DS930810のブログ

筆者は自然や自然現象に関心が相当あるので自然に関する記事(天文, 地理, 生物)を書いていきたいと思います。かつては1日2記事を適当な時間に投稿していましたが今のところは午後6時に1記事投稿する形にしています。

オリオン座の近い星 π3星

今回はオリオン座の近い恒星について書いて行きたいと思う。

 

1. オリオン座の近い恒星

オリオン座の明るい恒星はどの恒星も非常に遠くに位置しており、最も遠いアルニラムは1,977光年、最も近いベラトリックスでさえ252光年も離れている。

そして、オリオン座の中で最も明るい恒星であるリゲルは全天で7番目に明るい恒星であるのにもかかわらず863光年も離れており、この遠さはオリオン座の7恒星の中で2番目に遠く、1.5等星以内の恒星の中でも2番目に遠い。

そのため、リゲルは極端に明るい恒星であり、可視光だけでも太陽の50,000倍以上の光度を有しており、肉眼で観測が可能な恒星の中でも16番目に可視光が強いほどである。

 

また、リゲル以外の恒星もアルニラム以外はリゲルよりも近いものの地球からの距離が数百光年離れた恒星ばかりであり、当然絶対等級も非常に強い。

しかし、オリオン座の恒星の中にも近い恒星は存在しており、7恒星の次に明るいι星はアルニラムよりも遠くに位置している上に表面温度も非常に高いので輻射込みの絶対等級ではリゲルをも上回っているがその次に明るいπ3星は太陽系とかなり近い位置にある。

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オリオン座π3星はベラトリックスの西側に位置している恒星であり、オリオンの腕に位置している。

そして、オリオン座π3星にはタビト(Tabit)という固有名がついており、オリオン座の恒星の中では9番目に明るい恒星である。

また、この恒星の特徴は先ほども書いたように地球からの距離が非常に近いことであり、タビトよりも明るい恒星は全て250光年よりも遠い上に絶対等級も余裕でマイナス入りしている恒星ばかりであるがこの恒星は地球からは26.3光年しか離れておらず、この距離はベガよりも少し遠い程度である。

タビトは地球から見ると3.19等と比較的明るい恒星として観測できるがこの理由は単純に地球からの距離が近いからであり、実際の明るさは太陽とそこまで差があるわけでは無く、絶対等級も3.65等とプロキオンよりも1等程度暗く、太陽の3倍程度の明るさしかないほどである。

 

ここまではタビトについて簡潔に書いてきたがここからはより詳しく書いて行きたいと思う。

 

 

 

2. タビトの物理的性質

オリオン座に位置している明るい恒星は軒並み明るい恒星ばかりであるがタビトは地球からは26光年程度しか離れておらず、太陽の3倍程度の明るさしか有していない。

そのため、タビトは太陽と極端に差がある恒星と言う訳ではなく、巨星, 超巨星ぞろいの他のオリオン座の恒星とは違い若い主系列星である。

タビトのスペクトル型はF6Ⅴであり、これは太陽よりも若干表面温度が高い主系列星であることを意味しており、表面温度は6,500 K程度とプロキオンよりも若干低い程度である。

そして、直径は太陽の1.3倍程度と推測されており、これをキロメートルに換算すると181万キロメートルほどであり、金星軌道の半分程度の大きさを有するリゲルや地球軌道よりも巨大なベテルギウスと比較するとかなり小さい。

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左が太陽、右がタビト。タビトの直径は太陽とそこまで大きさ差があるわけでは無く、太陽系に最も近いアルファ・ケンタウリの主星の直径と同等か少し大きい程度である(アルファ・ケンタウリの主星の直径は170万キロメートル程度)。

 

また、質量は太陽の1.2~1.3倍程度と推測されており、この質量はプロキオン(1.4倍程度)と比較すると若干軽く、この質量の恒星の寿命は50億年程度と推測されているので仮に周囲に惑星があった場合には生命が誕生する可能性も十分考えられるがこれ以上重くなると寿命的な問題が発生し、生命が誕生する前に恒星が巨星化するのでタビト程度の質量の恒星が生命誕生の上限ではないかとも考えられている。

 

そして、現在タビトは主系列星の段階ではあるが数十億年後には巨星と化すこととなり、質量が南十字座γ星と同等程度であるので将来的には南十字座γ星のような恒星と化すと考えられる。

参照までに南十字座の記事です(γ星は仲間外れの恒星)

www.rigelultragiant.com

 

このようにタビトは地球からの距離が近い上に生命が存在する可能性も低確率ではあるが考えられ、興味深い恒星であるがまだそこまで年を取っている恒星ではないので生命体はまだ誕生していないと考えられている。

 

 

 

3. 他のπ星

ここからは少し話がずれるが他のπ星について書いて行きたいと思う。

タビトはオリオン座π3星であったが「π3」と言うようにπの後に3がついているので当然「π1」星も存在するように見え、実際にオリオン座にはπ星は6つ存在している。

タビト以外のπ星は地球からの明るさが暗い恒星ばかりであり、固有名もついていないが地球からの距離はまちまちであり、中には非常に遠い恒星も存在する。

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オリオン座π星は上から1,2,3,4,5,6の順に割り当てられており、この中でタビトは最も明るい恒星である。

では、ここからはオリオン座π星のデータについて書いて行きたいと思う。

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オリオン座π星の中で1,2はそこまで明るい恒星ではなく、A型の主系列星であり、タビトと比較するとかなり遠めではあるが絶対等級もマイナスに入ってはおらず、1星に至ってはシリウスよりも暗い。

けれども4~6星は地球からの距離が遠い明るい恒星であり、いずれの恒星もリゲルよりも遠い。

特に4,5星は1,000光年以上も離れている高温の巨星であり、最も明るい5星は絶対等級も非常に強く、この絶対等級はオリオン座κ星サイフとほぼ同等である。

そのため、これらの恒星の寿命は短く、今後は超新星爆発を起こし、短い一生を終えると考えられる。

そして、6星は4,5星と比較すると表面温度が低い恒星であり、絶対等級も4,5星と比較すると暗めではあるがそれでも明るめの恒星であり、わし座のタラゼド(γ星)と姿の似ている輝巨星である。

 

このようにオリオン座のタビト以外のπ星は地球からの距離がそこまで遠くないものもあるが半分はかなり遠くに位置している恒星であり、特に4,5星は非常に明るく質量の大きな恒星である。

まあ、タビト以外のπ星は太陽と比較すると明るく重いので生命体が誕生することは無いと考えられているが...

 

 

 

以上、オリオン座の近い恒星についてでした。