DS930810のブログ

筆者は自然や自然現象に関心が相当あるので自然に関する記事(天文, 地理, 生物)を書いていきたいと思います。かつては1日2記事を適当な時間に投稿していましたが今のところは午後6時に1記事投稿する形にしています。

高緯度の寒帯都市 夏でさえ東京の冬よりも寒く

まだ状況は良くないですが久々に記事を書いて行きたいと思います。

そして、今回書く記事は寒帯の都市についてであります。

 

1. 寒帯とは

寒帯はケッペンの気候区(熱帯, 乾燥帯, 温帯, 亜寒帯, 寒帯)の一つであり、一般的には最も寒い気候とされている。

しかし、寒帯の定義は最暖月の平均気温が10℃を下回っているという条件のみであるため他の月の平均気温や降水量に関しては特に条件は無く、極端な話、平均気温が年中9.9℃であったとしても寒帯に分類される。

そのため、「寒帯=寒い」というよりは「寒帯=暑い時が無い」と言ったほうが正しく、実際に寒帯に属していても年平均気温が高緯度の温帯や亜寒帯よりも高い地域も存在している。

例えばボリビアのラパスは最暖月の平均気温が10℃を少し上回る程度であるが最寒月の平均気温は東京のものよりも高く、気温の年較差が小さいことが分かる。

その理由はラパスの緯度が南緯16度程度とかなり低い所にある。

低緯度地域では太陽の角度的に年較差が非常に小さくなり、年がら年中高温の気候、即ち熱帯気候となる。

しかし、ラパスの標高は富士山頂並みであるため気温が地上と比較すると非常に低くなり、結果として年がら年中気温が低い状態となる。

このように赤道付近に位置しているが標高の高い地域では極端ではないものの年がら年中気温の低い状態となり、ラパスの場合もほんの少し気温が低ければ寒帯となるほどである。

けれどもこの気候は真に寒帯であると言えるかというとそうでは無く、このような気候は一般的には高山気候と呼ばれており、寒帯とは別区分にされることが多い。

 

ここまでは標高が高いことが原因で気温が上がらない気候について書いてきたがここからは高緯度側の寒帯について書いて行きたいと思う。

高緯度側の寒帯は高山気候とは異なり、季節も存在しているので年較差も大きくなっている。

高緯度側は太陽との角度が小さいので夏でも太陽が高く昇ることは無く、冬場になるとついには太陽が昇らなくなる時期、つまり極夜が訪れることとなる。

極夜となるともはや太陽からの光が当たることが無くなるので気温は下がる一方となるため、冬場の気温は極端に低くなり、夏場に白夜が訪れても十分に気温を上げることはできなくなる。

そのため、高緯度側の寒帯は夏場になっても平均気温が10℃を上回ることは無く、そのため森林が発達することは無く、冬場になると極寒の寒さとなる。

以上が高山気候ではない寒帯の説明であり、一見すると都市は発達していないようにも見えるがわずかではあるが都市も存在している。

 

 

 

2. 寒帯の都市

寒帯は年がら年中気温が低い気候であり、居住することは非常に困難ではあるが一応都市も存在している。

寒帯は最暖月の平均気温が10℃を下回る気候であるが更に最暖月の違いから2つの気候に分類することが出来る。

最暖月の平均気温が0~10℃の場合はツンドラ気候(ET), 0℃を下回る場合は氷雪気候(EF)に分けられ、氷雪気候は南極大陸, グリーンランドの内陸部と言ったように極地の内陸のみに見られる気候である。

当然そのような所には都市はおろか村すらも存在しておらず、定住者はゼロであるがツンドラ気候の場合は少数ながら都市は存在している。

例えばアラスカのバロー(Barrow), シベリアのティクシ(Tiksi)などがあり、これらの都市は人口は少ないものの居住者は一定以上存在している。

 

バローは北緯71度18分に位置しており、北極海に面している。

そして、当然ではあるが気温は年がら年中低く、最も気温が高い月の平均気温でさえ3.9℃にしかすぎず、この気温は東京都の最寒月よりも低い。

しかし、季節が無いかというとそうでは無く、最も寒い月の平均気温はマイナス28.6℃まで下がり、年較差は30℃以上と東京都よりも大きい。

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バローは一年の半分以上の月の平均気温が氷点下となっており、非常に寒冷であることが伺える。

そして、降水量も非常に少なく、この理由はあまりにも気温が低すぎるために飽和水蒸気量が小さくなるからであり、寒冷地の降水量は熱帯や温帯と比較するとかなり小さい。

また、年平均気温はマイナス12.7℃しか無く、非常に寒冷ではあるがこの気温は寒帯ではなく亜寒帯であるオイミャコンと比較すると若干高い。

オイミャコンはロシアのサハ共和国にある村であり、同じサハ共和国の居住地であるヤクーツク, ベルホヤンスクと並んで最も寒い居住地である。

しかし、これらの居住地は寒帯ではなく亜寒帯であり、その理由は最暖月の平均気温が10℃を上回っているためである。

これらの地域はバローとは異なり内陸部にあるためバローよりも年較差が激しくなり、バローの年較差はせいぜい32.5℃に対してオイミャコンは50℃以上もあるほどである。

そのため、北半球で最も寒い寒極は寒帯ではなく亜寒帯のオイミャコンであり、単純に「寒帯=最も寒い地域」では無いことが伺える。

 

また、オイミャコンと同じサハ共和国に位置しているティクシの雨温図は以下のようになっている。

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ティクシの年平均気温はバローとほぼ同じであるがこちらは若干年較差が大きく、そして降水量は多い傾向にある。

 

このように真の寒帯(高山気候ではない)は年較差があるため季節も存在しているが居住可能な地域(ツンドラ気候)の場合は高緯度の亜寒帯と比較すると冬場の気温は極端に下がることは無く(日本からしてみると極端に低いが)、一概に亜寒帯よりも寒帯のほうが寒いとは言えない。

しかし、超高緯度の内陸に位置している氷雪気候の場合はオイミャコンの冬よりも寒く、南極大陸にあるヴォストーク基地の年平均気温はマイナス50℃をも下回り、最暖月でさえマイナス30℃を若干下回るほどである。

 

以上、寒帯の都市についてでした。

 

 

 

参照記事

1. バローの雨温図

https://ja.wikipedia.org/wiki/バロー (アラスカ州)

 

2.ティクシの雨温図

https://ja.wikipedia.org/wiki/ティクシ