DS930810のブログ

筆者は自然や自然現象に関心が相当あるので自然に関する記事(天文, 地理, 生物)を書いていきたいと思います。かつては1日2記事を適当な時間に投稿していましたが今のところは午後6時に1記事投稿する形にしています。

広大な塩湖 カスピ海とアラル海

 今日はカスピ海とアラル海について書いて行きたいと思う。

目次

1. カスピ海とは

 カスピ海は「海」と付いているが湖であり、周辺部は陸地に囲まれている。しかし、湖と言っても普通の湖とは異なり非常に面積が広く、日本の国土面積に匹敵するほどもある。更に湖ではあるが海水と同じく水は塩水であるため湖と言うよりも周辺部を陸地で囲まれた海と言ったほうが正しく、水深もバイカル湖と比較すると浅く平均水深は200 mよりも若干低いものの水量はバイカル湖よりも多く、水量の面でも世界一の湖である。

 ちなみに世界で二番目に広い湖はアメリカの五大湖の一つであるスペリオル湖であるが面積はカスピ海と比較すると非常に狭く、4分の1も無い。そのため、カスピ海は他の湖と比較すると群抜きの1番である。

 また、カスピ海は緯度が東北地方から北海道程度の位置に位置しているが内陸部に位置しているので降水量は非常に少なく、またカスピ海から流出している川は無いのでカスピ海からの水の流出は蒸発のみとなっており、カスピ海には塩分がどんどんたまっていくこととなる。そのため、カスピ海は先述したように湖であるにもかかわらず、塩湖となっており、塩湖はカスピ海のように周辺部が乾燥している地域, または流出河川が無い地域で形成されやすく、実際に世界で最も塩分濃度が濃い死海も流出河川が無く、更に乾燥地域に形成されている湖である。このようにカスピ海は塩水であるので直接利用することは不可能であるが非常に広大であるので生態系が形成されており、そのため漁業も盛んにおこなわれている。

 ここまではカスピ海について簡潔に書いてきたがここからはカスピ海へと注ぐ川について書いて行きたいと思う。カスピ海は流出河川は無いものの流入河川は多数存在しており、その中で最も長い川はヴォルガ川である。ヴォルガ川はロシアのヴァルダイ丘陵(北緯57度, 東経33度)を源流としている非常に長い川であり、全長は3,690 kmほどと信濃川の10倍以上もあるが源流の標高は非常に低く225 mほどしか無い。そして、ヴォルガ川は緯度の高い亜寒帯地域のヴァルダイ丘陵から南に向かって流れていき、やがては乾燥地域であるカスピ海へと注ぐこととなる。

 ヴァルダイ丘陵は標高は低いもののカスピ海の標高はさらに低く、水面の標高が海抜を下回っているのでやがてカスピ海に流れることとなるがその差も250 m程度しか無いので流速はかなり遅くなっていると思われる。このようにカスピ海は流入河川と蒸発量が釣り合っているので湖のバランスが保たれているがカスピ海の東側にあるアラル海では流入河川に対して滅茶苦茶な灌漑を行ったので非常に深刻な問題と化している。

2. アラル海とは

 アラル海はカスピ海の東側に位置している広大だった湖であり、その面積はカスピ海には及ばないものの世界で4番目に広く、塩湖の中では2番目に広い湖であった。そして、アラル海はカスピ海と同様に川が流入するだけであり、流出河川は無いのでカスピ海と同じように塩湖である。流入河川としてはシルダリア川とアムダリア川の2つの川が代表的なものとなっており、これらの川の流入と水面からの蒸発量のバランスが保たれていたのでアラル海の水量は長年保たれていた。

 しかし、1960年代にシルダリア川とアムダリア川に対して滅茶苦茶な灌漑を行ってしまった結果、両河川からの流入量が極端に減少していき、今までは蒸発量と流入量が保たれていたが流入量が減少したので水量は瞬く間に減少していくこととなった。水量が減少していくにしたがって水深や面積も急速に低下していくようになり、ついには湖が分裂する事態にまで発展した。湖が分裂した結果、小アラル海と大アラル海の2つに分裂するという異常な事態に発展し、更にここからも分裂することにもなった。

 ここで、繰り返すようになるがアラル海は世界で4番目に広大な湖であり、かつての面積は68,000 ㎢と琵琶湖の100倍ほどもあった湖で普通ならばこのように広大な湖が分裂することなどあり得ない。しかし、現にアラル海は2つ以上の湖に分裂しており、分裂した理由は水深の浅い所の水深がゼロになった、つまり完全に水が無くなったことに他ならない。

 このようにアラル海は完全に干上がった場所が出現し始めており、しかもその場所が8年前の時点で50,000 ㎢を超えており、面積は5分の1程度となっている。しかも、5分の1となったのは8年前の話であるので現在は更に縮まっている可能性も高く、このままいくとアラル海全体が消滅する危険性もある。

 このようにアラル海は消滅の危機にあるがその影響で悪影響が出始めている。その悪影響とは以下のような現象である。

  • 湖の生態系の崩壊
  • 干上がった場所の砂漠化
  • 異常気象の多発

 では、はじめに湖の生態系の破壊について書いて行きたいと思う。アラル海は非常に広大な湖であったのでかつては良い漁場となっていた。しかし、湖の面積や水深が急速に減少していった結果、塩分濃度が上昇していき、多くの魚が滅びていくことになった。魚が滅びたということは当然漁業にも悪影響が出ていき、更に湖の面積が小さくなっていったために船が干上がった場所に放置されるようになり、このような状況はやがて船の墓場と呼ばれるようになった。

このように河川流入が無くなるということは一方的に蒸発することを意味しており、蒸発するのは水だけであるので結果として塩分濃度は濃くなっていく。塩分濃度が濃くなっていくと当然生物に悪影響が出ていき、現に塩分濃度が最も濃い死海には生物が生息することは不可能である。このようなこともあったのでアラル海で漁業をすることはもはや不可能となってきており、多くの漁場が滅びていくようになった。

  また、蒸発した後の湖は塩分濃度の高い砂漠と化すようになり、この塩分濃度の高い砂漠は生物に有害な物質を多く含んでいるので周辺部の町はこの有害物質の被害にあうようになり、健康被害が多く生じるようになった。

 そして、アラル海周辺部は乾燥地域であったもののアラル海の影響で降水も見られ、更に温度の差も抑えられていたがアラル海が消滅したことにより降水はアラル海が健在の時と比較するとかなり少なくなっている上に気温差も大きくなったために夏はより暑く、冬はより寒い気候となった。つまり、アラル海が消滅したことによりアラル海周辺の気候は砂漠の気候により近いものとなり、更に元々湖であった場所は有害な砂漠と化すようになり、結果として不本意ながら人工的に砂漠を形成するようになってしまった。

 このように、いくら広大な湖であったとしても流入河川を止めてしまうと水量のバランスが崩壊し、結果として広大な湖を有害な砂漠とするようになり、カスピ海でも同じようなことをすると確実にアラル海と同様の状況になる危険性が非常に高い。

 以上のことより環境問題は少しのことでも大きく崩壊し、やがては自分の身を滅ぼすことになるので環境問題は一日も早く問題点に気づき、解決してほしいと思う。

 以上、カスピ海とアラル海についてでした。