトは存在する。しかし、南半球は南極大陸以外は陸地が少なく、オーロラベルトは南半球の都市にはかかっていないため、南半球の都市ででオーロラを観測することは不可能と言っても過言ではない。そのため、実質北半球のみでしか都市部ではオーロラの観測はできないと言っても過言ではない。

 以上がオーロラの観測地点について書いてきたがここからはイエローナイフの気候について書いて行きたいと思う。イエローナイフは亜寒帯気候に属しているので針葉雨林が広がっており、夏場の気温はそこそこ上がるものの冬場の気温は日本ではありえないほどに低くなる。どれほど低くなるかというと最寒月である1月には日平均気温がマイナス25.6℃にまで低下し、場合によってはマイナス50℃をも下回る場合さえもある。

 そのため、興味本位で冬場のイエローナイフに行くと最悪の場合凍死する恐れもあるので行くことは進められないがこれはシベリアとカナダの亜寒帯地域の共通点とも言える。

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イエローナイフは平均気温が10℃を上回る月があるため、寒帯ではなく亜寒帯に分類されているが冬場の気温は極端に寒く、年平均気温もマイナス4.3℃しかない。そして、イエローナイフは亜寒帯湿潤気候のなかで2番目に低温である気候のDfcに分類されている。f:id:DS930810:20180520194732j:plain

イエローナイフは乾燥限界よりも降水が多く、更に降水に偏りが無いので年中湿潤型に分類される。また、最暖月の平均気温がそこそこ上がり、最寒月の平均気温は極端に低くなるため亜寒帯に分類される。そして、10℃以上の月が3カ月しか無いが最寒月の平均気温がマイナス38℃以上であるため、亜寒帯の中でもc型に分類される故にイエローナイフの気候はDfc型となる。

 このようにイエローナイフは典型的な亜寒帯気候であり、冬の冷え込みが激しく年較差の大きな気候であるがこの理由はイエローナイフが内陸部にあるからである。イエローナイフはカナダの中央北部にあるため、海からの距離が遠く熱しやすく冷めやすい気候となっている。そのため、イエローナイフよりも若干緯度が高いが海からの距離が近く、更に付近に暖流が流れているレイキャビクと比較すると気温の違いは一目瞭然である。

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レイキャビクは最暖月が10℃を若干ではあるが超えているかつ最寒月がマイナス3℃を下回っていないので温帯(西岸海洋性気候, Cfc)に分類される(降水は十分にある)。そして、最暖月はイエローナイフよりも若干低いものの最寒月はイエローナイフとは比較にならないほど高く、レイキャビクの気温の高さがうかがえる。ちなみにレイキャビクの年平均気温は4.7℃, イエローナイフはマイナス4.3℃であるので年平均気温でもイエローナイフのほうが9℃も低い。

 以上のことよりイエローナイフの寒さが分かったが今度はイエローナイフの周辺にある湖について書いて行きたいと思う。

2. グレートスレーブ湖

 グレートスレーブ湖(Great Slave Lake)はイエローナイフの近くに位置している湖であると同時に世界で最も大きな湖の一つである。グレートスレーブ湖は30,000 ㎢近くのめんせきを有している淡水湖であり、世界の湖の中では10番目に面積が広い。そして、寒冷地に位置しているので冬季になると湖が全面凍結を起こす。

 全面凍結する湖で有名なものとしてはバイカル湖があるがこちらはバイカル湖よりも緯度が高く、幾分か気温も低いので(バイカル湖周辺のイルクーツクの年平均気温は1.0℃程度に対してイエローナイフはマイナス4.3℃)凍結する期間も長い。更にグレートスレーブ湖の北部には更に広く寒冷なグレートベア湖(Great Bear Lake)があり、こちらは北極線を挟んでいるため凍結期間も更に長くなっているがまだ周辺部は亜寒帯気候であるため、夏場になると短い期間であるが融解する。そして、これらの湖は共に氷河湖に属しており(バイカル湖は断層湖)、元々は一つの巨大な湖であったと考えられている。

3. オーロラは夏でも見える

 オーロラは冬場にしか見えないイメージがあるが実際には冬場だけではなく夏場でも観測することが出来る。では、何故冬場にしか観測できないイメージがあるかというとオーロラが観測できる地域の緯度はかなり高緯度なので夏場の夜の期間は短く、昼間であると太陽の光が邪魔をするからである。そして、冬場になると夜の時間が非常に長くなるため必然的にオーロラが見れる可能性が高くなり、「オーロラ=冬に観測できるもの」のイメージが強くなる。そのため、オーロラは冬にしか観測できないイメージが持たれがちであるが実際には夏場でも観測することが可能であり、イエローナイフの緯度は北極圏よりかは低いので非常に短い期間であるが夜も存在する(太陽の屈折の関係上、夏至付近になると完全な夜は無くなるが)。

 更にイエローナイフは亜寒帯であるので夏場の気温は高くなり、東京の春と同等にまで上昇するので凍死する心配も無く、夏場に行くと安全にオーロラを観測することが可能となる(日格差は大きいので夜になると思いのほか冷えるのでその点には注意したほうが良い)。しかし、夏至近くになると完全に暗くなる夜が無くなり、真夜中でも太陽の光がうっすらと見えるのでできれば気温がまだ高く、夜の時間も若干伸びる7,8月ぐらいが最も最適な期間となる。

 以上のことよりイエローナイフでは夏場でもオーロラが観測でき、気温も比較的高くなるので夏場に行くほうが良いと個人的には思う。冬場の気温がそこまで寒くない温暖湿潤気候で暮らす日本人が本格的な亜寒帯(札幌とは比にならない)に行くと寒さに耐えられず、どれほど寒いかというと

  • マイナス20℃を下回るので寒いというよりも痛くなる
  • 水の融点を軽々と下回っているので水を飲むことすらままならない
  • 呼吸すること自体が危険な上に深呼吸すると命にかかわる

ぐらい寒く、本気で危険であるので亜寒帯の冬場には絶対に行かないほうが良いと思う。

 以上、イエローナイフについてでした。

 

参照記事

1. イエローナイフの雨温図

https://ja.wikipedia.org/wiki/イエローナイフ

2. レイキャビクの気温

https://en.wikipedia.org/wiki/Reykjavik