DS930810のブログ

筆者は自然や自然現象に関心が相当あるので自然に関する記事(天文, 地理, 生物)を書いていきたいと思います。かつては1日2記事を適当な時間に投稿していましたが今のところは午後6時に1記事投稿する形にしています。

世界一長い国 チリ

今回は南米に位置してる世界一細長い国、チリについて書いて行きたいと思う。

 

1. チリとは

チリ(Chile)は南米の西岸に位置している国であり、正式名称はチリ共和国である。

チリはスペイン系の国であるのでスペイン語が公用語となっており、メキシコ以南の国ではスペイン語が公用語の国は多い。

そして、チリと言ったら非常に細長い国であり、幅は平均175 km程度しかないものの南北方向の長さは5,000 km近くにも及び、この長さは水星の直径に匹敵するほどである。

そのため、チリは東西方向は非常に世界ものの南北方向が東西方向の30倍近くもあるため面積は意外なほど広く、日本の2倍程度の面積を有している。

しかし、人口は日本と比較すると少なく、東京都と大阪府の人口合計よりも少ない。

 

このようにチリは面積の割には人口が少ない国であるがその理由は気候が日本と比較すると暮らしにくいからと考えられ、実際にチリが細長くなったのにはとある山脈が関係している(世界中の国の大半は人口密度がかなり小さく、チリが極端に低いと言う訳ではない)。

その山脈とは言うまでも無くアンデス山脈のことであり、チリの東側には非常に高いアンデス山脈が迫っている。

アンデス山脈は南アメリカ大陸に位置している同大陸最大の山脈であり、標高も極めて高く、南アメリカの一部の国はこのアンデス山脈の平地に位置している。

ここで平地と言ったがアンデス山脈の平地は標高が非常に高く、例えばボリビアの首都ラパスの標高は富士山頂とほぼ一致するほどである。

そのため、ラパスは緯度的に見ると熱帯であるのにもかかわらず、平均気温は年がら年中低くなっており、あと少し気温が低下すると温帯から寒帯に移行する程度である。

勿論ラパスよりも平均気温の低い地域では最暖月の平均気温が10℃を下回る地域も存在しており、その地域は緯度が低いのにもかかわらず寒帯に属している。

しかし、寒帯と言っても緯度が高いタイプの寒帯ではなく、標高によって平均気温が底下げされた高山性の寒帯であるので最寒月の平均気温が東京よりも高い地域もあるほどである(元が熱帯であり、年較差が非常に小さいため)。

 

このように南アメリカ大陸には海岸沿いに山脈があるのでアンデス山脈の西側にあるチリの国土が非常に細長くなることはある意味では必然であり、そのためチリの低緯度側と高緯度側では気候は大きく異なるほどである。

チリの最北端(つまり低緯度側)の気候は亜熱帯気候となっており、この地域では海岸沿いに寒流が流れており、上昇気流が発生しないため非常に乾燥しており、砂漠気候となっている。

そして、南に行くにつれてステップ気候(半砂漠気候), 地中海性気候, 西岸海洋性気候となっており、最近では地球温暖化の影響で気温が上昇しているため低温の西岸海洋性気候となっているが最南端では寒帯であるツンドラ気候に近い気候となっている。

チリは言うまでも無く大陸の西岸に位置している国であるのでこの気候の順は典型的な大陸西岸の気候の並びであり、大陸東岸と比較すると気温の年較差が小さいので亜寒帯気候は存在しない(そもそも亜寒帯気候は南半球には存在しない)。

 

では、次章ではチリの気候について書いて行きたいと思う。

 

 

 

2. チリの気候

チリは非常に細長い国であるので北端の緯度は南緯20度程度と低めであるが南端の緯度は南緯54度とかなり低く、そのため北端と南端では気候が大きく異なる。

北端の緯度は20度程度であるため亜熱帯の属しているが西岸性の亜熱帯であるため亜熱帯高圧帯の影響を受ける上に、海岸沿いには寒流が流れており、この寒流の影響で上昇気流が発生しないので世界一乾燥している地域と言っても過言ではない。

しかし、乾燥の原因は亜熱帯高圧帯よりも寒流の影響が大きいためアラビア半島やサハラ砂漠と比較すると気温はかなり低く、灼熱地獄となることは無いが降水量はアラビア半島と比較しても比べ物にならないほど少なく一年中降水が無いと言っても過言ではないほどである。

 

では、チリ最北端の州であるタラパカ州の州都イキケ(Iquique)の雨温図を載せていきたいと思う。

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イキケの気候は言うまでも無く砂漠気候(BW)に分類されるが他の砂漠気候と比較しても降水は全くないと言っても過言ではなく、半年間降水がゼロであることが普通であるほどである。

そのため、イキケと比較するとアラビアの都市が超湿潤気候に見えるほどであり、イキケがいかに乾燥しているかが分かる。

ここで、イキケが極端に乾燥していると書いたが実を言うとそれは間違った表現であり、正確には乾燥をしているというよりも降水が無いと言ったほうが正しいのである。

イキケは海岸沿いに寒流が流れていることが降水が無い原因であるので典型的な亜熱帯砂漠とは異なり太陽が強烈に照り付ける砂漠ではないので気温も比較的低くなっており、あまり砂漠のような環境ではない。

しかも降水が無いのにもかかわらず近くに海岸があるので湿度が非常に高く、場合によっては100%近くにも達し、更に霧も発生しやすい。

このようにイキケは砂漠と言っても普通の砂漠ではなく、寒流性の砂漠であるので気温も低く、湿度も高いが降水の少なさで言ったら普通の砂漠とは比較にならないほど低い。

 

 

では、ここからは南(低緯度側)に進んでいきたい。

イキケから南に進むとチリの首都であるサンティアゴ(Santiago)が位置しており、サンティアゴの緯度は大体大阪と同じぐらいである。

そして、サンティアゴの気候はイキケと比較すると過ごしやすい気候であり、緯度が大体大阪と同じぐらいであるため四季は存在するが西岸に位置しているので夏場は乾燥しやすい気候となっている。

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サンティアゴの年平均気温は大阪と比較するとやや低めであるが年較差は比較的小さくなっているので最寒月平均気温は大阪と比較しても高くなっている。

そして、サンティアゴの特徴は最暖月の平均気温がかなり低い所にあり、最暖月の平均気温は20.7℃と22℃を下回っているので温暖湿潤気候のようなa気候ではなく、夏場の気温が低いb気候となっており、日本と比較するとかなり過ごしやすくなっている。

しかし、それは気温の面での話であり、降水量は大陸西岸にある関係上夏場の降水量が非常に少なく、この気候は地中海性気候(夏場の降水量が少ない)と呼ばれている。

そのため、サンティアゴの気候はCsbタイプとなっており、これは地中海性気候に加えて夏場の気温があまり上がらない気候のことである。

けれどもサンティアゴの緯度は大阪程度であるので比較的小さく、この緯度は亜熱帯よりも少し高い程度の緯度であるためサンティアゴの気温は低すぎるぐらいである。

その理由は先ほど書いたイキケの海岸沿いを流れているペルー寒流の影響であり、この寒流がサンティアゴの気温を底下げしていると言っても過言ではなく、もしこの寒流が無ければサンティアゴの気温は上昇し、イキケの乾燥も今ほどは酷くならなくなる。

 

 

最後に南米最南端の都市であるウシュアイア(Ushuaia)について書いて行きたいと思う。

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ウシュアイアは南緯54度ほどに位置している都市であり、南半球最南端の都市でもある。

そして、気温に着目してみると年間を通して低くなっており、最暖月の平均気温でさえ10℃を少し上回っている程度であるので非常に寒帯に近い気候である。

しかし、最寒月の平均気温は意外なほど高くなっており、0℃を上回っているので亜寒帯には属しておらず、年較差の小さいCfc気候となっている。

Cfc気候は西岸海洋性気候の中でも気温が低い気候であり、西岸海洋性気候の条件に10℃以上の月が3カ月未満であると言う条件が加わった場合はこの気候となる。

この気候は世界的に見ても珍しい気候であり、西岸の高緯度側(と赤道付近の高山地域)のみに見られる気候であり、大陸内陸部や東岸部ではこの気候になる前に亜寒帯気候となるためこの気候は非常に限定的な気候となっている。

また、ウシュアイアは大陸西岸部であるが同時に東岸部でもあり、周辺を海洋に囲まれているのでこのことがウシュアイアの年較差を小さくしている要因であるとも考えられる。

 

 

このように、チリは非常に細長い国であるので様々な気候が見られるが西岸に寒流が流れているので平均気温はやや低めになっている。

以上、チリについてでした。

 

 

参照記事

イキケ 雨温図

https://en.wikipedia.org/wiki/Iquique

サンティアゴ 雨温図

https://en.wikioedia.org/wiki/Santiago#Climate

ウシュアイア 雨温図

https://ja.wikipedia.org/wiki/ウシュアイア

 

※ウシュアイアはチリではなく、ペルーの都市であるが筆者はウシュアイアをチリの都市であると勘違いしていました。

しかし、位置的にはチリに非常に近いので一応ここに載せておきます。